世界がもし100人の村だったら
世界がもし100人の村だったら
今朝、目が覚めたとき、あなたは今日という日にわくわくしましたか?
今夜、眠るとき、あなたは今日という日にとっくりと満足できそうですか?
今いるところが、こよなく大切だと思いますか?
すぐに「はい、もちろん」といえなかったあなたに、このメールを贈ります。
これを読んだら、まわりが少し違って見えるかもしれません。
世界には63億人の人がいますが
もしもそれを100人に縮めるとどうなるでしょう。
100人のうち、52人が女性です。48人が男性です。
30人が子どもで、70人が大人です。
そのうち7人がお年寄りです。
90人が異性愛者で、10人が同性愛者です。
70人が有色人種で、30人が白人です。
61人がアジア人です。13人がアフリカ人、13人が南北アメリカ人
12人がヨーロッパ人、あとは南太平洋地域の人です。
いろいろな人がいるこの村では
あなたとは違う人を理解すること、相手をあるがままに受け入れること
そしてなにより、そういうことを知ることがとても大切です。
また、こんなふうにも考えてみてください。
村に住む人びとの100人のうち
20人は栄養がじゅうぶんではなく、1人は死にそうなほどです。
でも15人は太り過ぎです。
すべての富のうち、6人が59%をもっていて
みんなアメリカ合衆国の人です。
74人が39%を、20人がたったの2%を分けあっています。
すべてのエネルギーのうち、20人が80%を使い
80人が20%を分けあっています。
75人は食べ物の蓄えがあり、雨露をしのぐところがあります。
でも、あとの25人はそうではありません。
17人は、きれいで安全な水を飲めません。
銀行に預金があり、財布にお金があり
家のどこかに小銭が転がっている人は
いちばん豊かな8人のうちの1人です。
自分の車を持っている人は7人のうちの1人です。
村人のうち、1人が大学の教育を受け、2人がコンピューターを持っています。
けれど、14人は文字が読めません。
1年の間に、村では1人が亡くなります。
でも、1年に2人赤ちゃんが生まれるので、来年、村は101人になります。
もしもこのメールを読めたなら
この瞬間、あなたの幸せは2倍にも3倍にもなります。
なぜならあなたには、あなたのことを思って
これを送った誰かがいるだけでなく、文字も読めるからです。
けれどなにより、あなたは生きているからです。
昔の人は言いました。巡りゆくもの、また巡り還(かえ)る、と。
だからあなたは、深ぶかと歌ってください。
のびやかに踊ってください。心をこめて生きてください。
たとえあなたが、傷ついていても
傷ついたことなどないかのように愛してください。まずあなたが愛してください。
あなた自身と、人がこの村に生きてあるということを。
もしもたくさんのわたし・たちが
この村を愛することを知ったなら、まだ間にあいます。
人びとを引き裂いている非道な力からこの村を救えます。きっと。
「世界がもし100人の村だったら」マガジンハウス 池田香代子/再話