セイヨウヒイラギ
和名:セイヨウヒイラギ
(モチノキ科(Aquifoliaceae)モチノキ(イレックス)(Ilex)属)
学名:Ilex.aquifolium
別名:ホーリー,クリスマス・ホーリー,イングリッシュ・ホーリー
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http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/seiyouhiiragi.html
ヒイラギと言えばクリスマスを思い出します。日本で身近な所ではケーキの
飾り等が思い浮かびますね。ですから、ヒイラギ=クリスマス・ホーリーと思
っている方もいらっしゃるようですが、実は、本当のクリスマス・ホーリーは
セイヨウヒイラギの事です。
一般的にヒイラギとは、モクセイ科Oleaceaeモクセイ(オスマンサス)
属Osmanthusで学名をOsmanthus.heterophyllusと言い、関西以西から沖縄、台
湾の山野に広く自生し、古くから庭園に植栽されている常緑小高木です。モク
セイ科、そう、あの金木犀(キンモクセイ)と同じ仲間です。年配の方には
(すみません)むしろ、節分の日に鰯の頭を枝葉に挿して門口に飾り、魔除け
にする事で有名と思います。セイヨウヒイラギと同じように葉に刺があり、セ
イヨウヒイラギの代用(?)とされたのでしょう。しかし、セイヨウヒイラギ
(クリスマス・ホーリー)の特徴である、あの赤い実は付けず、ヒイラギの実
は黒系です。漢字で柊と書きますが、正しくは疼痛木だそうで、疼はひいらぐ,
痛むという意味があり、葉の刺に触れると疼痛を起こすことからの命名だそう
です。
次に、本題のセイヨウヒイラギですが、モチノキ科Aquifoliaceaeのモチノキ
(イレックス)属Ilexになり、クリスマス頃に赤い実をつけるクリスマス・ホー
リーはこちらです。モチノキ科にはモチノキ(Ilex.integra)があり、モチノ
キの由来は樹皮からトリモチがとれるからです。セイヨウヒイラギは西アジア、
ヨーロッパ南部、アフリカ北部などに広く分布する常緑高木で、高さ6~15mに
もなります。4~5月頃に香りのある白花を咲かせ、11月頃に丸い果実が赤く熟
します。
赤い実のついたホーリー(holly)は神聖な(holy)木とされ、キリスト教と
深い関わりがあり、クリスマスにはこの枝を玄関に飾ったり、パイやディナー
に添えます。
セイヨウヒイラギは、古代から魔よけの力があると信じられ、古くは英国の
ケルト人の聖木だったそうで、北欧でも、木の中で最も尊い木とされています。
そして、古代ローマ時代にサトゥルヌス祭日にセイヨウヒイラギを儀式に使う
ようになり、その流れで、キリスト教でもセイヨウヒイラギが、扱われるよう
になったそうです。そして現在では、セイヨウヒイラギのリースは十字架にか
けられたキリストの冠、棘はキリストの受難を、赤い実はキリストの血を表し
ているとされます。
クリスマスが冬のお祭りとなる以前、西洋でも冬至のお祭りとして、「太陽
の誕生の祭り」などがあったそうです。ここでは、ゲルマンやケルトの人々は、
セイヨウヒイラギとセイヨウヤドリギを使ったリースを作りました。これにも
深い理由があります。
セイヨウヒイラギの赤い実は、太陽の象徴でもあり、女性の月経の赤を示す
そうです。そして、セイヨウヤドリギの白い実は、つぶすと透明の粘液が出る
のですが、これを精液とし、男性を示したそうです。つまり、セイヨウヒイラ
ギとセイヨウヤドリギを一緒に飾ることで、子孫繁栄を表したとか。
又、ホリーは安らぎを与えるので、慢性病の患者の臨終の時に供えたり、2番
目の子供にやきもちをやく子供にも効果的と言われています。
さて、クリスマス・ホーリーの本家は、セイヨウヒイラギ(Ilex.aquifolium)
ですが、北米では、アメリカヒイラギ(Ilex.opaca)がクリスマス・ホーリーと
呼ばれています。余談ですが、映画で有名なハリウッド(Hollywood)は、この
辺りがヒイラギ林であったことが由来とか。
また、日本でクリスマスの時期に「クリスマス・ホーリー」として赤い実を
付けて売られているほとんどは、中国原産のヒイラギモチ(Ilex.cornuta)で、
シナヒイラギ、ヒイラギモドキ、チャイニーズ・ホーリーなどとも呼ばれ、最
大生長しても樹高さ5m前後と、セイヨウヒイラギよりも小型で鉢向きです。

栽培の基礎知識
栽培場所ですが、耐寒性はありますが、常緑性の場合北海道での路地植えは、
難しいようです。極寒地では、あまり背の高くならないヒイラギモチなどを、
鉢植えにして冬場は室内に取り込んだ方が無なんです。夏の暑さにもやや弱い
ので、風通しなど注意が必要です。また、水分が多く燃えにくいので、防火用
の生垣にも適しているそうです。
栽培場所は、耐陰性もあり半日陰の場所でも育ちますが、日照不足ですと実
付きが悪くなるようです。寒い地方では、冬の寒さに気を使い、冬に強い風が
当たらない日の当たる場所で、冬期は根本に藁など敷いて地面が凍らないよう
に管理します。暑い地方では、夏の暑さに気を使い、風通しの良いやや半日陰
の場所が良いでしょう。
土質は特に選びませんが、肥沃で排水が良く保水性のある土壌が適していま
す。夏場は、藁などを根本にマルチングして乾燥を防ぎます。植付けは春また
は秋に行いますが、秋の9~10月が最適です。
地植えの場合、植付け時にたっぷりと水を与え、その後は気にする必要はあ
りませんが、鉢植えの場合、土の表面が乾いたら与えます。肥料は特に必要あ
りませんが、固形の置き肥などを、2~3月に寒肥として与え、9月頃にも追肥を
します。
強い剪定にも耐えますが、特に気にして行う必要はありません。剪定を行う
場合の注意点は、雄株の場合、7月頃と12月頃に行い、強い剪定を行っても大き
な問題はありません。雌株の場合は、果実の落ちる3月頃に行いますが、強い剪
定を行うと、1~2年は、実付きが悪くなりますので、注意して下さい。
殖やし方は、実生、挿し木、取り木が出来ます。実生の場合、種が取れてす
ぐに播いて結構です。
病害虫としては、カイガラムシが付きやすいので注意して下さい。
さて、この木の特徴である、雌雄異株ですが、雌雄異株と言えばギンナンの
成るイチョウが有名ですが、実は非常に雌雄異株の種類は多く、その他にも、
セイヨウヒイラギの属するモチノキ科,モクセイ科,イチョウ科,クワ科,ミ
カン科,トウダイグサ科,ウルシ科,ニシシギ科,ニガキ科,カエデ科,クロ
ウメモドキ科,マタタビ科,ブドウ科,ツバキ科,ジンチョウゲ科...等と
非常に多岐に渡ります。
雌雄異株の他にも
・単性花(unisexual flower)
雄蕊か雌蕊の一方のみを有する花(雄花staminate,雌花pistillate)。
異性花,雌雄異花ともいう。
・両性花(bisexual flower)
雄蕊と雌蕊の両方を有する花。
・雌雄(異花)同株(monoecious)
単性花をつける種子植物で、雌花と雄花が同一個体に生じるもの。
・そして雌雄異株(dioecious)
単性花をつける種子植物で、雄花と雌花を別々の個体に生じるもの。
等に分類出来ます。
さて、セイヨウヒイラギも雌雄異株と言う事で、当然、雌株だけでは実は成
りません、実を付けるには、近くに雄株(雄花)がある必要があります。

種類
欧米では果実の色、葉の色の変化が大きいため、数多くの品種が植えられて
いますが、日本ではまだ少ないようです。
「バッキフラバ」黄実
「アルゲンテア・マルギナタ・ペンデュラ」斑入り枝垂れ
「フェロックス’やマダム・ブリオット」葉の両面に刺が多い
「イレックス・アルタクラレンシス」「ゴールデン・キング」など
Last updated
2005/06/19 05:32:23 AM