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「名曲100選」 シューベルト作曲 八重奏曲ヘ長調 D.803 先人、先輩の芸術作品を範として後の人や後輩が作品を作るということがありますが、今日の話題曲のフランツ・シューベルト(1797~1828)が書き残しました「八重奏曲」もその典型的な一つの例かも知れません。 この曲は室内楽というジャンルに属する音楽ですが、室内楽とは2つ以上の楽器で演奏される音楽を指して呼んでいます。 例えばヴァイオリン・ソナタ。 これは正確には「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」と呼ぶのが妥当かも知れません。 ベートーベンのヴァイオリン・ソナタは彼自身がそう楽譜に書いています。 ピアノ三重奏曲や弦楽四重奏曲など小編成の曲があれば、もっと大きな規模の室内楽曲もあります。 例えばメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲やベートーベンの七重奏曲などがあります。 それにモーツアルトの「セレナード K.388」や「ディヴェルトメント K.251」などもあります。 シューベルトはピアノ三重奏曲やピアノ五重奏曲、それに弦楽四重奏曲などを書き残していますが、大きな規模の室内楽はこの曲の作曲以前には書いていません。 彼が何故こうした大編成の室内楽を書こうとしたのか、その理由は明確ではありませんが、作曲にあたりベートーベンが若いときに書いています七重奏曲作品20を範として書いたと言われています。 同じ6楽章形式であり、楽章の型などもよく似ています。 アダージョの序奏つきアレグロであったり、第2楽章はアダージョだったり、第4楽章は変奏曲だったり、クラリネットを際立たせていたり(第2楽章)、ベートーベンの七重奏曲とよく似ています。 楽器編成では、シューベルトは第2ヴァイオリンを付け加えて八重奏曲としているだけで、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、クラリネット、ホルン、ファゴットから編成されていて、第2ヴァイオリンを除いてベートーベンの七重奏曲と同じです。 一説には当時のクラリネット好きの伯爵から「ベートーベンに似た作品」の作曲依頼をされたためとも言われています。 音楽はシューベルト特有の、豊かな情感と泉が湧き出るかのような美しい旋律にあふれ、弦と管楽器が織り成す多彩に変化するハーモニーの美しさが室内楽を聴く醍醐味を味合わせてくれます。 演奏時間約60分の大曲です。 愛聴盤 ウイーンフィル管楽器奏者とウイーン弦楽四重奏団 (Camerataレーベル 30CM-470 1997年4月ウイーン録音) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年09月10日 00時06分19秒
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