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耳(ミミ)とチャッピの布団

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ロバート・レッドフォードさんごめん

ロバート・レッドフォードさんごめんなさい
関西国際空港が開港して10年になりますが、ちょうど開港のとき関空で仕事してました。
開港さわぎも少し落ち着いた頃、突然アメリカから一通の問い合わせFAXが届きました。
送信元はロバート・レッドフォード事務所となっています。あの映画俳優の...
彼が主催するサンダンス映画祭のイベントを初めて中国でおこなうことになったが、アメリカから中国へは直接乗り入れができないので、いったん日本を経由する必要がある。
そこで空港島内でメンバーの宿泊手配をしてほしいとのこと。
そんな趣旨のFAXでしたが、本当に彼のオフィスからの依頼か信用できません。
当時ロバート・レッドフォードが俳優業より監督の仕事を多くしているぐらいの知識はありましたが、サンダンス映画祭なるものの存在は知りませんでした。
調べてみると若手映画人の育成を目的としたサンダンス・インスティテュートを彼が設立。その発展としてサンダンス映画祭がおこなわれるようになったようです。
映画の世界では新人監督の登竜門として重要な位置づけになってるみたいです。

しかし唐突な依頼ですし、海外からの問い合わせでは身元確認の方法もありません。
それでスケジュールやメンバー構成の確認とともに、必要な宿泊経費は来日前に銀行口座に振り込むよう返信しました。
ここのところをアヤフヤにして、いざ到着したら誰が金を払うかわからない!と云ったトラブルはありがちなのです。
数日して、私が送った返信の内容は全て了解したとのFAXが届きました。また日を置かずして、私が指定した金額が銀行に振り込まれてきました。

はっきりした記憶はありませんが、メンバーには女優のジョディフォスター、監督のクエンティン・タランティーノやコーエン兄弟などの名前があったと思います。
とに角メンバーが判明してから、職場は大騒ぎになりました。
後は全員到着までの細かい調整をするばかりです。

ところが、こういったことはよくあるのですが、到着予定日までにメンバーの変更を通知するFAXが続けざまに入ってきます。最初に主催者のロバート・レッドフォード本人が、ビザ申請の遅れから皆と一緒に来日できず、後日別ルートで中国に行くことになりました。
まあ私としては、既にお金もいただいているので、後は受け入れ準備をうまくやればいいや程度で気楽にかまえていました。

いざメンバーが到着すると、写真で見た顔と実物が一致せず、誰が誰やら頭の中はメチャメチャです。
それでも全て手配通りにことは運び、翌日無事に全員が中国に発っていきました。

中国に発ったその日の内に、報告のFAXをレッドフォードの事務所に送り、これで全て完了...だったハズですが、後でよく考えると当初連絡のあったときと比べて実際はかなり人数が減っています。
お金は最初に問い合わせのあった人数で受け取っているので、簡単に云えば「もらいすぎ」なのです。
連絡をとりあっているときは、他のことにばかり頭がいってて、ギャランティの話はゼンゼンしていませんでした。
だから先方から返金要求がくれば(私だったら当然そうします)余分なお金は返さねばなりません。
ところが、そのことに気づいたのはかなり日にちがたってからで「とりあえず最初の時点でギャランティということにしとこ」と勝手に決めてしまいました。
結局それ以来、ロバート・レッドフォードの事務所からは何も云ってきませんでした。
本番の中国でのイベントでてんてこまいなのか、私の勝手な結論が以心伝心したのか...
いずれにしてもロバート・レッドフォード事務所から、もう二度と用事を頼まれることはなさそうです。


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