アイネ・クライネ・ナハトムジーク/フェンネル
「今日のクラシック音楽」 モーツアルト作曲 セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」ウォルフガング・A.モーツアルト(1756-1791)は「セレナード」と名の付く曲を13曲書いています。有名な「ハフナー・セレナード」「グラン・パルティータ」「ポスト・ホルン」「ナハトムジーク」「セレナータ・ノットルナ」などがこの13曲のうちの曲で、この「アイネ・クライネ・・・・・」が最後のセレナードとなっています。この曲は弦楽5部で書かれているために「弦楽セレナード」とも呼ばれており、弦楽五重奏でも演奏される機会があります。それだけに「ハウス・ムジーク的」とも呼べる音楽が実に耳に心地よく響いてきます。ただこのセレナードの作曲の動機や経緯は全く不明だそうで、現存する4楽章の他に「メヌエット楽章」がモーツアルト自身の作品目録に残っているそうですが、楽譜が紛失したのかモーツアルト自身が破棄したのかわかりませんが見当たらないそうです。 まあ、そのあたりは音楽学者の研究に任せておきましょう。この曲の旋律は、クラシック音楽に精通した人でなくても「あ!知っている!」と声を上げるのではないかなと思うほどに、超有名曲なんですね。私も初めてこの曲を聴いた中学生の頃に同じように思いました。TVやラジオから流れるCMでも使われていました。「どこかで聴いたクラシック音楽」のベスト3に入るのではと思う曲ですね。タイトルはドイツ語で、直訳すると「小夜曲」。 私はこの曲が流れるTVドラマか映画かを高校生時代に観たのですが、明治時代が背景で「鹿鳴館」の大広間でダンスに興じる紳士・淑女の姿のBGMがこの曲でしたので、今でもこの音楽を聴きますと、鹿鳴館時代にタイムスリップするような錯覚を覚えます。勿論私は明治の「鹿鳴館時代」など生まれた時代が違いますから知りません。イメージとして浮かんでくるのは自分が観た映像なんですが。モーツアルトらしい明快な、優美な美しさに溢れている音楽で、誰もがこの曲を聴くと幸せな気分にさせてくれるように感じる音楽です。特に、第2楽章の「ロマンス」は、モーツアルトが書いた音楽で最も美しいものだと思います。まるで夢見るような気分に誘ってくれる美しい音楽です。この曲にはもう私の言葉など不要ですね。それでは今日も鹿鳴館時代にタイムスリップしてまいります。この「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は1787年の今日(8月10日)、モーツアルトの死の4年前に完成されたと言われています。愛聴盤 イ・ムジチ合奏団(Philips原盤 ユニヴァーサル・クラシックス UCCP7027 旧PHCP9306 1972年録音)掲載ジャケットは「フィリップス・スーパー・ベスト100」の1枚で、価格は1,000円で他にモーツアルトの「ディヴェルティメント」や「セレナータ・ノットルナ」がカップリングされています。私が聴いている盤ではありませんが録音年月日が同じなので音源は同じです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「今日の音楽カレンダー」1787年 完成 W.A.モーツアルト 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」1865年 誕生 アレクサンドル・グラズノフ(作曲)1926年 誕生 マリー=クレール・アラン(フランスの女性オルガニスト)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「今日の一花」 フェンネル地中海沿岸原産の芹(せり)科で、日本に渡ったのは平安時代と言われていますから、中国を経由して入って来たのでしょうね。細い糸状の葉と小さな花がたくさん咲きます。 この花はローマ時代からあるそうです。主に薬草・香料として使われていたそうです。 撮影地 大阪市立長居植物園 2008年6月27日