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連休の中日なので,いつものパターンに従いお出かけをした。目指すは上野の西洋美術館で開催されている『古代ローマ帝国の遺産展』だ。雨がぱらつく可能性もあると言う予報なので,新しい折りたたみ傘を持っていった。
西洋美術館は何しろ駅から近い。いつもはロダンの彫刻の前を素通りしてからてくてくと歩くのだが,今回は横断歩道を渡ってすぐだ。また最近の展覧会には珍しく,全く並ばずに入場できたので,気持ちの切り替えが済んでいない間に始まってしまったような印象だ。 ------------ 〔第1章 帝国の誕生〕 いきなり目の前に飛び込んできたのは初代皇帝アウグストゥスの胸像だ。しかもいくつもある。解説によると一定の様式の胸像を帝国全土に設立することも,帝国を成り立たせる方策の1つだったとのこと。美術品を通じて,ローマ帝国の興りと治世のシステムが理解できる,というのはなかなか面白い体験だった。 デッサンの授業の石膏像で有名なアグリッパの胸像もあったが,アウグストゥスと比べると小ぶりで,美術室での迫力は全く感じられなかった。 〔第2章 帝国とその機構〕 その次のパートは,ローマ帝国の文化を伝えつつも,食器,分銅,ビン,燭台など生活のありさまを伝えるものが多かった。表現が難しいのだけど,ローマ時代の生活品は富貴階級が使っていたものであっても,どこか利便性が勝っていて味気ない気がする。 〔第3章 帝国の富〕 このパートはポンペイからの遺構品を中心にまとめられている。今回の展覧会の副タイトルに『栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ』があり,なぜポンペイなの?という素朴な疑問があった。これはアウグストゥスを中心とした”初期ローマ帝国”というくくりで捉えれば同時代ということでつながる,ということが分かった。 「長い市民戦争が終わり,人々は平和な時代と繁栄を楽しみました」という真っ最中にベスビオ火山の灰に埋まり,そのまま18世紀までタイムカプセルとして残った,ということらしい。うーん,ナットク。 石とガラスを用いた噴水のモザイクの鮮やかな発色も素晴らしかったが,一方で水道のバルブなど,今とほとんど遜色が無い技術品も興味深かった。 〔『庭園の風景』〕 ひょっとしたら今回の展覧会で一番印象深かったのが,CGで再現されたポンペイの富貴階級の家,『庭園の風景』かも知れない。ところどころ画像がテクスチャーのままで歪んで見えるが,それでも遺跡,発掘された壁画,遺物,それらを全て統合して製作された3DCGの画像は圧巻だった。 ------------ さて展示物とは別に,イベントとしての技術的な部分を述べる。まず最初に書いたとおり珍しく混んでいない展覧会だったので,ゆったりと鑑賞することができた。もっともそのため,人の誘導の技術は確認ができなかった。 展示品は気持ちゆったり目に配置してあり,ぐるっと周囲を回れる作品もいくつかあり,多少の回遊性を持たせてあった。ただし展示のくくりが大きいので,やや各パートのテーマが絞りきれていない印象だった。 東京都美術館と同様に,途中に階段があり,嫌な予感がしたが,それ以降はポンペイの壁画であり,テーマや動線に混乱をきたさないで出口まで動くことができた。 終わってみれば,なかなかの満足度だった。人気がもう1つなのは主催が東○新聞だからだろうか?もっと評価が高くてもいいかも知れない。 ------------ 最近のイベントでは珍しく,企画展のチケットで常設展も入場できるというので,さっと周ってきた。意外や意外,なかなかのレベルの作品が揃っていて,感心した。やはり地方の県立美術館とは比較にならない。さすがだ。 [旅行でふらり]カテゴリの最新記事│<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |