藤井八冠が誕生する際の対局が名勝負だった話
藤井八冠、おめでとうございます。歴史に残る名勝負でした。驚異的なタイトル獲得ですごい…。今日はそんな対局を久々にリアタイで見た一個人の感想の話。ABEMAだと第71期 王座戦 五番勝負 第4局 永瀬拓矢王座 対 藤井聡太竜王・名人から見れます。(主催:日本経済新聞社、日本将棋連盟)終盤はお互い持ち時間1分の早指しの中での接戦だったように見えました。あの終盤で着実に詰みに向かって盤面を整理して、形勢逆転を見逃さず正しく寄せられるのが常軌を逸した上手さの秘訣なのかなと。加えて序盤はAI評価が良くなるように着実に盤面を良く進めていく所もすごい。まるでAI評価が頭の中で描かれているかのように…。見ていて勝負強さがとても光ってました。指し順だけでなくて、心理戦の方の「読み」にもすごく長けてるような感じがして、この辺りが他の追随を許さない強みに繋がっているのかなと。終盤に差し掛かる部分での龍の動きをはじめとして、上手く相手を翻弄していたように見えました。自分がああいう動きされて残り時間僅か、という状況だと確かに馬を前に進めて攻めてしまいそうな気がする。(盤面に駒が良い感じにバラけていると、どれがどう効いているか判断するの難しくなってきますよね…それ故に特に序盤~中盤は時間をかけて考えたくなる。)加えて終盤でのミスの少なさが突出している。勝負慣れしている感。※詳しくは110手付近の動きを見てもらえると。対局を見ていて終盤の動きでこれを思い出しました。動画では「囲碁AIの弱点」という形で紹介されてますが、AIは意図的な悪手を指されるとそれに対応するデータがない分、AIが最善手を取れなくなるんですよね。終盤で劣勢になった時にはこういう手を打って相手の出方を探るのは時間制限のある対人将棋でも有効手になるのかもしれないなぁと思いました。持ち時間管理って大事ですね。こんな読みができる域に生涯到達できる気がしないし、綿密に作戦を練って遂行できる永瀬プロもまた強いなと実感させられました。実際、ここまでの話をわかったとしてもどれが許せる悪手なのかを振り分けるのは至難の技。致命傷を背負わないようにしつつカウンターを決める1手を短時間で決めるのはプロの技だなぁと。この辺りは思い切りの良さも大事になってくるのかな。正確に読みつつ、30~40手先?で人間の限界を超えた辺りからはランダムに打つ(但し詰む箇所を避ける)みたいなロジックをするとAIを崩せるのかもしれない。AIが一般的な時間を消費して読めるのが現代だと大体30~40手?程度らしいのですが、その中でもスコアリングの高い手を優先的に使っていくロジックになっているので、スコアからは予想のつかない領域で戦われると現時点のAIを崩せるんじゃないかなと。この「スコアリングに逆らう」というところがかなりの勝負師でないとできなく、一般には指せない超越した対局になっているのかなと。昨今ではAIを活用した研究も盛んだと思うので、お互いAIを活用しながら研究を進めて、その理論をどう崩すか?という所に勝負の駆け引きがありそう。AIも弱点を補強していくと思います。(この辺り詳しい人いたら色々お話伺いたいですね。)余談ですが棋譜の著作権ってどうなってるんだろう?と思って調べたら、最近は結構明確に明示されてるんですね。棋譜利用のガイドライン(日本将棋連盟)この盤面がこうで~~と紹介したいところですが、自分が書いても浅はか理論になりそうなので控えておきます。(棋譜読んで理解できるか怪しいかもしれない。笑)一番最初に紹介したABEMAで解説みれるので、それ聞いた方が100倍勉強になりますので、そちらを見ていただけると…。(追記)youtubeにも解説あがってました。