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「名曲100選」 ヴィヴァルディ作曲 協奏曲集「四季」 アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)の代表作 「ヴァイオリン協奏曲集 四季」。 ヴィヴァルディは、バロック音楽(チェンバロやチェロなどの通奏低音を伴う音楽で、1600年頃から1750年ごろまでの音楽)の代表的な作曲家で、1955年, 59年にイタリアのイ・ムジチ合奏団がフィリップス・レーベルに録音した、このヴィヴァルデイの協奏曲集「四季」のLP盤がリリースされて大ブレーク現象が起こり、バロック音楽が日本で確立した契機となった音楽です。 このLP発売と同じ時期にドイツからカール・ミュンヒンガーとシュトットガルト室内合奏団が来日して、バロックブームに火をつけたというタイミングもありました。 日本の音楽史上でこれほど大ブレークが起こり、その後40年間にもわたり愛し続けられた音楽というのは、おそらくこの「四季」だけではないでしょうか? それまでの演奏会、レコード界での定番は「運命」「未完成」「新世界」「悲愴」であり、突如現れた「四季」に人々は魅せられたのでした。 高校2年生だった頃に25cmLP盤モノラル録音のイ・ムジチ合奏団の四季(1959年録音)を買って初めてこの曲を聴きました。 バロック音楽の愉悦と優雅さを初めて味わった喜びを今でも覚えています。 「四季」は12の協奏曲集から成る「和声と創意への試み」という作品の中に含まれる最初の第1番~第4番の「春」「夏」「秋」「冬」という標題付き協奏曲集で、これを一まとめにして「四季」と呼ばれています。 ヴィヴァルデイ自身が名付けた副題ではありません。 これら4曲はどれも3楽章構成で書かれており、それぞれの楽章にはソネット(小さな詩)が書き添えられています。 春夏秋冬の自然を描写したソネットで、その季節の気分を表しており、スコアにもその楽器が何を表現しているかが書き込まれています。 これをロマン派の標題音楽のルーツと見る人もいます。 それほど書き添えられたソネットと音楽がぴったりの協奏曲集です。 イタリアの春夏秋冬を見事に音楽で描写しており、曲はヴァイオリン協奏曲の形を採っていて、速いテンポと緩やかなテンポの音楽が交互に書かれており、華麗なソロ・ヴァイオリンと合奏部の掛け合いなどが魅力的な、ヴィヴァルデイ音楽の最も美しい姿を残す音楽です。 耳にやさしく、心に愉悦を伝える極上のバロック音楽の代表作です。 愛聴盤 (1) イタリア合奏団 (DENON CREST1000 シリーズ COCO70617 1986年録音) 伝統のバロック音楽の流麗さを見事に表現した超優秀録音盤で、現在求め得る1000円のお買い得盤です。 (2) チョン・キョン・ファ(Vn) オーケストラ・オヴ・セント・ルークス (EMIレーベル 557012 2000年9月録音 海外盤) これまでの「四季」演奏とは異なるインパクトの強いもので、リズムは強く、テヌートを多用して強烈な効果をあげており、21世紀のスタイルを示唆する画期的な演奏だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年09月19日 00時20分23秒
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