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2013.07.30
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〈IWGP〉こと〈池袋ウェストゲートパーク・シリーズ〉の最終巻を読んだ。・・・一応,第1シーズンの最終巻となっているけど???

○ストーリー
かつて男性に暴行された女性・リンからマコトは犯人捜しを頼まれる。同じ手口で広い範囲で犯行を重ねていたグループが,最近は池袋周辺で事件を繰り返しているのだった。犯人に迫ったマコトたちだが,逆にリンが再び彼らの手に落ちてしまう。マコトはGボーイズのキング・タカシに協力を求める。

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スマホ,暴走自転車,ローカルアイドルと,相変わらず時事ネタを使った小さな事件の物語だ。とは言え,新聞やテレビで流れているようなネタを扱うあたり,やはりこのシリーズもフレッシュさを失っていると思う。

これでは「街の物語」ではなく,新聞ネタを利用して即席栽培した物語,という印象だ。池袋版「ゴルゴ13」とでも言うべきだろうか?

街の孤高のトラブル・シューターだったハズの主人公のマコトも,すっかりと少年チーム〈Gボーイズ〉のサブメンバーとなっていて,数や暴力で事件を解決しているのも良くないと思う。

新聞では流れないようなアングラの世界が絡んだ問題を,たった1人でマコトが知恵を絞って解決する,そのころのシリーズに戻ってもらいたかった。

まあ石田衣良も売れっ子になってしまったので,もう〈IWGP〉でもないんだろう。

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この作品の事件は,いつも以上に簡単に解決をしてしまう。マコトが危険な目に遭うことも,暴力を振るわれることもなく,物語は進む。とんとん拍子に進み過ぎて,30分で終わるドラマのようだ。

これまでであれば,石田衣良らしい問題や人への鋭い考察があったのだけど,今回はそれも無い。表題作を除くと,依頼者も犯人も,どちらもあまり目立たない。

ただしその分,女性キャラは多く登場している。マコトの嫁さん候補,タカシが惚れた女性,マコトの新恋人,タカシの旧恋人と,実に華やかだ。

そっち方面へのサービスなんだ・・・他にも魅力的なレギュラーキャラいただろうに。サルはどうした?

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各編について簡単に感想を述べる。

「データBOXの蜘蛛」:スマートフォンをなくした男がマコトとタカシに奪回を依頼する。だがそのデータを吸い出したハッカーは,男の恋人の家に侵入しようとしていたのだった・・・うーん,なんでこんな男を助けているんだろう?Gボーイズもマコトも,ただのビジネスみたいな感じで悲しい。

「鬼子母神ランダウン」:雑司が谷に近い鬼子母神で,タカシとマコトは自転車に乗った女性に声をかけられる。彼女はサッカー選手の弟を轢き逃げした自転車を捜していたのだった・・・池袋のキング・タカシの意外な一面を見ることの出来る短編だ。事件そのものは例によってGボーイズの人海戦術で解決しており面白味はない。

「北口アイドル・アンダーグラウンド」:マコトを訪ねてきたのは,北池袋でローカルアイドルをしているイナミという女性だった。彼女に嫌がらせをしている相手を追ううちに,マコトは巨漢のガードマンの姿を目にするが・・・オタクが大量に登場するが,石田衣良が彼らを嫌っていることがよく分かる。実際に傷害事件が起きているのに,なんだかヌルイ解決。

「PRIDE」:東池袋で〈ハウス・オブ・プライド〉というホームレス支援施設が開かれた。そこを運営する男に取材をしたマコトは,なにやら危険な匂いを嗅ぎ付ける。マコトはこの施設の真実をすっぱ抜くのだが,一緒に行動していたリンという女性が,報復のように拉致されてしまったのだった。どうするマコト?・・・表題作だけあって読み応えも緊迫感もあるけれが,過去にこのシリーズで扱われたネタを組合わせた,という構成はいただけない。ゼロワン,吉岡と初期のキャラも再登場しているし,最後にタカシともほのぼのと会話しているところを見ると,これは本当にシリーズの終わりなんだと思う。さよなら。







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Last updated  2013.07.30 23:08:00
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Re:「PRIDE 池袋ウェストゲートパークX」石田衣良を読んだ(07/30)   おきま さん
約32年前に池袋のウェイターに騙されて風俗に送り込まれた、当時エイズが盛んに報道されていた、その中で私はある意味命を懸けて風営法を破ってしまった、その影響で現在千葉市では緊急車両の音が絶えない。 (2016.10.28 10:58:06)


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