スクラップ・アンド・ビルド:羽田圭介著、読みました。
28歳の青年が主人公です。彼は、5年間務めた会社を退職し行政書士の資格取得を目指しながら、短期バイトをしたり有名企業の中途採用だけを受け続ける生活です。自宅で、母方の要介護の祖父の身の回りの世話をしています。スクラップ・アンド・ビルド [ 羽田圭介 ]価格:1296円(税込、送料無料)所謂、フリーターとなっている彼ですが、物語中では、かなりしっかりと目的意識を持ち、努力する行動が描かれています。介護している祖父に対しても、遠慮なく厳しい躾的な態度をしたり、激しい言葉も浴びせたりします。介護老人には、どう接したらいいのか?どういう方策が最も人間の尊厳を保てるのか?そして逆に若者たちはどう現実と向き合うのか?非常にメッセージ性の強い内容です。介護老人の性質や特性や介護に関わる細かい描写、若者がもつ現代社会への憤りのような批判精神を、面白おかしく、シニカルに描いていて、あっという間に読み終えました。こういう現実的な内容をディテール細かく描き切った小説が芥川賞には多いですね。よんで面白かったです。本・書籍 ブログランキングへにほんブログ村