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2009年02月03日
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カテゴリ:クラシック音楽
ワーグナー 指輪物語」    壮大な叙事詩を前にして


リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)は、畢生の大作である舞台祝典劇「ニーベルングの指輪」を四部作として書いており上演には4日を費やす大作です。 第一夜「ラインの黄金」、第二夜「ワルキューレ」、第三夜「ジーグフリート」、第四夜「神々のたそがれ」となっており、これらを4作を通し狂言として上演すれば何と15時間かかる、まさに音楽のお化けのような大作です。

だから「今夜はちょっとワーグナーの指輪を聴こうかな」と思ってもショパンのピアノ曲を聴くように手軽に聴ける代物ではありません。「ラインの黄金」だけでも2時間半かかりますし、他の作品は4時間を優に超える演奏時間です。

この「指輪」物語を聴こうとする前に、この長時間拘束されることが大きな障害になります。私も一作を全曲聴き通すには相当の覚悟を持ってステレオ装置の前に座っています。 途中で電話がかかっても出ません。 家人に応対してもらって幕間でこちらからかけることにしています。 宅急便の配達があれば家人に受け取ってもらいます。 不意の突然の訪問者然り。

第2作以降の作品では朝の8時から聴いても終わるのは午後12時、ランチタイムになっています。 ですから余程の覚悟と家族の理解と協力が必要です。 そしてこれを聴く場合は「変人」「奇人」になり切ることです。 どう弁解してもこれだけの長時間の音楽を一度で聴き通すなんて「奇人」でなければ出来ないでしょう。 私の場合は、聴いている間は何を言われてもいいのです。 予めことわっておけばそれでいいのです。

さあ、これで聴く準備が出来ましたが、何と言っても舞台祝典劇という音楽ですからイタリア・オペラを楽しむようなわけにはいきません。 管弦楽と合唱、管弦楽と独唱アリア、あるいな重唱という形の歌の饗宴など望むべくもない音楽が、初めて聴く者に長時間という障害以外に肝心の音楽で壁が立ちふさがってきます。

第一に、音楽に切れ目がありません。 第一夜「ラインの黄金」は2時間半も切れ目なく音楽が続いています。幕間もありません。 しかもイタリア・オペラのようにアリアもありません。 

切れ目もなく、アリアもないオペラですから昔からハイライト盤なんてものがありません。イタリア・オペラなどは、どのオペラでも抜粋盤を作ることが出来ます。全曲を録音したテープから聴きどころを抜粋して収録時間内(CDの収録許容時間内)に収まるようにすればいいのです。 

ところが、この「指輪物語」は途中でチョン切って聴かせるという聴かせどころもありません。あるのは管弦楽演奏の場面ばかりでしょうか? 「ワルキューレの騎行」(ワルキューレ)や「森のささやき」(ジークフリート)、「ジクフリートのラインへの旅」「ジークフリートの葬送行進曲」などのオーケストラ・コンサートでも採り上げられる場面がありますが、こればかり聴いてもその音楽には親しめますが、肝心のオペラについては理解する方が無理でしょう。

愛聴盤の一枚 

ロリン・マゼール指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団

CD80154 87年
(テラーク・レーベル CD80154 1987年録音 海外盤)

これは「ニーベルングの指輪 管弦楽曲集」という一枚で、「ラインの黄金」~「神々の黄昏」までの四部作のうち、管弦楽で演奏される聴きどころ20曲を収録した、70分間で「指輪物語」を聴こうとするCDですが、オペラの筋書きを知っている人ならこの1枚の意味はよくわかりますが、初めて聴く人にはこういう盤は向いていないと思います。これではこの壮大な叙事詩を理解はできません。

指揮者マゼールが自ら構成した切れ目なしの、まるで交響詩のような巧みな編曲で聴かせる音楽です。 オペラからの動機で交響曲か交響詩を聴くつもりならいいと思います。 95年にモニターチェック用として購入したのが目的だったように記憶しています。確かに凄い優秀録音盤です。

ワーグナーはこの「指輪物語」四部作に求めているのは「劇」としての音楽だと思います。だから切れ目もない、アリアもないオペラになっているのでしょう。「音楽」だけでなく「劇」としても音楽と同じ比重で大事なことだと思ったからでしょう。 「劇」ということは「言葉」です。 イタリア・オペラのように歌うだけでなく、叙事詩としての「言葉」が必要であるからアリアではなく、語るような歌になっているのでしょう。

さあ、困りました。「そんなオペラなら聴きたくない!」と思うのが普通のですが、オペラを好きになると一度はこの四部作を聴いてみたくなるものです。

明日はどうしてこの長大なオペラ(舞台祝典劇)に魅力を見出したのかを書いてみます。






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最終更新日  2009年02月03日 00時13分50秒
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