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カテゴリ:映画
全世界、失明・・・ 『ブラインドネス』 監督・・・フェルナンド・メイレレス 原作・・・ジョゼ・サラマーゴ 出演・・・ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、アリシー・ブラガ、ガエル・ガルシア・ベルナル、ダニー・グローヴァー、サンドラ・オー、木村佳乃、伊勢谷友介 他 【解説】 『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレレスが、ノーベル文学賞受賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説を映画化した心理パニック・サスペンス。視界が真っ白になる伝染病がまん延する状況下で、人間の本性や社会の恐怖をあぶり出していく。出演は『ハンニバル』のジュリアン・ムーアをはじめ、日本からは伊勢谷友介と木村佳乃が参加するなど、国際色豊かなキャストが実現。サスペンスフルな展開と深遠なテーマで見せる注目の衝撃作。 【STORY】 街の交差点に止まった車の中で、何の前ぶれもなく突然目が見えなくなった男(伊勢谷友介)がパニックに陥る。その後、男は検査を受けるが原因は一向にわからない。しかも彼に接触した者も次々と視界が白くなり、目が見えなくなっていった。そんな中、療養所と呼ばれる隔離病棟が設けられ、発症者は強制的に収容されるが……。 止められない伝染病の蔓延に、不安と恐怖に駆られ、醜い争いを始める人々。 しかしその中に唯一“見える”人間が、盲目を装い紛れ込んでいた…。 観てからあれこれ考えちゃう映画って、レビューアップが遅い。。。 これも、なんだか後味がいいような悪いような~複雑な作品でした。 ネタばれになるから、ラストについては書きませんが・・・ 怖い映画だった。 私はホラーなどより、こういうリアリティのある恐怖が苦手。 ホント怖かった! 人間って、目が見えなくなるとここまで大変なのか・・・って。 頭では分かっていても、実際その“生活”を目の当たりにすると、悲惨・壮絶 そういう言葉しか出てこない。。。 汚れた部屋、街に唖然・・・ 食べること、排泄すること、一般的な生活を営む為には 誰かが“見えて”いないと困難極まりない・・・。 そして、極限状態に陥った時“強い”のは、やはり女性なの・・・? どんな時でも最後は“女”? 強い強い憤りも感じました。 最後まで後味が悪かったのは、きっとそのせい・・・ 絶対君主制を築いたガエルくんにも、腹が立ったし(特に女性を“モノ”のように扱って、あんな結末になってしまった時) 心の拠り所を求めて、妻の目が見えることを忘れてしまって~事に至った旦那。 気持ちが分からなくもないの・・・ ドクターとして人を助けていた人間が、突然全てを妻の介護に頼らなきゃいけなくなった。 ああいう状態で、そういう気持ちになってしまう。 それを許してしまう妻。 やるせなかった・・・ 人間の本質をあぶりだしたと言われているけれど 人間として、一番弱く嫌な面を見せつけられた気がする・・・ ジュリアン・ムーアはこういう役が似合うなぁ~~~ 彼女の透明感が、全体的に“白い”“靄がかかったような”この映画の中でより美しく見えた。 時が経過していくにつれ、段々彼女の中での意識が変わってゆくのが、よく分かったし。 マーク・ラファロも合ってました。 彼もまた、時の経過によって~逆に“弱さ”“優しさ”が前面に出てきて・・・ 上手い役者さんだな~って思った。 最初の感染者という重要な役柄。 伊勢谷友介さんも、英語も上手くて~海外に暮らす日本人という設定に無理がなかった。 彼自身が作った?日本語での台詞が監督に採用されたって喜んでいたけど~ もしかして、あの「初詣」のエピソードかな? 私は、外国の方に「初詣」という言葉は通じるのかな?と漠然とした疑問を感じながら観てたけどね。 木村佳乃さんも、上手でしたね~。演技も英語も(帰国子女でしたよね?) 彼女、目の見えない演技が上手かったなぁ~とっても。 まぁ出演者の方全員、撮影前に目が見えない設定のワークショップに参加されたそうだし どの方も盲人に見えて、ホント上手でしたが・・・ ガエルくん、やっぱりキレた役が似合うわ~~~ 彼のやったことには、ものすご~くものすご~く腹立ったけど!! 大きなスクリーンで、彼の姿が観れただけでもいいや。 出演者に関しては、よかったと思います。 でも、どうしてもストーリー的にはう~~ん・・・ 何が原因で?とか結局分からないままなので、現代の人々への様々な警告?とか 色々思うことはありますが 1人だけ感染しない理由が曖昧すぎて~ 彼女という人間の深いところに、何かワケがあるのか?そういった説明的なものも一切ないし。 (たとえば彼女が超・超自己チュー女で、自分のことしか考えない嫌な女であったとか あるいは、激しく人種差別的思想の持ち主で、白人しか認めない人だった。とか そういう設定があったとしたら、また違うんですが・・・) 全てが、もやもやしていて~ それこそこの映画の“思うツボ”なのかしら?(苦笑) マリー的お気に入り度 ・・・ ★★★★★★★★☆☆ (久々スクリーンのガエルくんに★オマケ) マリー的涙度数 ・・・ ★★★☆☆ (涙というより切なかった・・・) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年12月06日 22時18分42秒
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