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カテゴリ:クラシック音楽
『今日のクラシック音楽』 シベリウス作曲 ヴァイオリン協奏曲
ヴィヴァルディなどのバロック音楽時代を経て、バッハ、モーツアルトに受け継がれてきたヴァイオリン協奏曲が、「サロン風」音楽から劇場型音楽に変えたのがベートーベンでした。 音楽は優美さと雄渾さ・雄大さが備わった協奏曲が、やがて交響楽的な響きのブラームスの協奏曲が生まれてきました。 その後ロマン派作曲家の、ヴァイオリンという楽器の特性をフルに生かした個性ある美しい曲の数々が生まれてきました。 メンデルスゾーン、ブルッフ、ラロ、チャイコフスキー、ドヴォルザークなどを経て、20世紀にはバルトーク、プロコフィエフ、グラズノフ、ストラビンスキー、ハチャトリアン、ショスタコービチなどに受け継がれてきました。 その中でもシベリウスの協奏曲は今でも人気があり、ヴァイオリニストたちの心をかきたてる曲の一つとして演奏会や録音でよく採り上げられています。 シベリウスの祖国フィンランドは「湖沼の国」と呼ばれるくらいで千の湖と深い森林に覆われた国です。国土の70%が原始林に占められており、ごつごつとした岩だらけの風土に、暗い厳しい寒さという、過酷な自然環境に包まれています。 シベリウスの作曲した交響曲や交響詩などは、こうしたフィンランドの森、湖を想像させるような情緒を醸し出した音楽で、清冽な美しさに満ちています。 私も仕事の出張で訪れたことがありますが、あの深い森とそこに点在する湖に立ってみて、初めてシベリウスの音楽が心に染み渡るようになりました。 霧に覆われた神秘的な湖や、奥深い森の情景がまざまざと目に浮かんできます。 ある音楽評論家が「シベリウスの音楽世界には人が誰もいない」と表現していますが、そういう情緒を湛えていることは確かです。 このヴァイオリン協奏曲もこうしたフィンランドの情景を彷彿とさせており、幻想的な美しい旋律が散りばめられた傑作です。 フィンランドの風が吹き渡るかのような清冽さにみちた美しい音楽が全楽章を包み込んでいます。 シベリウスは謎の隠遁生活を送っていた1957年の9月20日に、脳出血のために91歳の生涯を閉じています。彼の訃報は全国に伝えられて、フィンランド放送番組は中断されて、シベリウスの名作「トゥネラの白鳥」が流されて哀悼の意を表したほど国民から愛された作曲家でした。 シベリウスは、ヴァイオリン演奏でも優れた演奏家で音楽院で勉強中には、すでにメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾きこなしていたそうです。ただ彼はヴァイオリニストの道を歩まなかったのは、ステージに立つとあがってしまう性格だったので、ヴァイオリン演奏の道を断念したというエピソードが残っています。 彼がヴァイオリニストとして研鑽を積んでステージに立つ道を選んでいれば、今私たちが聴いている素晴らしい音楽が生まれていなかったかも知れません。 このヴァイオリン協奏曲が1904年の今日(2月8日)、フィンランドで初演されています。 愛聴盤 キョン・チョン・ファ(Vn) アンドレ・プレヴィン指揮 ロンドン交響楽団 (DECCA原盤 ユニヴァーサル・ミュージック UCCD7007 1970年録音) 有名なキョン・チョン・ファの1970年の録音盤で、第1楽章の清冽なリリシズムとフィンランドの清澄な空気、そこはかとなく秘めた寂寥感がたまらない魅力です。LPからCDに変わっても何度も再発売を繰り返されてきた名盤で、今では1,000円で求めることが出来ます。 ↓ シベリウス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 『今日の音楽カレンダー』 1872年 初演 ヴェルディ オペラ「アイーダ」(イタリア初演) 1874年 初演 ムソルグスキー オペラ「ボリス・ゴドノフ」 1904年 初演 シベリウス ヴァイオリン協奏曲 1938年 誕生 エリー・アメリング(ソプラノ) 1946年 初演 バルトーク ピアノ協奏曲第3番 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ともの『今日の一花』 梅 今日は仕事の帰りに長居植物園に撮影に行こうと思っていましたが、朝から強風が吹き荒れていますので撮影は断念しました。 今日も昨年の梅の写真です。 撮影地 大阪市長居植物園 2005年3月12日 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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好きな曲です。
昨日のスペイン~と違ってどんな精神状態でも聴けますが、悲しい時に聴きますとかなり涙が出てしまいますね。 私はVn演奏が出来ませんので、この曲を演奏される人に、この曲の難しい点をお尋ねしたいといつも思っております。 (2006年02月08日 11時28分23秒)
ひょっとすると一番良く聴くヴァイオリン協奏曲かもしれません。シベリウスは作曲をしなくなってからの隠遁生活が長かったわけですから、あともうひとつや二つのヴァイオリン協奏曲を作って欲しかったですね。北欧の音楽というとやっぱりピアノよりもヴァイオリンの音色のほうがしっくりきます。やはりどことなく哀愁を感じる調べが似合うからでしょうか。
(2006年02月08日 13時07分14秒)
ピア2753さん
>好きな曲です。 >昨日のスペイン~と違ってどんな精神状態でも聴けますが、悲しい時に聴きますとかなり涙が出てしまいますね。 >私はVn演奏が出来ませんので、この曲を演奏される人に、この曲の難しい点をお尋ねしたいといつも思っております。 ----- 他の協奏曲とは違った静かな美しさを秘めた曲ですね。第1楽章冒頭かた、音楽はフィンランドの森へと誘ってくれようで、とても好きな曲です。 技巧的には難しいと言われていますが、キョン・チョン・ファやムター、前橋汀子の演奏を聴いていると爽やかに弾いているので、それが当たり前のように聴こえてきますね。 (2006年02月08日 16時14分09秒)
会長0804さん
>ひょっとすると一番良く聴くヴァイオリン協奏曲かもしれません。シベリウスは作曲をしなくなってからの隠遁生活が長かったわけですから、あともうひとつや二つのヴァイオリン協奏曲を作って欲しかったですね。北欧の音楽というとやっぱりピアノよりもヴァイオリンの音色のほうがしっくりきます。やはりどことなく哀愁を感じる調べが似合うからでしょうか。 ----- 仰る通り私もそう思います。ピアノよりもヴァイオリンの方がよりいっそう寂寥感と清冽さ、清澄さを感じますね。 (2006年02月08日 16時16分08秒)
>ステージに立つとあがってしまう性格
曲を知る前にこのエピソード↑をきいて、シベリウスに親近感をもちました。 作曲家もふつうの人間なんだなあって。あたりまえですけど。 (2006年02月08日 17時46分26秒)
nouhime2000さん
>>ステージに立つとあがってしまう性格 > >曲を知る前にこのエピソード↑をきいて、シベリウスに親近感をもちました。 > >作曲家もふつうの人間なんだなあって。あたりまえですけど。 ----- シベリウスがヴィオリニストになったもらわなくて良かったというエピソード。 ほんとにそう思います。 是非この曲をお聴きき下さい。 日記に書きました批評家の言葉をきっとなるほどと納得されると思います。 (2006年02月08日 20時10分31秒)
シベリウスの中では傑作だと思います。
ホントにすごい曲ですね。 だからこそヴァイオリニストの方は弾きこなすのは至難の業でしょう。 ボクはオイストラフのヴァイオリンで聴くのが好きです。 (2006年02月08日 22時01分57秒)
♯simopapa♭さん
>シベリウスの中では傑作だと思います。 >ホントにすごい曲ですね。 >だからこそヴァイオリニストの方は弾きこなすのは至難の業でしょう。 >ボクはオイストラフのヴァイオリンで聴くのが好きです。 ----- やはり技巧的に難曲なんでしょうね。それだけに演奏家の心に火をつけるのでしょうね。 オイストラフ盤も定番中の定番ですね。 私の今までのこの曲のもっとも感動したのは90年だったか、大阪フィル定期の前橋汀子の演奏でした。体が俺よとばかりに全身全霊を打ち込むかのような、まるで「巫女」のような雰囲気の前橋の演奏からは熱っぽさと清冽さと寂寥感を充分に醸し出した素晴らしいステージでした。 (2006年02月08日 23時17分18秒)
節分草、梅、椿・・・・素敵な写真を見せていただいています。
今年の開花が待たれますね。 もう直ぐですよ。 ご無沙汰ばかりしていますが、今年は私的な用事も何故か多く忙しくしています。 早くゆっくりお花の写真を撮りたいです。 運動不足も解消しないと・・・。 (2006年02月08日 23時45分37秒)
オケイ6306さん
お忙しい中のご訪問と書き込みをありがとうございます。 >節分草、梅、椿・・・・素敵な写真を見せていただいています。 >今年の開花が待たれますね。 >もう直ぐですよ。 > >ご無沙汰ばかりしていますが、今年は私的な用事も何故か多く忙しくしています。 >早くゆっくりお花の写真を撮りたいです。 >運動不足も解消しないと・・・。 ----- 私も同窓会の幹事をしており、2月11日に行われる準備に忙しく久しくカメラを手にしておりません。来週から撮って見ようと思っています。 (2006年02月09日 00時46分18秒) |
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