|
カテゴリ:カテゴリ未分類
バリ人と結婚して,何に一番頭を悩ませるかといえば,やはり人付き合いの方法でしょうか。何せ考え方の違う人間が結婚するわけですから,同じ日本人といってもあれ?と思うことが多いのに,こちらでは親族の多さ,地域のかかわり方の深さが,さらに大きなおまけとしてついてきます。それを上手くこなす方法として,私はより多くの味方を作るように,日々地域の方と一緒に宗教行事にご奉仕に出かけ,そこそこそれなりの成果?をあげてきた訳ですが,それにしても今さっき聞いた友人の話には,すごいものがありました。
彼女に了解を頂いたので書く事にします。 最近家を建て引っ越してみたら,目の前が村のサッカー場になっていたのは仕方なしとしても,ゴールのネットが破れていて,時々ボールが家にぶつかり,新築の家の壁にサッカーボールの跡がついてしまいどうしたものかと悩んでいたそうです。こんな時今の日本ではどういう処理を考えるのでしょうか。 聞いていて私は自分の家の壁に跡がつくのはあきためるほかないし、窓ガラスが割れないよう,窓枠にアイアンでも入れてカバーするほかないと思っていたのですが,,, ある日サッカーボールが壁にあたる大きな音がして,そのまま庭先に転がり込んできたそうです。するとサッカーに興じていたらしい,村の親父が汗をたらたら流して,走りこんできて,庭に居る彼女を見ようともせず、ボールを拾うとさっさと走って戻ろうとするではありませんか。 何か言わなきゃ,,、と思った彼女が呼び止めると,そのおやじは急いで逃げようとしたそうです。すみませんね,,,ぐらい言えないのかと思いませんか。でもこちらは謝るなんてことはまず早々見かけないのですから。 もちろん彼女も初めは文句を言えないにしても気を付けてくださいぐらい言おうと思ったそうですが,その親父の必死の逃げ方が,急におかしくなってきてしまい,とっさにこう言ってしまったそうです。 「サッカーゴールのネットを寄付したいんですけど!」 こんなパァ-フェクトな解決方法はないと感動して鳥肌が立ってしまいました。しかも考えた末にそういったのではなく,とっさにです。 文句をいってみたところで,こちらの村人は,「何を言ってやがるんで,人の村に家立てて勝手に住みやがって。」なもので,相手にしませんし,逆恨みを買って,何されるかわかったものではありません。それを彼女も十何年も住んできたからこそ,肌身にしみて理解しています。 自分は困っている、が、相手に文句を言っては話がこじれる,それなら他にどういう方法で,自分を守るのか、、、 彼女は私が甚く感動すると,自分の家を守ろうとして言ったんだから,そんなに誉められたものではないと謙遜していましたし,また,かっこつけて,,,何て言われてしまうかも、、、と言っていましたが、こんなかっこいいやり方はないと思いました。(それにそんな安い申し入れではありませんもの。) バリの田舎,ウブドで,子供を育て,その土地に感謝すればこその出来事であり,周りの人とどうやって暮らしていくか、まさに共生という言葉のよい例だと思いました。 こんな彼女と友人でいられる事を心から感謝した夕べでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.15 00:15:59
|