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カテゴリ:DJミキサーコラム
さて、今まで3タイプのDJミキサーについてSEND/RETURN端子回路を見てきたわけですが、他にもいろいろな仕様がありまして、各メーカー、機種によって様々です。
全機種の回路をご紹介することは難しいので、今日は簡単にその他のタイプについてご紹介いたします。 (その一) RANE TTM56、EMPATH HIPHOPDJ達の誰もが憧れる超定番ミキサーブランドRANE。音質、耐久性に関して不満に思う方はまずいないでしょう。 このDJ MIXERに共通なSEND/RETURNの回路を以下に示します。 DRY/WETの部分で回路が2つに別れていますが、ちょうど分岐点で音声信号の量を調節できるようになっています。 つまり、完全にDRYにした場合は、エフェクターに音声信号が行かず、真ん中にするとVestax PMC05proIIIと同じ回路になり、完全にWETにするとエフェクターにだけ音声信号が行き、Pioneer DJM-707と同じ回路になるという仕組みです。 (その二) ALLEN&HEATH XONE:62、XONE:92、XONE:464 テクノ、ハウス、トランス界の最高峰といったらALLEN&HEATH XONEシリーズ。 まず、パネルを見てみるとSEND、RETURNと書かれたツマミやボタンがありません。 各チャンネルの上部にAUXと書かれたツマミがあるだけ。 実はこのAUXというツマミがSENDのツマミの役割を果たします。 任意のチャンネルのAUXのツマミのボリュームを上げるとAUX端子からその音声信号が出力されます。 さて、問題はRETURN端子です。 ALLEN&HEATHにはRETURN端子が用意されておりません。 どうするかといいますと、空いているチャンネルをRETURNとして使用します。 例えば、XONE:62はターンテーブル等を接続でき、クロスフェーダーにアサイン可能な縦フェーダーの他に「MIC」と書かれた縦フェーダーが2つあります。 このMICフェーダーは切り替えスイッチにより、LINE入力として使用できるので、このフェーダーをRETURNとして使用すればよいのです。 (その三) TASCAM XS-3 エントリーモデルとしても人気が高いシンプルな2チャンネルミキサーです。 実際使用されている方も多いことでしょう。 右端の真ん中辺りに「EFFECT」と書かれたボタンがありますが、このボタンを使用して何ができるかお分かりになりますでしょうか。 リアパネルを見てみると「L、R」と書かれた端子がそれぞれ1つずつあります。 これは特殊なY字ケーブルを使用してエフェクターを接続することが可能です。 端子の形状が今までと異なりますが、SEND/RETURN端子であることには変わりません。 (※ケーブルに関しては後日コーナーを設けて解説しますので今回は省略します) このミキサーは任意のチャンネルだけにエフェクトをかけることができません。 マスターアウトの信号に対してエフェクトをかけることができます。 ここで疑問に思うことがあります。 それはエフェクターの端子を使わず、MASTER OUT→エフェクター→アンプ と繋げばいいのでは、ということです。 確かにその通りです。 しかしエフェクターといっても音質の良いものから悪いものまで様々あります。 エフェクトをかけずに使用する場合も常にエフェクターを通った状態になるので、いくら音質の良いカートリッジ、DJミキサーを使用しても最終的な音質はエフェクターの質で決まってしまいます。 この端子を使えば、エフェクターを使わないときはダイレクトにDJミキサーからアンプへ信号を送ることができます。 ●EFECTボタンOFFの時 ●EFFECTボタンONの時 この図を見る限りでは、エフェクターを接続しない場合にEFECTボタンを押すとMASTERから音が出ないことになりますが、実際はSEND/RETURN端子にプラグを挿し込まない限りはEFFCTボタンを押してもMASTERの音が出る仕様となっております。音が出ないトラブルを防ぐ為ですね。 次回は現在当店で発売されているSEND/RETURN端子が搭載されているDJミキサーをリストアップしてこのシリーズは終わりにしたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年09月23日 12時44分25秒
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