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2015.09.02
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カテゴリ:ばくばく冒険小説
発表される作品の全てが注目される伊坂幸太郎の最新長編を読んだ。

○ストーリー
増え続ける犯罪を抑えるために設立された〈平和警察〉,それは通常の警察よりもはるかに強い権限を与えられていた。警察でも嗜虐嗜好が強い人物が集められ,人々を拘束し,取調べ,そして衆目の中で処刑するのだった。設立により犯罪件数は減ったことで〈平和警察〉に対して誰も批判は出来ないようになりつつあった。相互に監視をして,密告で人を拘束し,拷問のような取調べで自白を強要する〈魔女裁判〉の世界で,1人の人物が立ち上がる。

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いつもどおり仙台を舞台にした物語が展開される。

とは言え,主人公が犯罪者扱いされ,警察から逃げ回る「ゴールデンスランバー」,人々を巨大な権力が監視し支配しようとする「モダンタイムス」を思わせる社会派っぽくなった頃の作風が強く出ていて,軽やかな冒険小説を楽しむ,というものからは程遠い。

冒頭から始まる普通の人々への〈平和警察〉の横暴は,読んでいてひじょうに気持ちが沈む内容だ。この部分の重さを跳ね返してくれる結末が訪れないので,読み終えても爽快感が得られない。

本当に新しい世の中が得られるのか不安なままなので,なんとも微妙な読後感だった。

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横暴な〈平和警察〉に対して,一部の人々は密告などで積極的に協力をし,また公開処刑には多くの人が詰め掛ける。なんとも息が詰まる社会だが,凶悪犯罪が続く今の時代,〈平和警察〉を全否定することは難しい。それがまた読んでいて悩ましい。

中盤は,〈平和警察〉に対して立ち上がった人物は誰なのか?というミステリー要素が,物語を引っ張る。伊坂幸太郎の作品らしく,この〈正義の味方〉も単純なヒーローではなく,弱さや悩みを持った人物として描かれている。だがその分,強大な国家権力に対抗するには弱過ぎて,読んでいて不安しか感じられなかった。

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語り手の半分近くが警察側の人々だ。こちらも警察庁と県警,キャリアと巡査,〈平和警察〉と刑事部と,様々な対立があるのだが,伊坂作品なので,どうしてもテレビドラマで描かれる警察のようで作り物っぽい。

その人物は県警の刑事部に所属しているとは言え,結局は〈平和警察〉に協力をしている。もう途中からこの組織に近い人物は誰であっても嫌悪感を抱くようになるので,どんなに人が良さそうに見えても,少しも親近感を抱くことが出来なかった。

ラストが爽快な「ゴールデンスランバー」,独特の味わいがあった「モダンタイムス」とよく似ているのに,欠点ばかりが目立ち,乗れない,楽しめない,スッキリしないという困った読後感の作品に仕上がってしまっている。

残念だ。


















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Last updated  2015.09.04 22:39:31
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