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テーマ:洋楽(3285)
カテゴリ:90年代以降の洋楽
'87年に全米3位を記録したヒット曲「Luka」が代表曲で、児童虐待というヘヴィな内容をポップなメロディに乗せて歌ったそのナンバーは、当時多くの人に親しまれた(自分が彼女を知ったのもコレがきっかけ)。 そして、彼女の代表作とされる、もうひとつの曲が「Tom's Diner DNA Remix」である。 元々は、その「Luka」を収めた'87年の名盤「Solitude Standing」の冒頭を飾るナンバーで、オリジナルは二分半にも満たないアカペラ・ナンバーだった(かつてはTVのCMでも使われていた)。 それを三年後にあたる1990年に、英国のプロデューサー・チームであるDNAが、作者であるスザンヌに無許可でリミックス(というかサンプリング)したのがこのヴァージョンである。 結果、全英2位、全米でもTOP5に入るヒットを記録。 当のスザンヌは激怒したというが、当時の僕は「オリジナルよりこっちの方がカッコいい」とか思いながら聴いていた記憶がある(笑 非常にダンサブルなナンバーで、曲の中で執拗に繰り返される「トゥトゥ・トゥールットゥトゥトゥールッ…♪」というスキャットがとても耳に残る。 …であるが、オリジナル・バージョンでは、その部分は最後の方で付け足しのように顔を出すだけ。 DNAのバージョンは、その部分をメインに持ってくる事によって、この曲をポップ・ソングとして強調させている。 クールに跳ねるビート、歯切れの良いホーン、妖しく動くベース・ラインは、淡々とした彼女の歌とうまく絡み合っており、この曲の魅力がまた違った形で引き出される結果となった。 シンプルで個性の強い素材も、アレンジひとつでガラリと変わるという好例であり、DNAなる人達の着眼点の鋭さに感心させられる名トラックである。 彼女の繊細かつ鋭い感性が滲み出る歌詞も見逃せない。但し、これはオリジナル・バージョンで聴いた方がよく伝わるかも。 また、この曲は、様々なアーティスト/DJによってサンプリングに使用されるなどして数多くのヴァージョンが存在し、それをまとめたトリビュート・アルバム『Tom's Album』なんてのが出た事もあった(もう廃盤?)。 現在ではスザンヌの英断により、自身のベスト盤(写真)に収録。 「Luka」や「Gypsy」などと共に、一度は聴いておきたい一曲だ。 独特の緊張感が心地良いオリジナル・バージョン(こちらはベスト盤未収録)も忘れずに。 「Tom's Diner DNA Remix」を聴くにはここをクリック! ちなみに、この曲のオリジナル・バージョンは、MP3の開発にも大きく貢献しているらしい(詳しくはここを参照)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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