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2016.09.26
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カテゴリ:ばくばく冒険小説
直木賞受賞のメガヒットとなった和田竜の歴史冒険小説を読んだ。

○ストーリー
織田信長に攻められる本願寺は大阪にあった。周辺は包囲され,一向宗が頼るのは毛利家であり,また
難波の海の先に広がる瀬戸内海だった。毛利は瀬戸内海を支配する村上水軍の長を頼り,一方で織田は泉州の水軍に指令を下した。それぞれの家の命運を担い織田勢の木津砦攻めは始まる。だがそれは・・・?

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紹介が不要なほどの大人気となった小説で,しかも最近では珍しい歴史小説となっている。瀬戸内海の水軍,というよりあっさりと”海賊”と銘した陣営を設定し,しかもその娘で,身長6尺,男以上の蛮勇の女を主人公,しかもその敵は織田信長。どう考えても映像化を前提とした大エンターテイメント小説だ。

先にこれを読んだ友人たちも「のぼうの城」はともかく,これは突飛過ぎる,とあまり評価が高くない。では,前半の読後感はどうだったのか?

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面白かった。和田竜は歴史小説を書きながら,その時代の人々の生き様,現代人との生き様との差,そして主人公にそのどちらとも異なる第3の軸足を持ってくるのを得意としている。

そうした経験を踏まえると,我々にとって親しみのある戦国武将の生き様,そしてもちろんそれを読んでいる我々の肌感覚とは別に,今回繰り出してきたのが,自由・豪放・蛮勇という海賊という生き方であることは,和田竜作品のセオリー通りであると言える。

ただし,今回はそれに加えて主人公を女性にしてしまった。それは「異なる軸足」としては,勇み足なのではないだろうか?もう設定だけで充分,斬新さは感じるので,その上で戦国時代の作品の主人公が女性というのは,確かに突飛だ。

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では,読んでいて醒めてしまうかと言えば,そんなことはない。むしろ,これまでの和田竜の作品の中で,一番読んでいて盛り上がる。それは上巻と言えども,織田勢と大阪本願寺に立て籠もる一向宗の攻防戦をきちんと描いてくれているからだ。

「のぼうの城」「しのびの国」も第3の軸足を導入した歴史小説として楽しめたが,不満だったのは大掛かりな合戦が描かれなかったことだ。その不満はこの作品で・・・少なくとも上巻でも既に充分なほど・・・解消される。

主人公の景姫(きょうひめ)はさすがに参加しないものの,眞鍋七五三兵衛(まなべしめのひょうえ)を始めとする泉州の海賊たちが,海賊ゆえの蛮勇を発揮して,一向宗との戦で恐ろしいほどの戦いぶりを見せる。これは読んでいて本当に興奮する。

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また上巻の巻末には,信長勢にある大将が加わり,その破竹の勢いはひじょうに印象深い。たっぷりな分量を与えられて,和田竜が存分に筆を振るっている印象だ。

やり過ぎは毎回なことなので,このままのイキオイで下巻も楽しませてもらいたい。





歴史小説とはちょっと違う軸足だけどね。












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Last updated  2016.09.26 21:44:49
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