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2016.10.24
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カテゴリ:びしびし本格推理
「体育館の殺人」でデビューをし,本格派の伝統を(たぶん)継いでいる青崎有吾の連作短編集を読んだ。

○ストーリー
御殿場倒理と片無氷雨は2人で探偵事務所を営んでいる。彼らは2人で,事件の「How(どのように)」と「Why(なぜ)」を担当している。2人には大学の同級生だった警視庁捜査一課の刑事・穿地(うがち)と,今では殺人コンサルタントとなってしまった美影がいる。4人の運命は,絶妙に絡み合いつつ,新しいステージへと進む。

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「体育館の殺人」から始まるシリーズを読み,ひじょうに感心した青崎有吾だが,ここ最近,そのシリーズ外へと作品の幅を広げているのはとても良いことだと思う。

以前にも紹介した「アンデッドガール・マーダーファルス」は,ダークファンタジーの設定の中でのミステリーだった,そして今回の「ロッキンオン・ロックドドア」は,ライトノベル風でありながら,本格ミステリーのロジックで進むという展開だ。

〈How〉担当の不可能担当探偵,〈Why〉担当の不可解担当探偵のコンビとは,ありそうで無かった展開で面白い。

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表層的にはかなり浮ついた印象だが,このシリーズはしっかりとした本格ミステリーの要素を備えていると思う。たぶん多くの作家が目指したバランスの作風なのだろうが,2012年にデビューをした青崎有吾が,今のところ一番上手くそれをこなしていると思う。

今後が楽しみな作家だ。

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各編について簡単に感想を述べる。

「ノッキンオン・ロックドドア」:ベテラン画家が屋根裏のアトリエで殺されていた。その部屋のドアは,直前に施錠されていたのが確認され,犯行現場は密室として認定された。この謎を解くのはどちらだ?・・・特異なキャラクターを用いつつ,ひじょうにフェアな本格ミステリーを展開するのは,この作者の持ち味なのだろう。不可思議で不可能な状況を2人の探偵が協力して解決をしてくれる。

「髪の短くなった死体」:売れない劇団女優が稽古場兼物置の部屋で死体で発見された。2人の探偵は,次々に論理的な展開を行い,真実に迫ろうとするのだ?・・・ロジックの展開では他の短編よりも抜きん出ているレベルだと感じた。本格ミステリーというのはこういうものだという教科書的な内容でもある。

「ダイヤルWを廻せ!」:父親が遺したという金庫の開城を依頼され,探偵の2人はいつも通り自分たちの部屋にいるのだけれど,一方的に犯罪者〈M〉が彼らを襲おうとする。

「チープ・トリック」: 誰よりも命を守ろうとしていた資産家が狙撃をされた。部屋の状況から2人の探偵が類推したこととは?・・・ロジックだけで展開されたこれまでの短編とは異なり,季節感,地域なども感じさせる短編だ。ここでシリーズのラスボスが紹介される。

「いわゆるひとつの雪密室」:東北に出向いた探偵は,富豪の家族が住む家の中庭に,死体をみつけてしまった。だがそ夜半から降り始めた雪のおかげで,犯人は決定的だと思えた。だが真犯人として指摘されたのは?・・・場面設定は伝統的な本格ミステリー風だ。何度も試される解決案が楽しい。

「限りなく確実な毒殺」:党のエースである若手政治家が,パーティの最中に毒殺されてしまった。果たして真犯人は?・・・最後の最後でかなり脱力を生む内装仕上げとなっている。

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本格ミステリーとしての作風を持っている作者からの最新の作品だ。ぜひぜひ楽しもう。

オススメだ。




















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Last updated  2016.10.25 20:54:04
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