浅田真央、伊藤みどり、中野友加里、恩田美栄など、五輪メダリストら
トップスケーターを育てた名コーチによる本(2007.4)というので、
いさんで手に取りました。
選手との思い出や人生観、教育論を軸に話が進みます。
世界のトップスケーターを育てただけのコーチです。
スパルタからはほど遠い、自称「町のおばあさん先生」といえど、
技術的な指導法や育成法の秘密があるに違いありません。
しかし、そのことには全く触れていなかったのが印象的でした(笑)。
やはり、企業秘密なんでしょうね。
フィギュアスケート入門書として、DVD付本(2007.1)が
出ていますので、そちらを見た方がよさそうですね。
あくまでも、初心者向けですが...
ところで、いつもテレビでフィギュアスケートを見ると思うことが
あります。
「この人、どうみても優勝できっこないのに、なんでスケートを
続けるんだろう。どうみても体型が向いてないじゃん。」
本当に、われながら失礼。
黒か白かはっきりしたい人間は、理解に苦しむのです。
著者が答えを教えてくれました。
「子どもたちは順位に関係なくスケートに魅力を感じている」
と主張します。
決して順位が全てではなく、努力は子どものためになる。
「才能には人それぞれに幅があり、それぞれに最高がある」とは名言。
「うちの子、オリンピックに行けるでしょうか。」という質問が多いとか。 そうですよね~。
プロの目から見て将来性があるかどうか、知りたいのは当然です。
才能がないのなら、他の習い事もいろいろさせて、伸びる可能性のあるものにお金をかけたいと思うでしょう。
長い目で見ることが大切だと著者は答えます。
あきらめずに長く続けたおかげで、あるとき伸びて上にいく場合もあると。 オリンピックなんて遠い先を見ないで、自分のできる範囲のことを
少しずつ一歩一歩積み重ねてやって、まずは近くの目標に向って努力することが大事といいます。
「子どもに才能があるかどうかを知りたいというのは、
純粋な親心かもしれませんけれど、事を急いては、
せっかくスケートを始めてリンクで楽しそうに目を輝かせている子どもの
“今”を見逃してしまいます。」
「わが子の“今”を楽しみ、応援してほしいと思います。」
本当にそうですよね。
長く続けることが大事です。
うちの英語教室にも、年長で英語を始めた時はそれほど「語学センス」は
感じられなかった子がいます。
やはり、0歳や1歳から英語を始めた子と比べ、違いは明らか。
「もっと早く始めてくれればよかったのに...」
正直思うこともありました。
3年後。
発音もリズムもグンと伸びました。
持ち前の頭の良さで、記憶力もバツグン(英語は記憶力も大事)、
積極的に発話ができます。
親御さんも成長ぶりを認めて大変喜んでいらっしゃいます。
ただ、3年は長いとは言いませんね。長いとは10年くらいでしょうか。
親として大切なのは、子どもがベストを尽くす姿を見守ることと読んで、
スケートに限らず、教育や習い事全般に当てはまることだな、と
感じました。
急いては事を仕損じる ― 肝に銘じたいと思います。 |
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