|
テーマ:洋楽(3281)
彼の名はトーン・ロック。 西海岸のラップ専門のレーベルであるDelicious Vinyl(デリシャス・ヴァイナル)の第一弾アーティストとしてデビューした23歳のラッパーだった。 デビュー・アルバム「Loc-ed After Dark」(写真)からのシングル「Wild Thing」は'89年にリリース。モノクロ映像のPVもなぜかあちこちで目にした記憶がある。 無表情に楽器を演奏するオネーチャンに囲まれて、やる気があるんだかないんだか分からないラップと動きを披露するトーン・ロックを見て、「何だコイツ?」とか思いながらも妙に印象に残ったのを思い出す。 パッと見は何の取り柄もなさそうな黒人デブといった感じのこの人だが、その低音のダミ声と飄々とした雰囲気からは油断ならぬ何かが感じられたものだ。 そのイントロからして人を食ったような感じだが、ゆるいテンポとヘヴィでキャッチーなギター・リフを軸としたグルーヴ感が何かとツボにくる。 その上に乗っかるロックのトボけたボーカルがまたイカしている。 時折挿入されるスクラッチ音などは時代を感じさせたりもするが、得体の知れないカッコ良さを持つこの曲は、今聴いても充分有効な気がする。 「Wild Thing」は何だかよく分からないうちに全米チャートを上昇し、気がついたら最高2位まで上昇。当時のラップ・ソングとしては破格の200万枚を売り上げた。 「Wild Thing」といったらジミ・ヘンドリックスの名演でも有名な同名曲があるが、ロック自身はジミ・ヘンドリクスは聴いた事がないと発言している。 アルバム「Loc-ed After Dark」は全米1位を記録。 同アルバムからは「Funky Cold Medina」も全米3位のヒットとなった。 Run DMCやビースティー・ボーイズの場合とは違って、何であんなに売れたのか未だに謎な気もするが、結局僕はこのアルバムが大好きだったりする。 ロックは1991年のセカンドアルバム「Cool Hand Loc」を最後に俳優業に転身。 売れなかったためか、音楽に執着がなかったのかどうかは知らないが、個人的にはちょっと残念な気がした。 今でもこの人を覚えてる人ってどのくらいいるんだろう? せめてこの曲くらいは覚えていてほしいなあ つーコトで「Wild Thing」を聴くにはここをクリック! なお、このPVの後ろの方でサングラスをかけてスクラッチをしているお兄ちゃんも、後にYoung MCとして「Bust A Move」(全米3位)のヒットを放っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.24 15:24:59
コメント(0) | コメントを書く
[Soul/Funk/HIPHOP/Fusion/Jazz] カテゴリの最新記事
|