clair de lune

　16:00を過ぎる頃、西陽がオフィスを包み
社内が橙（オレンジ）色に染まる。
平日は眩しいので、直ぐに誰かがブラインドで
その光を閉ざすが、休日はそのままに。

　この数十分、仕事を止めるようにしている。
眩しいのもあるが
なんだか、ちょっと暖かくなる、気持ちが...。

　今日は、部下も2人、休日出勤させていたので
「ご苦労様！」と、ランチを御馳走する。
普通のランチ＋ビール。
塩味のフォーと「とろろご飯」のセットを頼んだが
やっぱり食べれないので、フォーだけ食べる。
麺類しか、喉を通らないのが、ちょっと痛い。

　そして夕方、ちょっと甘いものが欲しくなる。
ショッピングに行く時間が、全く無いので
ネットでオーダーしたチョコレートを口に入れる。
ちょっとだけ幸せ。

　溜まったメールを処理するだけで
午前中を費やしてしまったのが尾をひいて
今日は、何時に終了か目処がたたない。

　チョコの甘い（ちょっと苦めだけど）余韻を味わいながら
大幅に遅れている、仕事の整理をする。
どうして、こうなったのか？は、もう考えない。
だって、原因は明らかで、でも仕方がないから。

　ゲーテは
「過ちを犯す大きな原因の１つに
原因が常に結果の近くにあると思い込むこと」
だと言っている。

　確かに、失敗するときは、廻りが見えていない場合が多い。
廻りは見えていても、人の気持ちはまでは予想出来ないけど...。
だから面白いとも言えるし、落胆もする。

　夕陽の時間は過ぎ、直ぐに辺りは暗くなる。
東京タワーのイルミネーションが夕陽の代わりとなり
疲れた目を癒してくれる。
遠くからのタワーもいいけど
自分は、この至近距離から見上げるタワーが好き。
原因は分からない、でもそんなのに理由はいらない。
なんとなく気に入っているだけだから。