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妊娠したいネットのブログ

2016.02.15
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こまえクリニックの院長、放生先生のコラムから


子宮内膜症と不妊症

不妊症患者さんの約3 割に子宮内膜症が認められ、子宮内膜症患者さんの約半数が不妊症であるといわれています。このように子宮内膜症は不妊症において重要な位置を占める疾患です。また、子宮内膜症の患者さんは確実に増加しています。これは子宮内膜症の診断が、医療の進歩でより可能になったこともありますが、女性の結婚年齢の高齢化と、少産化が背景にあることは間違いありません。

というのも子宮内膜症は、生理周期とともに増悪(悪くなる)する病気ですが、ひと昔前のように、女性が10 代で結婚し、たくさん子供を産むような時代では、生殖可能年齢といわれる間、妊娠している期間が長く(よって生理がない)、子宮内膜症が発生する余地があまりなかったともいえます。

子宮内膜症とはどんな病気?

それでは、子宮内膜症とは、どういう病気で、なぜ不妊になるのでしょうか?女性は生理が終わると、子宮の中で内膜が肥厚しはじめ、再び妊娠にむけての準備を始めます。ところが、この子宮内膜がなぜか、腹膜や卵巣などの場違いな所で増殖するのが子宮内膜症という病気です。

しかし、なぜなのかというメカニズムはわかっていないのです。この異所性に発生した子宮内膜も患者さんの生理周期に同調して増殖するのです。ここが困ったところで、正常な子宮内膜は卵子が受精せず、妊娠が成立しなければ剥離し、生理として体外へ押し出されます。と ころが卵巣など異所性に発生した子宮内膜は出口がありませんから、そこでずっとプールされることになります。

さらにやっかいなことに、異所性の子宮内膜は、いわばインベーダー(侵入者)ですから周囲の臓器と反応し、癒着がおこります。それで、子宮後屈や卵管の通過異常などを引き起こします。そして、これが子宮内膜症患者さんの腹痛、生理痛や性交痛などの原因になります。また、子宮内膜症の患者さんではCA‐ 125 という腫瘍マーカーの値が上昇してきます。しかし、すべての子宮内膜症の患者さんで上昇するわけではありません。

子宮内膜症の治療

子宮内膜症の治療ですが、患者さんが生理がこないような状況であれば子宮内膜症の進行はストップします。子宮内膜症の最良の治療が、妊娠と言われるのもこのためです。しかし、子宮内膜症の患者さんは多くが不妊で悩んでいて、妊娠しづらいのが辛いところです。そこで、薬を使った治療としておこなわれるのが偽閉経治療法と呼ばれるものです。偽閉経療法とは、薬を用いてエストロジェン(女性ホルモン)の分泌をおさえて閉経の状態を作り出すことによって子宮内膜の増殖をおさえようというものです。これには点鼻薬を使用する場合と、注射で行う場合があります。前者は1 日2 ~3 回行わなければならないのに対して、後者は月に1 回の注射ですむ点が利点ですが、これは1 ヶ月間治療を中止できないという欠点でもあります。

エストロジェンは女性ホルモンとも呼ばれるように、子宮内膜を増殖させるだけでなく、女性の肌のつやを増すなど女性をより女性らしくするホルモンでもあります。偽閉経療法により女性は突然閉経状態になりますから、のぼせ、いらいら、肩こりなど更年期障害様の症状を訴えることがあります。また、長期に使用した場合、骨量が減少するという問題もありますし、使用中止後に生理が再開しないと困りますので、この治療は6 ヶ月を限度としておこないます。子宮内膜症に用いるもう1 つの薬としてダナゾール(ボンゾール)があります。これは男性ホルモン製剤です。つまり男性ホルモンを投与することによって、女性ホルモンを分泌する卵巣の機能をおさえようというものです。

ダナゾールには異所性に増殖した子宮内膜に直接働き、病巣を萎縮させる作用もあります。ただ、この薬の副作用として、男性化の問題があり、体毛が濃くなったり、声が低音化することがあります。また軽度の肝機能異常がみられることもあります。しかし、こうした治療は数ヶ月間、患者さんを無月経、すなわち妊娠できない状態にするわけです。私が相談を受けている患者さんが訴えられるのは、子どもができずに悩んでいるのに、さらに妊娠できない状態が続くのは本当に辛いということです。その数ヶ月間がとても長く感じるということを言われます。

子宮内膜症と腹腔鏡

子宮内膜症に対する外科的な治療方法として腹腔鏡があります。異所性の子宮内膜は周囲の臓器と癒着しますが、これは薬でなおすことができません。腹腔鏡でお腹の中を観察することにより、癒着が見つかれば剥離させることができます。また、排卵の際に、卵巣から飛び出した卵子をキャッチする卵管采の形の異常なども腹腔鏡で治療が可能です。しかしながら、日本では欧米ほど腹腔鏡が普及していません。腹腔鏡検査および治療は、全身麻酔下でおこなわなければならないため、患者さんに心理的抵抗が強いことも一因です。

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最終更新日  2016.02.15 09:23:44
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