知能心理学~スピアマンの知能の2因子説
心理学では、知能の構造についての研究がなされています。知能はどのような因子で構成されているかということについて、歴史的にいろいろな説が出されました。1904年にイギリスのスピアマンが唱えた説は、知能の2因子説です。スピアマンが唱える2因子とはg因子、s因子です。g因子は知能がはたらきくときのすべてに共通する因子であり、一般因子です。s因子は知能がはたらくにあたり専門的にはたらく複数の因子であり、特殊因子です。車にたとえるならばg因子は燃料タンクに相当し、s因子は複数のエンジンに相当すると考えられます。この因子は、さまざまな性格検査や学業成績の相関関係を分析した結果として、導き出されたものです。すべてのテストに共通する因子がある一方で、そのほか専門的に働く特殊な因子があることが見出されました。その結果として、二つの因子が存在するという説になったのです。知能心理学と呼ばれる分野では、それ以外にもソーンダイクやサーストンなどが特殊因子を発見しています。ソーンダイクは、g因子について否定しています。知能心理学 サーストンは7種類の特殊因子を発見し、それとg因子との関係について考察しています。最近の理論では最初、g因子のように一般的なもので構成されている知能が年齢を重ねるにつれて、s因子へ分化していくと考えられています。