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20世紀少年見てきました。
感想的なことズラズラと。 最近流行り気味っぽいマンガ原作の実写化作品。浦沢直樹原作のたいへん面白い(と個人的に思っている)作品。以下、ネタバレ含有の為お気をつけ下さい。 大学時代に原作は読んでいたのだけれども、二部に入った辺りの頃からとんと読まなくなってしまった為に凄くうろ覚えだったので、人物関係を復習しながら観ている感じでした。 ともかく堤幸彦監督作品ってことなので、ハナから主要人物らの背景が気になって仕方なかった(笑) 作品の流れとしては、「血の大みそか」でケンヂが行方不明になる所まで。冒頭で海ほたる刑務所にオッチョが収監されてる所から始まり、 同窓会→「ともだち」とその一派の存在→ドンキーの死の真相→ケンヂが指名手配されて地下に潜る→血の大みそか と概ね原作通りだったと思う。これに「よげんの書」の出来事が次々と起きていくのだけれども、随所に挿入される日付や、よげんの書の内容が何度か挿入される為、観ている側に時間軸の混乱を起こさないようにしているのかな、と思いました。 よげんの書の内容が自然と頭に残ってる感じ。 基本的には収監されてるオッチョが向かいの部屋に収監されている不幸な漫画家・角田(森山未來)に、ケンヂに関する一連の事件の真相を語る形になっている。 ここらへん原作だとどうなってたんだっけかな。思い出せない。 以下、キャラごとの感想。 ○ケンヂ○ なんかケンヂにしちゃカッコ良すぎって言うか、「唐沢寿明」って感じだっ(笑)「いらっしゃいませぇ、キングマートぇ、ようこそぅ」なんかまさに唐沢さんっぽいなぁと。ケンヂ達の中におけるリーダー、その行動力の演技は原作通りっぽくて良かった。少年時代の子役も上手。ロッカー時代のケンヂの姿もちゃんと唐沢氏が演じており、金髪でギター抱えた如何にもな80~90年代初頭の雰囲気が出ており、たいへん笑わせて頂きました。 原作のケンヂよりも二割増しくらいで感情的な表現が増してる印象。血まみれの男(遠藤憲一)からドンキーの死の真相を明かされた時や自宅のコンビニが燃やされた時は本当に悔しそうだったし、「お前しかいない 地球を救え」というドンキーからの手紙を見て決起するシーンなんかは素直にカッコ良かった。 ケンヂが指名手配されるまでの過程が大幅に端折られるので、その辺はちと描写不足かなとも…。 ラスト、ロボットの爆発に巻き込まれたケンヂですが、あの爆発の大きさだと周囲の皆まで巻き込んでると思う(爆心地から結構離れた距離にある都庁が崩壊するくらい)。少なくとも付近のビルの屋上に居たオッチョや、路上のユキジとモンちゃんは死んでるとしか思えない(笑) ○マルオ・ヨシツネ○ マルオ役はホンジャマカの石塚英彦氏が、ヨシツネは香川照之氏がそれぞれ演じてます。マルオはおおよそイメージ通りですが、ヨシツネは更にその上を行くイメージ合致。やや臆病で「普通さ」が漂うサラリーマンそのまんまで驚いた。大人になってもユキジへと想いを寄せ続けているのもしっかり描写されてて好印象。ヨシツネは個人的に好きなキャラなだけに嬉しい。あと、二部での彼ら二人はそれぞれキーパーソン(カンナと波春夫)に多く関わる筈なので今から楽しみ。 ○フクベエ○ うろ覚えながら出てきた順に。演じていたのは佐々木蔵之介さん。ネタバレすると彼が初代「ともだち」(ハットリくんのお面→ハットリ→服部→フクベ→フクベエ)な為か、フクベエとしての出番は割と少なめ。同窓会、地下での仲間達集結、年末のケンヂの隠れ家、血の大みそか当日と、本当にこれだけしか目立った出番が無い。演出なのかもしれないけど、佐々木さんは悪い奴を演じる際、自分の演技に何かしらの含みを持たせるので(という印象がある)、なんか怪しさ大爆発なんだよなぁ(笑)これが原作通りに内面歪み気味なフクベエだとするなら、続きがかなり楽しみです。ケーンーヂーくーん。 ○モンちゃん○ 演じるは宇梶剛士さん。うろ覚えなんだけど、タイムカプセル掘り起こした時点でもう不治の病に犯されてんだっけ?誰か教えて下さい。社会人ラグビーの設定は多分残ってると思うが、メインなアイデンティティはドイツ在住の方。事あるごとに「グーテンダーク」と挨拶してました。皆で昔のことを回想するシーンにはほぼ確実に居て、キーファクターを最初に思い出すことが多い人だった。確かモンちゃんもユキジが好きなんだよなぁ。それに関連した所が一カ所くらいしか無かったのが残念。 ○ケロヨン○ 演じるのは雨上がりの宮迫博之氏。同窓会しか出番が無い為に二部に期待します。気になったのは、ケンヂの召集を「無視した(原作)」のでなく、「ケンヂが気を遣い意図して声をかけなかった」ような感じになっていた所。ケロヨンが二部以降でどう関わって来るのかが気になる所だけど、下手するともう出て来ないかも…。だって二章の出演者欄に宮迫の名前無いし。 ○ヤマネ○ 演じるのは小日向文世さん。出張るのはやはり二部以降。 ○ドンキー○ 生瀬勝久さんが演じてたのですが、外見上で一番似てたように思えます。天パとか(笑)マイミクのシノ氏の言を借りるならば「ドンキーは回想で輝く男」で、まさしくそんな感じ。つーか似すぎてて困る。笑う。 ○ユキジ○ 演じるのは常盤貴子。確か常盤貴子が名前の由来になってるキャラが原作に居たような。ちょいと美人過ぎる気がしたけどまぁこんなもんかと。子供時代を演じてたのが松元環季=コハナだったのが印象深い。まさに力強さはユキジっぽいなー、と思いつつも、相棒のブルースリー(犬)共々、実はあんまり活躍してないような気がする。まぁ、原作でもカンナとの絡みが多いから出張るのは次回からでしょう。 ○オッチョ○ 一番遅くに合流するケンヂ一派のナンバー2。 妻子に関するネタと、登場までの「オッチョ=ともだち」疑惑はほぼ全スルー。ケンヂが仲間集めを決意してから最初のシーンがいきなりタイで(笑)、テロリストみたいな連中に捕まってる日本人を助ける為に単身アジトへ強襲を仕掛ける怪しい日本人としてアクションと共に登場。流石にスシ王子!の時みたいなコミカルさは無いものの、割とやりすぎな演出に笑ってしまった(カッコいいよだけどね)。堤監督ファンな自分は、やられてるタイ人テロリストの中にジャーミー君(TRICK)がいないか探してしまいました。 演じるのは豊川悦司。原作よりもワイルドな風貌で、浮浪者っぽさはかなり抜けていました。どうでも良いけどトヨエツのオッチョと佐々木蔵之介のフクベエが並ぶと女性の黄色い声が聞こえて来そうでした。 一部のオッチョのポジションはまさしくコンドルのジョー的なポジションなので、彼もまた二部で目立つようです。キャストクレジットが主演扱いだし。 と、ここまででケンヂの仲間を一通り書いてみて誰か足りないなぁと思ったら、コンチが居ない。「引っ越した友達」てのはサダキヨ(二章にてユースケ・サンタマリアが演じる)を指してんだろうし…確かに原作でも割と関連は薄いキャラだったけど、一切触れられてないのはどうなるんだろう。誰か情報下さい。 その他のキャラ 神様→この役者の方を自分は存じていませんでしたが、たいへん上手な印象。胡散臭さと温和さが同居する演技でした。 キリコ→ケンヂの姉。演じるのは黒木瞳。回想シーンのみの出演な為、多分二章以降にも出るっぽい。 万丈目先生→石橋蓮司がいわゆる傲岸不遜な役を演じるのを初めて見た。ビジュアルや台詞回しが相俟ってたいへん不気味。友民党のCMや存在が非常に公明党っぽいなぁと。あ、ちなみに自分は政教分離派なんで公明党や創価学会は消えれば良いと思ってます。悪しからずご了承下さい。 ロックバンド→及川のミッチーとナイトメアが歌ってた。ヒドい歌詞で笑ったw「みんな一緒にぃー♪手を取り合ぁってー♪」 エリカ→ケンヂの経営するコンビニ、キングマートの店員。池脇千鶴が演じていたんだけど、個人的には一番好きだ(笑)わざと滑舌悪くしてる所とか高ポイント。間違いなく堤演出なんだろうけど。 諸星→名前の由来がウルトラセブンな、キリコにプロポーズするも「ともだち」一派に殺されてしまう男(ちなみにキリコの方の由来は安楽死のプロなあの人)。ライゾウさんの大好きな津田寛治さんが演じてました。一緒に観ていたマイミクの小麦粉氏が気付かなかったのが意外だった。 ケンヂの母→名前忘れたけど、演じてたのが石井トミコさんだったのは覚えている(笑)この人のおばちゃんっぽさは大好きだ。「キングマートの時代が来たのよ!」とか。 血まみれの男→遠藤憲一さんは「20世紀少年――」といつものようにカッコ良くタイトルを予告編などで読み上げていたのにも関わらず、瀕死な人の役(笑)しかしこの人はやっぱ上手だなぁ、と思わせる演技ばかりでした。 「お前がケンヂか…」やドンキーの死の真相を告げる所などは非常に印象深いです。 ピエール一文字→「絶交」されて殺される宗教団体の教祖。演じるのは竹中直人氏。顔芸がもの凄い。なんでこの人はいつもこんな役ばっかりなんだろう(勿論良い意味で) 田村マサオ→ARATA氏が演じてました。純粋に不気味過ぎて怖かったです。彼の演技は「ワンダフルライフ」しか観たことがなかったのでもう尚更。宗教にハマってる人の気持ち悪さってこんな感じだよな、と思いました。 ヤン坊・マー坊→ ごく普通の佐野史郎さんでしたwと言うか、子役のデブい子が非常に憎たらしい感じで良かった。 カンナ→ 赤ちゃん→幼児→少女と劇中で成長しますが、赤ちゃんと幼児期の子役が蝶・可愛い。 と、大体印象に残ってるメンツはこんな所ですかね。敷島教授の娘はマンガの方が可愛かったと思います。やっぱナースにおさげは似合わねーよ、うん(オヤジの見解である) とにかく原作の再現度がすこぶる高い反面、ケンヂの同級生の藤井フミヤやフッくんなんかはあんまり似てなかったりとバランスは悪い。反面、ピンクの電話の竹内都子さんとか、ジジババの研ナオコ、チョーさんの竜雷太(最初はケイゾクを思い出しちゃったけど)とかは似すぎてて困った。 細菌で血を噴き出して死ぬ人ら(オリラジの二人が哀れ…)や、巨大ロボット、世界各国のロケハンの気合いの入りっぷりは特筆すべき点ではないかと。 近年のマンガ原作ものの中ではかなりのまとまり具合(ただ、原作読者には端折り具合が物凄いだろうけど)で、今から二章が楽しみです。小さい頃に「秘密基地」をやった人なんかは懐かしいんじゃないですかね。自分は駄菓子屋でガシャポンや当たり付きガムを買ったりラムネ飲んだりして育った世代なので、懐かしくてちょっと涙が出そうになりました。クレヨンしんちゃんの「オトナ帝国」におけるひろしの心情ですね。 堤監督は「TRICK」でさんざっぱらカルト宗教団体の描写をして来た経験もあるせいか、「多人数の狂気と暴力」の描写が非常に上手いと思う。 「ともだち」の一味がカンナを奪いにケンヂのコンビニを襲うシーンは本当に怖いし、それが失敗した責任を一人に負わせて油ぶっかけ→「お前責任取れよ、ともだちだからいいだろ?」→焼死させる、の流れはマジに恐ろしいと思いました。 さて、二章を観る前にマンキツで読み直して来ないと。 二章は来年ですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.10 08:53:48
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