あなたの音が、私の中に満ちていく・・・
『敬愛なるベートーヴェン』
2006年 イギリス / ハンガリー
監督・・・アニエスカ・ホランド
脚本・製作・・・クリストファー・ウィルキンソン、スティーヴン・リヴェル
製作・・・シドニー・キンメル、 マイケル・テイラー
衣装・・・ジャイニー・テマイム
出演・・・エド・ハリス、ダイアン・クルーガー、マシュー・グード、ラルフ・ライアック、ジョー・アンダーソン 他
【STORY】
“第九”の初演を4日後に控えた1824年のウィーン。
楽譜が完成しない中、ベートーヴェン(エド・ハリス)のもとに写譜師としてアンナ(ダイアン・クルーガー)が派遣されてくる。ベートーヴェンはアンナを冷たくあしらうが、彼女の才能を知り、仕事を任せることに。尊大で傲慢なベートーヴェンだが、ただ一人の肉親である甥のカール(ジョー・アンダーソン)だけは溺愛していた。しかしカールがその一方的な愛を疎ましく感じていることに気づかない。やがて初演の日がきた。難聴から指揮を怖れるベートーヴェンを助けたのはアンナだった。
今年初の、劇場鑑賞映画としては 上々の作品でした~
とにかく“第九”の初演シーンは素晴しかったです。
いい音楽を聴くと~素人の私でも こんな風に涙が出るんだ・・・本当に感動しました。
冒頭で亡くなって・・・ そのクライマックスの第九シーンが、お話の途中であるので~
後のストーリーがちょっと物足りなく感じるのですが。
でも 考えてみれば~人生なんて、いいコトばかりじゃないし・・・
山あり、谷あり・・・
頂点があれば 必ず下る時は来る。
ホランド監督は、それも言いたかったのかも~しれませんね。
といっても 哀しい最期だけではなく・・・ 完成された“大フーガ”へ・・・という過程も丁寧に描いています。
全編を流れる、ベートーヴェンの曲が心地よく・・・
話も ベートーヴェンの生涯を描くのではなく、晩年(特に、第九以降)だけに焦点を当てているので とても分かりやすいです。
「写譜師」=コピスト というのは、作曲家が書いた楽譜を清書する職業。
史実、ベートーヴェンには3名のコピストがいたが、3人目は明らかになっていないらしい・・・
この作品は、3人目を若き女性作曲家 アンナとして描いている。
エド・ハリスって、こんな顔の方でしたっけ?
役作りの為、かなり太ったそうですが~本当の顔を忘れてしまった。
最近では、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』でお会いしたはずなんですけど~思い出せないくらいベートーヴェンになりきって(ベートーヴェンのホントの顔も知らないけど 笑)
指揮姿も実際にやったそうで~素晴しい!の一言・・・
鳥肌立つ位~素晴しかったですよ~
ダイアン・クルーガー・・・好きな女優さんなんです。
クールな美人~ 当時としてはとても珍しい、女性作曲家を目指す 芯の強い女性が合ってました。
難聴で指揮が出来ない、ベートーヴェンに代わり~陰で指揮し・・・いつしか2人の心が通い合い~という言葉も何もないシーンですが
とっても官能的で・・・よかったです。
女性監督の意図に上手く答えていたのではないかな?
他の出演者さんもよかったですが・・・
やはり、第九初演シーンが全てかなぁ~
マリー的星評価・・・★★★+0.7 (第九に圧倒されました!!)