テーマ:好きなクラシック(2290)
カテゴリ:カテゴリ未分類
「名曲100選」 J.S.バッハ作曲 「ブランデンブルグ協奏曲」 ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685-1750)は、65歳の人生で教会音楽と呼ばれる「宗教」の行事に使われる音楽と、「世俗曲」と呼ばれる教会で演奏されるものと関係がない2つの音楽ジャンルの作品を書いています。 前者が「カンタータ」や「ミサ曲」、「オルガン曲」などで、後者には「管弦楽組曲」、「ヴァイオリン協奏曲」、「無伴奏チェロ組曲」、「無伴奏ヴァイオリンソナタ」、「平均律クラヴィーア曲集」、それに「ブランデンブルグ協奏曲」などがあります。 バッハには「ワイマール時代」とか「ケーテン時代」とか「ライプチッヒ時代」とか呼ばれている時期があります。 それは彼が一時期を過ごした場所を示す時代を表しています。 それぞれの時代にその場所の王侯・貴族に遣えて「音楽長」なる職務を与えられていたことを表す言葉です。 「ワイマール」では9年半の間、「宮廷オルガニスト」「宮廷楽員」としてつかえて、最後には「楽士長」となっています。 その「ワイマール」の後バッハは紆余曲折を経て、ケーテン公レオポルドに熱心に請われて公の宮廷楽団の楽長のポストに就いて約5年半を「ケーテン」で過ごしました。 1717から1723年のバッハ32歳から38歳の時期です。 ケーテン公は非常に音楽の好きな人だったそうで、バッハを手厚く扱っていたためにバッハ自身も自分の書きたい曲を思う存分に書いていたそうです。上記の「世俗曲」はほとんど「ケーテン時代」に書かれたと言われており、バッハ65歳の生涯で「最も幸せな時代」であったと言われています。 その「ケーテン時代」に書かれた作品の中に「ブランデンブルグ協奏曲」(全6曲)があります。 イタリアのヴィヴァルディ(1678-1741)に代表されるイタリア・バロック音楽に「合奏協奏曲」(独奏楽器群と合奏楽器群の競演)という音楽スタイルがあり、ラテン特有の華麗な音楽に人気がありました。 バッハはその「合奏協奏曲」スタイルに、よりがっしりとした骨組みを作ってドイツ精神のようなものを吹き込んだ作品に書き上げています。 使用される独奏楽器群は6曲それぞれに異なっており、曲自体に様々な彩りを与えています。 各曲の独奏楽器群は、 「第1番」 ホルン2本と3本のオーボエ 「第2番」 トランペットとリコーダー、オーボエ、ヴァイオリン 「第3番」 独奏と合奏の区別無く、弦楽器のみ 「第4番」 2本のリコーダーとヴァイオリン 「第5番」 フルートとヴァイオリン、チェンバロ 「第6番」 独奏と合奏の区別なく、弦楽器での演奏 となっており、ヴィヴァルディ・スタイルを踏襲しているのは「第2番」「第4番」「第5番」と言われています。 他の3曲はバッハ独自のスタイルとなっているそうです。 音楽は華麗さとドイツ音楽の重厚な構成による骨太の音楽となっていて、それぞれの曲の多彩な曲趣を味わえる作品です。 この曲は、「ケーテン時代」に書いて宮廷演奏会で演奏されていた作品から6曲を選び出して、1721年にルードヴィッヒ・ブランデンブルグ辺境伯に献呈されています。 この曲の名前はこのルードヴィッヒ伯爵に献呈されたことに由来しているそうです。 私がこの「ブランデンブルグ協奏曲」を初めて聴きましたのが高校1年生の時で、今では何故この曲を選んだのか理由は定かではありませんが、カール・ミュンヒンガー指揮 シュトットガルト室内管弦楽団の録音したLP盤から第2番のみをプレスしたEP盤を買って聴きました。 トランペットの華やかな音色に魅されて毎日この「第2番」を聴いて楽しんでいました。 愛聴盤 (1) ルドルフ・パウムガルトナー指揮 ルツェルン弦楽合奏団 (DENONレーベル COCO70387 1978年録音) ヨゼフ・スークのヴァイオリン、オーレル・ニコレのフルート、ギィ・トゥーヴロンのトランペット、クリスティアーヌ・ジャコテ(チェンバロ)などをソリストに迎えた、少しの遅めのテンポでゆったりとした素朴なドイツ・バロック音楽といった感のある、聴くほどに味のある演奏です。 DENEON CREST1000シリーズの一組として再発売されて2枚組で1500円という廉価盤です。 (2) ジャン=フランソァ・パイヤール指揮 パイヤール室内管弦楽団 (DENONレーベル COCO73022 1973年録音) パウムガルトナー盤のような重厚さはありませんが、フランス・サロン音楽風のバッハでランパルのフルート、モーリス・アンドレのトランペット、ジャリのヴァイオリンなどの独奏者を迎えての名人芸を楽しめるディスクで、現在はDENON CREST1000シリーズで1000円盤として再発売されています。第1番を除いて5曲収録されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年09月03日 00時06分28秒
コメント(0) | コメントを書く |
|