カブトムシ

『カモカのおっちゃん　かく語りき』
昭和40年。
花岡家。
終戦直後からすみ始めた長屋です。（しみじみ）

橋。
池内センセ＆小川君＆健次郎。
池内センセと小川君がけんかの鎌足。
町子凸。
「やめなさい。”喝だ～！　喝！ジャジャン！”」（町子）
「あんた危ないやろ。女のくせに・・・」（健次郎）
健次郎が橋におでこごっちん。

「えらい目にあったんは僕です」（健次郎）
「人の手首ひねっといて。命より大事な右手なんです」（町子）
「命より大事なんもんがあるかい」
「あほ」

花岡家。
健次郎＆小川君凸。
「花岡さん料理うまい」（健次郎）
「花岡さんには小説の腕をあげてほしい」（小川）
「小説で女がそんなんうまなってもしゃあない。女のかわいげがなくなる」
「待ちなさいよ、おっさん。作家は命削って創作してるんです」
「命削ってせなあかん仕事はないの。ぼんくら」
「女のくせにとか・・・。進化してないんですか。恐竜と一緒に滅びなさい」
「だれが恐竜や。どこにしっぽついてんねん」
「逃げるんか。恐竜！」

徳永医院。
町子凸。町子が妊婦さんの出産騒動に巻き込まれる。
「ここで産むるもり？」（晴子）
「昔は家で産んだもんです」（イシ）
「あんた誰？」（晴子）
健次郎凸。赤ちゃん誕生。
「なんであんたが？」（健次郎）

徳永家＆町子で夕食。
「こんにちは、赤ちゃん♪」

徳永医院。
「ごめんなさい。『小説なんかなんぼのもんや思うてるでしょ？奥さんにも
そうやったんでしょ？奥さんつらい思いしてさみしく亡くなって・・・』
ごめんなさい」（町子）
「あほ。ぼくがしゅんとしてるとでも思った？（笑）」（健次郎）
「5人もかいらしい子供さんいてはって、残念やったやろうね。なんで神さん
時々ちっちゃい子供から親取り上げてしまうんやろうね」
「明日から看板挙げようかな。『産婦人科始めます』って」
「冷やし中華みたい」

花岡家。
「芋たこなんきん好きなんやね。ぼくの芋たこなんきんは飲んで食べて
しゃべることかな」（健次郎）
「私は飲んで食べて本読むこと」（町子）
「本はそこそこでええな」
「そこそことかいい加減なおっさんやな、そやけど。このカモカ」
「カモカ？鳥？」

デート。
「今度はどこに連れて行ってくれはるんですか？」（町子）
「ウチで食べませんか？」（健次郎）
「そないたびたび・・・」
「毎日ウチで。結婚しませんか？」
「結婚？結婚て男と女の結婚ですか？」
「他になんかありますか？」

花岡家。
「プロポーズされた」（町子）
「どういうこと？」（信夫）
「結婚申し込まれたってことやないかな」
「どうするの？」（和代）

花岡家。
健次郎凸。多くの取材凸。
「泥棒でも入った？」（健次郎）
「わたわたわた、もらもらもら・・・。篤田川賞もろた」（町子）

　ツァラトゥストラはかく語りき

　立喰師、かく語りき。

　筒井康隆かく語りき