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『生まれた場所』。自分にとってのその場所。しばらく行ったことがないので良くは覚えていないのですが、そこは冬でも暖かく、くどいようですが『めったに雪が降らない場所』でした。なのですが、自分が生まれて初めて雪がふるのを見たのはその場所でした。しかも、覚えている限り、その町で雪がふるのを見たのはそれが最初で最後。降ったのはたったの1回だけでした。
たった1回だったからなのか。30年何年しか生きていないのに30年以上も前の話なのですが、そのときのことは克明に覚えています。冬の夕方、路地を歩いていると雪は降ってきました。路地の両脇は鉄工所かなんかの塀で、今から思い返してみると想像もつかないのですが、当時は身長が1メートルもなかったためその塀はとても高く聳えていました。おかげでそれらに遮られた空は狭く、そして高かったです。それから、今までに見たことがない色、薬品工場の煙突から出る煙のような雲に覆われていました。その光景は間の悪い冗談のように妙にリアルで、例えばこの瞬間に思い起こしてみても昨日降った雪よりもハッキリしていたりします。 この歳になっても雪が降ると浮かれてしまいます。昨日は最近ノリがよくなった娘と夜まで走り回っていました。『雪でうかれる』。大人げないと言ってしまえばそれで言い切れてしまい、それで話は終わってしまうのですが、それは雪が降らない暖かい場所に生まれた人間にしか抱けない情操だったりします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 10, 2017 10:59:42 PM
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