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2014.07.02
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カテゴリ:ばくばく冒険小説
ミステリーの傑作として名高い岡嶋二人の作品を読んだ。

○ストーリー
ガンで余命数ヶ月を宣告された男が,8年前に起きた事件を思い出して手記を記す。そこには,5才だった彼の息子・慎吾が誘拐され,身代金の金塊を抱えて,男が日本を横断した物語が記されていた。さらに12年後,ある少年が誘拐される。開放の条件の身代金のダイヤを運ぶために,犯人に指名されたのは,25才の研究員になっていた慎吾だった。だが複数の警察官の監視の下,10億円のダイヤは消えてしまった。果たしてそのトリックは?

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冒頭から緊迫の誘拐事件が始まる。次々と繰り出される犯人の斬新なテクニックが興味深くて,どんどんと読み進んでしまう。シンプルな文体で,人間描写は少ないが,きちんと必要な情報は伝わってくる。

過去と現在の2つの誘拐事件が語られる。ページの比率は1対5くらいで,圧倒的に現在編が多いが,双方ともアイディア満載で,先が全く読めない。とてつもない量のアイディアが,この作品1つに盛り込まれている。

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実は過去編と現在編の大きな差は,過去編は被害者の視点から,現在編は犯人の視点から物語が描かれていることだ。

とは言え,読者に犯人の計画が明かされているワケではない。結局のところ,読者の立場は,ダイヤ運搬役の慎吾を護衛している警察官のように,「うん?この指示はどういう意味だ?」とおろおろと考えている,というのに近い。

視点は異なるものの,途中までは作者に良いように翻弄され五里夢中状態になる。これもまたミステリーの楽しみの1つだと思う。

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個人的には,ルシアン・ネイハムの「シャドー81」という冒険小説を思い出した。この作品も,途中にいくつも危険はあるものの,淡々と計画を進める犯人が,最後には勝利する,というクライムノベルだ。

この作品の主人公も,ひじょうに緻密な計画を,神のような素晴らしいタイミングで進めていく。

こんな主人公が日本の小説にもいたとは驚いた。

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この作品は1988年に発表されたので,当然今日の視点で見れば,いろんな技術が陳腐化している。それでもまったく作品の魅力は薄れておらず,いくつかの機器と名称を今日使用されているものに置き換えれば,少しも問題なく物語は成立する。

手に取ったら止められなくなる魅力に満ちている悪魔のような作品だ。

日本のベストオブベストだと思う。圧倒的にオススメだ。














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Last updated  2014.07.02 21:49:00
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