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テーマ:洋楽(3281)
カテゴリ:ビートルズ
当時はビートルズなんて名前くらいしか知らなかった僕だが、この時の騒ぎは今もなんとなく頭に残っている。 その数ヶ月後にヒットを記録したのがこの曲である。 1980年、全米1位、全英2位。 ポールのアホ面が印象的なソロ名義第二弾アルバム、「McCartney II」(上写真)の冒頭を飾るナンバーだ。 ポールのソロ名義としては、これが初の、そして唯一の全米No.1曲でもある(※)。 もっとも、シングルのB面はウィングスによる同曲のライブ・バージョン('79年、グラスゴーでの演奏)で、アメリカでヒットしたのはそちらの方。 つまり純然たる意味では、ポールのソロとしての全米No.1シングルは今のところ存在しないということになる A面のスタジオ・バージョンは、以前からウィングスのライブで演奏されていた曲を、ポールが自宅でプライベート録音したものである。 当初、発売の予定はなかったが、聴かせた周囲の人間からの評判がよかった事もあって、アルバム共々な~んとなく商品化を決めたらしい。 この時のストックは50曲以上あったらしく、最初は2枚組にする構想もあったとか。 バック・ボーカルに愛妻リンダを加えている事を除けば、演奏は全てポールひとりによるもの。 ファンクとテクノをポール流に解釈したような仕上がりで、なんとも軽い演奏とポールのトボけた歌声がとても印象的。チープな音色のホーン(シンセ)が笑える。 メロディもとりたててキャッチーとは思えず、昔は「何でこんな曲が売れたんだ?」などと思っていたものだが、長年聴いているうちにこのヘッポコさに味わいを感じるようになってきた(笑 名曲と呼べるかどうかは別にして、今では大好きな曲のひとつだ。 ジョン・レノンはこれを聴いて「いい曲だ」と言ったらしく、当時、音楽活動の再開を考えていた彼の背中を押すものにもなったという。 また、それ以上に興味深いのがこの曲のビデオクリップで、リンダを除いたバックのメンバーをポールがひとりで演じる姿は、見ていてヒジョーに楽しい。 アマチュア時代の自分(つまりポール)、バディ・ホリー、ジンジャー・ベイカー、フランク・ザッパ、アンディ・マッケイなど、どれもニヤリとさせられるが、個人的にはスパークスのロン・メイルのモノマネに爆笑。 胸にバラを差して歌う黒服のポールもお茶目でカワイイ この時代にMTV大賞がなかったのが悔やまれるなぁ 一方、アメリカでヒットしたウィングス・バージョン(B面のライヴ)はというと、演奏自体に勢いはあるのだが、サウンド的にスカスカな上、ミックスにも迫力がない。個人的にはどうにも出来がいいとは思えず、ヒットした理由(?)が未だに分からなかったりする。 これなら、'79年暮れに行われたカンボジア難民コンサートでのバージョンの方がよほど出来がいいと思う。 この曲は、現在でもポールのライブにおける重要なレパートリーであり、近年ではますます重心を効かせたファンクナンバーとして演奏されている。 なおアルバム「McCartney II」は、テクノ風ナンバーの他に「いつものポール」なバラードからブルース(ポールには珍しい)までが混在するという内容になった。 チープなサウンドがいかんともしがたい(デモテープみたい)事もあって、賛否は分かれる所だが、楽曲の出来は決して悪くないし、ポールのファンなら持っておいてソンはない一枚だと思う。 個人的には、ポールがYMOごっこしたようなインスト「Front Parlour」が大好きだったなあ。。。 そういえば、YMOは「Nice Age」(アルバム『増殖』収録)という曲で "Coming Up Like a Flower" という一節を引用していたっけ つーコトで「Coming Up」の楽しいPVはここをクリック! カンボジア難民コンサートでの演奏はこちら。 ※'71年のNo.1シングル「Uncle Ulbert Admiral Halsey」はポール&リンダ・マッカートニー名義。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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