ただいま。
おかえりなさい。
『 ボルベール <帰郷> 』
監督・脚本・・・ペドロ・アルモドバル
出演・・・ペネロペ・クルス、カルメン・マウラ、ロラ・ドゥエニャス、ブランカ・ポルティージョ、チュス・ランプレアヴェ 、ヨアンナ・コバ 他
【STORY】
10代のころ母親を火事で失ったライムンダ(ペネロペ・クルス)は、失業中の夫と15歳の娘パウラ(ヨアンナ・コバ)のために日々忙しく働いていた。ある日、火事で死んだはずの母親(カルメン・マウラ)が生きているといううわさを耳にする。
そんなライムンダに、ある日2つの死が降りかかる。娘のパウラが「本当の親じゃないから」と関係を迫ってきた父親を、包丁で刺し殺してしまったのだ。
パウラを守るため、夫の死体をひとまず隠すライムンダ。そしてその夜、ライムンダの両親が死んだ火事のショックから、病気がちになっていた最愛の伯母(チュス・ランプレアヴェ)も、息をひきとった。姉のソーレ(ロラ・ドゥエニャス)と幼なじみのアグスティナ(ブランカ・ポルティージョ)に伯母の葬儀を任せ、夫の始末に頭を悩ませるライムンダ。
そんな時、食事の提供を依頼されたライムンダは 空き家のレストランを使って店を出す。冷凍庫に大きな秘密を隠したまま・・・。
【解説】
『オール・アバウト・マイ・マザー』でアカデミー賞最優秀外国語映画賞、『トーク・トゥ・ハー』で 同賞最優秀脚本賞を受賞した巨匠ペドロ・アルモドバル監督ですが
「自分自身や愛する者たちの死だけでなく、すべての死を受け入れることができず、
近年大きな痛みと不安で生きることも辛かった」と告白。
そんなアルモドバル監督に 再び生きる力を甦らせたのは、自らの創造力の源への<帰郷>。 こうして、故郷ラ・マンチャを舞台に、母の愛に見守られて力強く生き抜く女たちを描いた 『ボルベール<帰郷>』が誕生した。
ペネロペって、本当に美しい!
前から思っていましたが、“輝くような美しさ”
この作品には、あの美貌は~逆にどうかな・・って思ってましたが~ ただの美しい人形のような彼女ではなく、素晴らしい演技に圧倒されました。
出てくる男たちは、皆 “ろくでなし“ か “甲斐性なし“ (笑)のようなこの作品の中で
女性達は、なんと逞しいのでしょう!
そして、ペネロペ演じるライムンダがトイレで用を足しながら~
なつかしい「母のオナラ」の匂いを感じる・・・というあまりにリアルな表現。
眩しい太陽の光や、様々な匂いも感じてしまう映像。
ライムンダ (ペネロペではなく ここは吹替えで、本当に歌手の方が) が歌う
母に教えられたという、タンゴの名曲 「VOLVER(帰郷)」 が素晴らしかったです。
歌詞も歌声も胸を打ちました。
「殺人」から始まり、 えっ?サスペンスタッチ・・・と思わせておいて~
次第に「殺人」はそんなに重要ではなく、それ自体はサラッと描かれてて・・・
焦点は6人の女性の生き方。。。
それぞれの人生・・・みな懸命に、逞しく生きている。
観る人にも、人生を見つめなおし、自分自身を愛する・・・ということを教えてくれる映画だと思います。
こういう物語なのに、随所にクスッと笑えるところもあります。
鮮やかな色彩が目に眩しいし~とっても新鮮です。(ペネロペが着ている服などは、私は一生着ないだろうな~という色合い)
ペネロペは久々の母国語(スペイン語)でイキイキしてます~
ラ・マンチャの逞しい女性の為、“付け尻”をして頑張ったそうです。
ソーレ役のロラ・ドゥニャスなんて~絶対すぐ近くに似てる人がいそう~と思った。
この方、結構観てますね・・・ 『海を飛ぶ夢』や『トーク・トゥ・ハー』などで・・・
マリー的お気に入り度 ・・・ ★★★★★★★★☆☆