2300892 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

りぶらりだいあり

りぶらりだいあり

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

りぶらり

りぶらり

Category

Freepage List

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

必殺仕事人 なすび0901さん

The European region… 恵子421さん

読書とジャンプ むらきかずはさん
片手に吊革・片手に… もりのゆきさん
From おおさか mayu0208さん

Calendar

Comments

おきま@ Re:「PRIDE 池袋ウェストゲートパークX」石田衣良を読んだ(07/30) 約32年前に池袋のウェイターに騙されて風…
深青6205@ Re:「恩讐の鎮魂曲」中山七里を読んだ(08/16) こんにちは。御子柴シリーズはお気に入り…
りぶらり@ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) なすびさん,お久しぶりです。僕が本を買…
なすび0901@ Re:「我が家のヒミツ」奥田英朗を読んだ(06/18) 好きな作家の一人 図書館で借りないでア…
2017.02.22
XML
近未来警察小説〈機龍警察シリーズ〉の第5巻にして,初の短編集を読んだ。

〇ストーリー
警視庁特捜部の捜査班は,ウガンダ反政府軍の人物の内偵を続ける。だが武器調達のために来日したはずの彼は,新宿のホテルに宿をとり,義肢のメーカーを訪ねていた。内乱が続く本国で手足を失った人々のために義肢を調達しようとしているのか?だが特捜部突入班の姿は,この状況から恐ろしい推論を述べる。果たして,真相は?

------------

様々な場所に発表されてきた〈機龍警察〉の短編だが,めでたく他の作品と同じハヤカワミステリーワールドのハードカバーで出版された。

まだまだ刊行が数年先になる,文庫本で発表される,と心配されていたが,〈完全版〉のフォーマットで,しかも「未亡旅団」から1年を空けずに出版となった。

多くのファンがほっとしたことだろう。

------------

シリーズ作品の短編集は,主人公たちの日常を描く,過去を描く,いつもはあまり前面に出ないサブキャラクターの魅力を発掘する,などが多い。

どうしてもメインの長編では大きな事件が発生し,登場人物たちはそれに忙殺され,日常からは離れた時間を過ごすことになる。そこからこぼれ落ちた場面を取り上げる,というのがシリーズのスピンオフ的な短編集の役割だろう。

作者にとっては本編では描きたくても描き切れなかったシーンを残せる,ファンはキャラクターたちの日常や過去を覗き見ることが出来る。

まだまだ先が楽しみなシリーズが,また一歩前進した。

------------

各編について簡単に感想を述べる。

「火宅」:特捜部捜査主任・由紀谷警部補は,所轄時代に世話になった元上司を見舞いに行く。愚直ゆえに不遇な時代を過ごした上司は,働きが認められ,警視まで勤めたのちに,すい臓癌で療養をしていた。ベッドにそばには現役時代とよくにたデスクが再現されていたのだが?・・・由紀谷短編。装甲機兵なしの〈機龍警察〉だ。シリーズの設定は一部に取り込まれているが,一般的な警察小説として充分に成立する。月村了衛の実力が確認できる。

「焼相」:装甲機兵を着た2人の麻薬中毒犯罪者が,子供を人質に立て籠もり事件を起こし,警視庁特捜部に出動がかかった。次々と人質を手に掛ける犯人に対し,特捜部側も禁断の兵器の使用を決断する。・・・緑短編。シリーズ本編のミニ版という印象で,とくに光るものはない。鈴石緑技術主任のライザへの敵視はもうお腹一杯だ。

「輪廻」:ウガンダの反政府軍の者が,日本で武器の調達をしているらしい。だが特捜部が内偵を続ける人物は,戦闘や地雷で手足を失った人のための義肢のメーカーと接触を続けていた。彼は民心掌握を目的として,自国の者に義肢を提供しようとしているのか?由紀谷主任がたどり着いた真実とは?・・・由紀谷&姿短編。個人的には〈機龍警察〉らしいビターな味わいで好きだ。短編タイトルの意味が深い。

「済度」;アイルランド独立軍から離反し,世界中を逃げ回るライザ・ラードナーは,仕事の依頼主との待ち合わせ場所のベネズエラの港町で,人違いから命を狙われる。そこで彼女がとった意外な行動とは?そして彼女を待ち受けていたのは?・・・ライザ短編。他の短編がシリーズでも第3巻以降を描いていると思われるのに,この短編だけはシリーズ開始前の過去編となっている。「自爆条項」でも描かれなかった部分なので,ファンは必読だ。そして彼女がチームに参加した理由も明かされる。

「雪娘」:ロシア人武器密売人が殺され,養女が残された。ユーリ・オズノフは刑事捜査の通訳係としてそこに参加するが,彼はそこでモスクワで似たような事件を捜査したことを思い出す。・・・ユーリ短編。なんとも重苦しい短編だ。ライザも不器用だけれど,ユーリもかなりなものだ。

「沙弥」:下関の工業高校に通っていた由紀谷は,暴力で学校を支配していたが,同じような境遇の福本しか友人がいなかった。由紀谷の母親が自殺し,その49日に泊まり掛けで来てくれた叔父・岩井とともに,由紀谷は福本が殺された事件の真相に迫る。・・・由紀谷短編。シリーズ本編でも語られているが,捜査班主任の1人,由紀谷の高校時代は荒れていた。その頃,彼が事件に遭遇した過去編だ。由紀谷の短編多いな。

「勤行」:本庁への復帰に未練がある宮近理事官は,キャリア警察官としての職務と家庭の父親としての義務との板挟みになっていた。そんな中,国会答弁の資料作成を,警備部から押し付けられたのは,娘のピアノ発表会の前の日だった。だが,答弁の最中?・・・宮近短編。まさかこの人の短編があるとは思っていなかったが,結果的にはこうした人物にフォーカスできるのがスピンオフ短編の良さだと思った。キャリア理事官,装甲機兵の突入班,刑事たちの捜査班の微妙なバランスで構成されている特捜部だが,その良さが出ていたと思う。宮近の相棒の城木理事官は本当にいいヤツだ。

「化生」:大手企業との収賄で捜査を受けていた通産省官僚が自殺を遂げた。特捜部の懸命な捜査により,あるメーカーの技術者が自分の研究成果を他社に売り込もうとしていたことが分かる。その一部を知った途端,いつもは冷静な沖津部長が動揺を見せる。彼らが強引にメーカーから押収した研究試作品とは?・・・夏川短編か?短編集のラストは,今後のシリーズの未来を少しうかがわせる大サービス作品で終わっていた。しかし,沖津は誰から指令を受けているんだろう?











お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017.02.22 15:23:21
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.