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2016.08.07
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カテゴリ:旅行でふらり
六本木ヒルズで開催されている”ルーヴル美術館とマンガのコラボレーション”という美術展に行った。

○アプローチ
森美術館に行くには,円筒形になっている展望台と美術館の入口から入るのが常なので,今回もそうだと思っていた。そうしたら階段の下に案内係がいて,「〈ルーヴルNo.9〉はこちらです」と,通路からすると対角の位置にあるヒルズ本体の入口へ誘導された。

チケットを買い,警備員に指示されたのは,非常階段!!それを1フロア上がり,エレベータに乗る。出た先は52階で,森美術館の入口と同じ円形の広場だ。行列もなくて早かったから良かったけれど,だいぶ不安になった。

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○プロローグ
入場すると,展示されている全作家の紹介パネルのある部屋があり,その次の1室でテーマ説明をしてくれる5分ほどのアニメ映画を観る。

テーマパークではよくある仕掛けで,背景情報を教えてくれる,その世界に没入できる,そして観客の流れを制御できる,というメリットがあるのは分かる。美術展で積極的に取り入れているのは初めての体験だったので,ちょっと感心した。


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○No.9の意味
〈No.9〉は〈九番目の芸術〉という意味だそうだ。
 -1.建築
 -2.彫刻
 -3.絵画
 -4.音楽
 -5.詩(文学)
 -6.演劇
 -7.映画
 -8.メディア芸術
となっていて,5つ目までは定説となっているものの,最後の方は異説もあるらしい。そもそも〈メディア芸術〉って何?って思うし。

〈バンド・デシネ〉を〈マンガ〉と意訳して,今回の企画展では,
 -9.マンガ(バンド・デシネ)
としている。

というか既に,ルーヴル美術館では著名なマンガ家にコラボレーション作品の執筆を依頼しているとのことだ。美術館が,芸術家に作品を発注するという状況に改めて美術館の地位の高さを感じた。

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○第1章〈偉大なるルーヴル美術館〉
「寄り目の犬」エティエンヌ・ダヴォドー
「魔法」クリスティアン・デュリユー
「千年の翼、百年の夢」谷口ジロー
「坑内掘りの芸術」フィリップ・デュピュイ&ルー・ユイ・フォン
「ルーヴル横断」ダヴィッド・プリュドム

ここからは通常の美術展の様に作品と説明パネルが壁面に展示されるのだが,意外と観にくい,ということが分かった。1つにはマンガ原画の多くがフランス語でありながら,翻訳の日本語が下のパネルにごちゃっと記してるだけ,ということ。もう1つは,原画展なので作品全体が長くても,実際に展示されているのはその一部でしかない,ということ,だった。

とは言え,この第1章から,全ての作品が驚異的な高品質であることは伝わってきた。しかも,それぞれでルーヴル美術館そのものであったり,あるいは収蔵物とマンガならではの対話が試みられている。

「魔法」の日本マンガっぽさ,「ルーヴル横断」の収蔵物と観客の対比,「寄り目の犬」の収蔵物と観客の勝手な距離感の近さなど,最初の部屋から興味深いことばかりだった。

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○第2章〈ようこそ、異次元の世界へ〉
「レヴォリュ美術館の地下」マルク=アントワーヌ・マチュー
「ルーヴルの亡霊たち」エンキ・ビラル
「ルーヴルの猫」松本大洋
「奇数時間に」エリック・リベルジュ
「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」荒木飛呂彦
「ルーヴルの空の上」ベルナール・イスレール&ジャン=クロード・カリエール

ルーヴル美術館をテーマとしつつも,そこから想像力を発揮して,異世界へと羽根を伸ばしている作品が展示されていた。どの作品もルーヴルへの尊敬があふれつつ,そこから既存の枠組みを飛び出そうとしていて,ルーヴルが依頼した”新しくてインタラクティヴな芸術”というテーマが伝わってくる。

「レヴォリュ」の地下迷宮のような世界も魅力的だが,「亡霊たち」の詩的な世界や,「奇数時間に」の変態的なほど圧倒的に立体な表現力には,新しい次元のマンガを観る気分になる。

そしてもちろん,日本代表の「岸辺露伴」は,この作品1つでフランスを圧倒した,といういわく付きだ。まあ,いつもの〈ジョジョ〉なんだけどね。

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○第3章〈時空を超えて〉
「王妃アントワネット、モナリザに逢う」坂本眞一
「氷河期」ニコラ・ド・クレシー
「Palmyre au Musée 美術館のパルミラ」ヤマザキマリ
「ニケのうた」五十嵐大介
「ルーヴル消失」寺田克也

未来や過去のルーヴルという作品を集めたエリアで,なぜか日本のマンガ作品が集中している。日本の作家は,裏方や収蔵品そのものとの対話をテーマとしないで,時間の流れをテーマとしようとする傾向があった,ということだろうか?

SFとして正当なアプローチをしている「氷河期」は目を引くが,日本から参加した「王妃アントワネット」,「ニケのうた」も全く別の切り口からルーヴルを見つめていて本当に面白いし,マンガとしてもそれぞれ完成したタッチを見せていて,さすが日本の横綱相撲という印象だった。

最後に来るのが「ルーヴル消失」で,SF小説ではさんざん出てきたテーマだけれど,具体的な対象とマンガというメディアを用いるとまた味わいが違っていた。

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○展示
森美術館スタッフの展示なので,基本の部分では文句の付けようがない。フランス語がほとんどのマンガ原画を展示していて,そのセリフをただ集めたパネルが下に掲示してある,というのは,さすがに不親切だし,ライブ感を損なうと思った。

でもこれも「原画を鑑賞するのがこの企画展です」と言われて終わるような気がする。

大人数を予定して,誘導が至れり尽くせりなのだが,ショップでレジを1回通ると強制的に戻れなくなるのは,さすがにやり過ぎだと思った。

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別にルーヴルだの,文化庁の認定なぞしてもらう必要は無いけれど,マンガは何十年も前から僕の中ではきちんと確立されたモノだ。それが芸術なのか,ブンガクなのかはあまり気にならない。

マンガはマンガだからね。












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Last updated  2016.08.07 21:31:36
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