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テーマ:国際恋愛(198)
カテゴリ:#2ブルー氏とのこと
さて、寅さんを観た後は、クッキングの時間です。
(元日デートは驚きの連続 その2 より つづき) でも、その前に、私はトイレへ。 そしたら疲れが出たのか、やたら眠い。 ん~、眠い!!! トイレを出ると、ブルー氏は早速キッチンで準備中。 しかし私は、あまりの眠さに、彼の後ろを通り抜けて、リビングのソファーへバタン。 「ごめん~、めっちゃ眠いよ~。5分だけ、寝かせて!」 「え~」 そして心地よいソファーで、クッションを抱えて横になりました。 ブルー氏はすぐそこのキッチンでゴソゴソ。 ドアはなく、つながった空間なので、彼の気配はわかります。 ああ、誰かがいるっていいなぁ。 ブルー氏は、手を止めて、キッチンから私の足側にあるリビングのライトを消しにきてくれました。 そして、 「Good Dreams…」 とささやいて、頭に軽くチュッ、としてキッチンに戻りました。 うん…ちょっとだけ…おやすみなさい。 と心の中で答えました。 ☆ ☆ ☆ そして、5分間の夢ごこちを楽しんで、う~ん、と背伸びをして、起き上がりました。 さあ、たこ焼きクッキングの時間です! たこ焼きの作り方は、たこ焼きフライパンの箱に日本語で印刷されてあるので、私が訳してシェフ・ブルー氏に伝えます。 でもそこで、ふたりともベーキングパウダーを買い忘れてた事に気づきました。 「う~ん、僕今から買ってこようかな。」 とブルー氏。 「え?めんどくさくない?それなしでやってみてもいいよ?」 「いや、買ってくるよ!」 と、ちゃっちゃか上着を着て出ていきました。 「行ってらっしゃ~い」 ほんと、マメだよな~。 ていうか、彼は、完璧主義なのかもしれないな~。 適当な私とは違うな、そこは。 ☆ ☆ ☆ そして無事ベーキングパウダーを買って戻ってきたブルー氏、料理再開。 「そういえば、トラサンの中で、おじさんが頭に布を巻いていたよね? あれは、何なの?」 「あれはね、はちまきって言って、労働する人が頭から顔に落ちてくる汗を取るために巻いてるのよ。バンダナみたいなもんね。」 「オー、バンダナね!!」 「そうだ、たこ焼き焼くんなら、はちまきすれば?」 と私がいらんことを言ったばっかりに、 「そうだね!!!」 と、またどっからか、日本的な模様がプリントされたタオルを出してきて、頭に巻きはじめました。 またそれが、芝居めいた感じで、ぎょうぎょうしく正座して窓の方に向かい、 「カミカゼ!」 と渋い顔を作っています。 (も~、ハイハイ) そのキャラのまま、ドン、ドン、と歩み、いさんだ感じでキッチンに立ちます。 だんだんわかってきた。この人、絶対子供っぽいとこあるわ。 「あら、そのタオル、かわいいね。(これほんと)」 「これは友達がくれたんだ。なぜか友達からのプレゼントはみんな日本ぽいものなんだよね。」 「もうみんなの中で、ブルー=日本、のイメージが定着してるんだろうね。」 「そうかもね~」 そうして彼は真剣に、たこ焼きフライパンにタネを流し入れようとしています。 「れいめい、どのくらいまで入れればいいって書いてある?」 「う~ん、それが書かれてないんだよねぇ…。いっぱい入れてもいいんじゃない?(テキトー)」 「う~ん、そうなの?」 そう言いながら、ブルー氏はひとつひとつの丸いちいさいくぼみに、タネを注いでいきます。 その作業のひとつひとつが、カミカゼたこ焼き隊の、決死の一撃です!!! めっちゃ真剣やん。 もうこれは、おまかせしておこうね。 しかし、男が真剣に料理をしている図というのは、なかなかええのう。 たとえそれがたこ焼きであろうがね。 「がんばって!たこやき屋さん!」 「オー!タコヤキヤサン!」 意味わかっとるんかいな。 そうして、ピカピカのコンロをタネでドロドロにしたものの、なんとか第一弾が焼き上がったのであります! 「ふう~~!! バンダナをしている訳がわかったよ!」 と、労働の汗にまみれたブルー氏。 「おつかれさまぁ!!おいしそうじゃん!!」 「ムム…でも美しくないね。」 ちょっと不満を残しつつ、棚から居酒屋風の長方形の皿を出す。 それにたこ焼きを並べて、ソース、あおのり、かつおぶし、ごまをどんどんふりかけて、完成!!! 「うわぁ~~!!!たこやきだぁ~!!」 (ちょっと大げさ目に言ってみた) 「フム…」 と、なかなか満足気なブルー氏。 でも、ほんとにおいしそうです! それをリビングのテーブルへ。 インスタントのお味噌汁も作ってくれました。 そして、長いグラスをふたつ。 ブルー氏自家製ビールの登場です。 「今日はね~、もう特別なの開けちゃう!」 と、スナックのマスターみたいなことを言っています。 スナック・ブルー とか、絶対日本にありそうやね。 私は超弱いから、普段お酒を飲まないのですが、さすがに自家製ともなると、ひとくちくらいは口をつけねば失礼じゃあありませんか。 (別に味がきらいなわけじゃないのよ。) だから、私のグラスにはちょこーーーっとだけ注いでもらって、あとはブルー氏のグラスへ。 「かんぱーーーい!!」 まずはビールをひとすすり。 わー、ビールだ。 実はそれ以上はわかりません。だって飲まないんだもん!でも、 「わー、おいしいよ!」 と言っておきました。 しかし、たこ焼きは、なかなかのものですぞ。あおのりの風味が素敵! あったかい部屋で、いい男と、たこ焼きと、ビール。 「あー、しあわせーーー!!」 「僕もーーー!!!」 ふたりでほくほくしながら、食べたのでした。 そして食べ足りないので、ブルー氏はもう一回たこやきを作りにいきます。 私は、リラックスして、おなかもほどよく、ほんのちょっとのビールのせいで、なんだかぽわーん。 床に座って、ソファーにもたれて、たこ焼きを焼くブルー氏を眺めています。 ブルー氏は、 「さっきより、うまく行きそう!!」 と、相変わらずはりきってる。 「うん、がんばってぇ~。」 たこやきが焼けるのを待っているブルー氏が、こっちを向いて話しかけます。 「大丈夫?」 「うん、でもちょっとだけ酔っぱらったかな?」 「ええっ!!??ひとくちしか飲んでないのに???」 「えーと、酔っぱらった、っていうより、えーと、ほろ酔い?」 「ああ、なるほど。」 ぽわーん。 そしたらブルー氏、こちらに来て、私の目の前にしゃがみました。 ぽわーん。 あれ?きたのね。 ぽわーん。 やさしい顔して、見てるのね。 ぽわーん。 あれ? と思ったら、 くちびるにやわらかい感触。 ほんの一瞬、 一瞬だけキスして、ブルー氏はまたたこ焼きを焼きに戻りました。 それはスローモーションのようでした。 ぽわーん。 あれ? 今の、なんだ? ぽわーん。 そのままぼんやりブルー氏を眺める私。 あら、いかん、私、酔っぱらってるわ。 キスされちゃった。 やわらかかったな…。 ブルー氏は、こちらを見ずに、たこ焼きを焼いています。 私、がんばって、ぽわーんから抜けようと、意識を動かします。 「うまく焼けてる?」 なんとなくはずかしかったから、そう言ってみました。 「うん、さっきよりはね。」 彼はこちらを向かずに答えます。 照明の下でもくもくとたこ焼きを焼く彼の顔は、コンロの熱であったかな色に見えました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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