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2016.04.07
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カテゴリ:ばくばく冒険小説
江戸ファンタジー小説〈しゃばけシリーズ〉の第5巻を読んだ。

○ストーリー
身体の弱い長崎屋の跡取りの若だんな,一太郎をなんとか人並みの健康にするために,両親は若だんなを箱根へ湯治に行かせる。誰もがガチガチに守られた旅だと思っていたそこで,若だんなは人さらい,天狗,そして山の神に襲われる。果たして,ひ弱な若だんなは,生き残れるのか?

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第1巻は長編だったものの,それ以来3巻連作短編集が続いていた。久々に長編で,しかも箱根への旅行を語る作品ということで,旅路姿の主人公たちも勇ましく,ひじょうに期待していた。

けれども残念ながら物語は,ぶすぶすと不完全燃焼な流れへ進んでしまう。それはなぜだろうか?

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若だんな一行は,若だんな本人,仁吉と佐助の2人の保護者,腹違いの兄・松之助,の4人だ。

たかが箱根への旅なのに,小田原まで船で移動してしまう。この時点で,既に旅物語ではない。しかも小田原に着いた時に,いつもの仁吉と佐助はいなくなっている。

通常の旅をすっ飛ばして,最初が特殊な状況,というのは物語の導入として下手だ。長崎屋の離れで療養しているのが若だんなの通常の姿だ。それが普通の人と同じ旅をしているだけで,特別なイベントで楽しいことだろう。

そこがすべて省略されて,慣れない旅先で仲間とはぐれてしまう,という状況からスタートしてしまう。これはいつものシリーズから,何ステップも遠ざかり過ぎている。

とにかくまずは普通の旅物語が描かれるのを期待していたので,それが無いのが残念だった。

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箱根へと向かった若だんなは,人さらい,天狗の襲撃,地元の人々の襲撃と,矢継ぎ早にトラブルに巻き込まれる。

人さらい,天狗,地元の人々,それぞれの理由で若だんなを狙うのだけれど,どうもそれが不自然だ。この時代とは言え,それだけの理由で徒党を組んで襲撃をする???別の解決方法は無かったのだろうか?話の展開が強引な気がしてしまって,読んでいて「ちょっと待って!」と言いたくなる。

今回,怪しい雲助が登場するのだけれど,最後で解説された彼の過去という説明には呆れた。そんなにまで多方面に都合が良いキャラクターが存在するはずが無かろうが!!!

この存在がこの作品を象徴しているかも知れない。

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この作品で登場する比女というキャラクターは,若だんなと対比させられる。彼女の成長物語がこの作品のサブテーマかも知れない。

が,ほんの少しの特殊な能力と引替えに病気がちな毎日を送る若だんなと比べて,比女が出来ていることはとても限定的だ。そもそも彼女の幼稚な精神が,この作品の多くのトラブルの要因となっている。

若だんなは18才,比女は○○才。いい加減に成長しようよ。

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この作品が,〈しゃばけ〉の世界の中で,ジェットコースター冒険物語として成立しているのは理解する。けれども江戸の大店で大人しく暮らしていても病気になる若だんなだったら,普通の旅路であっても大冒険だったはずだ。

それをすっ飛ばして,いきなりレベルを5つくらい上げた冒険で,それでも若だんながなんとかなっている姿を描写されても,これまでの読者としては戸惑ってしまう部分がある。

普通の旅路での小さな逸話の方が,かえって十分堪能できた気がする。

まるで他の作品のプロットを持ってきて,このシリーズに無理やりつなげたような不自然さがあって不満が残ってしまった。残念。













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Last updated  2016.04.07 22:06:16
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