『天地人』最終回(47)「愛を掲げよ」
愛。元和元年(1615年)、秋。米沢では治水工事や開墾のお陰で、収穫高が増えていた。景明は紅花作りを奨励しては? と。若い家臣らをまとめる景明。兼続、泉沢、甘糟らは年寄り衆扱い。。景勝も、すっかり白髪まじり。しかし、景明倒れる。養生しかないと。。お船と兼続は景明の枕元で。。景明は「お話が。。」と口を開く。。上杉を元の百万石にして父上を喜ばせたかったと。。いつかは私も父上のような紅葉の家臣になろうと。。「父上。。母上。。」景明は息を引き取った。。親に先立つ息子。。にわかには受け入れられぬ兼続とお船。。すべての子に先立たれた2人。。兼続は景勝に報告。。「惜しい息子を亡くしたの。。」「残念。。至極にございます。。」兼続が戻ると、お船は。。?かよが兼続を呼ぶ。「どうか奥方様を御労りくださいませ」と。。お船は気が抜けたようにかまどの前に。。景明の好物を。。「お梅も、お松も逝ってしまった。。 その上、景明まで。。」「景明は、この世の勤めを果たしたのだ」という兼続の言葉にも、「まだ何も果たしておりませぬ!」と。。先立った我が子を。。そして、お船も床につく。。直江家には泉沢久秀、甘糟景継が。。久秀も大坂の陣で息子を失っていた。 元和二年(1516年)。 駿府城。 死の病に着いた家康。 秀忠を呼び。。 「政宗はまだか?」 「兼続も呼べ」と。。 蔵にある書物を全てやるといって呼び寄せろと。。政宗は「死ぬと分かっているものは何をするかわからぬ。 言葉には気をつけろ」と兼続に忠告する。。いざ対面。。兼続には直江状の話を持ち出し、政宗には徳川に取り入りと。。「お主ら2人には、この場で誓ってもらいたい。 この後は、秀忠の指南役として、徳川に尽くすとな」秀吉が家康にさせたことと同じことを、死を前にした家康は。。「得意の愛と義を伝授せい!」と。。戦なき世には政の良き指針となろうからのぉ。。しかし、兼続はお教えすることは出来ませぬと。。志とは、お貸しできるものではございません。と。 米沢では景勝がお船を見舞っていた。 「たまには外に出ても良いのではないのか?」 「馬に乗るのもよいのではないか?」 景勝は、お船に元気を出してもらおうと、 おどけてまで見えた。 「そなたは変わらない。変わらず美しい」と。 「そのような、お戯れは、もっと若い女子に御申しください」 「いや、そなたが一番美しい」家康と兼続は。。「こうして差し向かうは、初めてかの?」秀忠に疎まれていると家康。。幼き頃より多くのものに裏切られてきた。故に、わしも多くの者を裏切ってきたと。。自らの人生を振り返り、兼続に問う家康。。しかし秀忠の冷たい目は、わしに問う。。父上の生涯は、一体何であったのかと。。家康にも笑顔で兼続は。。家康は兼続に、「わしが果たせなんだ父の役目、そなたが果たしてやってくれ。。」と手を突いて頼んだ。。 桜の頃。。 「秀忠、後は頼む。。」 徳川家康は、この世を去った。 享年75。米沢城。お船は江戸にいる景勝の嫡男・玉丸のお世話をと景勝に願い出る。米沢にいては悲しみが積もるばかり。。今一度、お家のためにと。そして政宗と兼続は江戸城の秀忠に対面。政宗と兼続は信長、秀吉、家康の話を。。そして中にはの縁側で茶を。。「伊達様は、遅れてきた天下人でございますな」と兼続。だが、その時は我が上杉がお相手しておりましたと。。そんなことを笑って話すようになった2人。。「山城守様!」そこに徳川の若い家臣が兼続に教えを請いにやってくる。あっという間に部屋はいっぱいになった。そこで兼続がしたのは。。信長の話。秀吉の話。関ヶ原の戦いになったときに、政宗が秀忠を連れて覗きに。。関ヶ原随一の名将は。。「なんといっても石田三成よ」と兼続。一同からは怒号が上がるが。。それを制して。。「あの者ほど、この世を思い案じていたものを知らぬ」と。。無二の友。。元和四年。兼続は私財を当時、米沢初の学問所を作った。そして、「これをもって、政からは身を引く」と久秀に。。桜井らも尋ねてくる。。そこに初音が。今生のお別れにと。。南蛮船に乗せてもらうことになりましたと。隠居を願い出たという兼続の元に、甘糟が怒りながらやってきた。しかし、兼続は江戸に行ったと。。そして玉丸に、「しばしの間にございます。どうかお船をお貸しくださいませ」と願い出た。兼続は、お船を誘って越後へと。母の墓参りをし。。ようようと山を登り。。2人で越後を一望。。そして。。「直江の家は、我らで終いじゃ。許してくれるか」と笑顔で。米沢に帰った兼続は、直江家断絶を景勝に。。笑っている兼続、お船に、何も言えぬ景勝。。「あれが成人するまでは、われも、まだ楽は出来ぬ」と景勝。そして景勝と兼続は。。景勝は密かに春日山の庵に似ているところを探し、ここに謙信公を祀ろうと。。景勝と兼続。。「お陰様で、ひと時も退屈するときのない一生にございました」元和五年。兼続60歳。紅葉。。「ひとつ、お側に参らせましょう」と、舞い落ちる紅葉をお船が捕らえ、振り返ると。。兼続は。。2009年大河ドラマ 『天地人』 最終回(第47回) 「愛を掲げよ」 ◆キャスト◆直江兼続 … 妻夫木聡上杉景勝 … 北村一輝竹松 … 加藤清史郎長尾喜平次 … 溝口琢矢お船の方 … 常盤貴子かよ … あき竹城初音 … 長澤まさみ泉沢久秀 … 東幹久甘糟景継 … パパイヤ鈴木石田三成 … 小栗旬伊達政宗 … 松田龍平北条氏政 … 伊吹吾郎徳川秀忠 … 中川晃教徳川家康 … 松方弘樹織田信長 … 吉川晃司羽柴秀吉 … 笹野高史 ◆スタッフ◆原作 … 火坂雅志『天地人』脚本 … 小松江里子チーフ・プロデュサー … 内藤愼介 →公式サイト(NHK)常に笑みを湛えながら語る直江兼続。。全ての人間の心を穏やかにする「愛」に満ちた人物・直江兼続。たとえ相手が3人の天下人であっても。。友・石田三成であっても。。それを描きたかったんだな。。あとは、お船と2人、歩んできた兼続。。最近、夫婦愛を描くことの意味が、なんとなくわかる様になってきた。。三十代半ばにして、やっと。。そして、唯一無二の景勝、兼続主従。。それぞれを、すべて振り返ったなと。。この期に及んで多くを語ることもなし。。大河ドラマの最終回というのは、<完> という印に過ぎないですからね。。一年間、描いてきたものを主人公と一緒に振り返るのが最終回。。これまで大河ドラマの最終回に、多くを望み、裏切られてきましたが。。そういうもんですからね。。やっと悟ったかな。。そんな大河ドラマの最終回としては、しっかりとした最終回でした。次は『坂の上の雲』。来年は『龍馬伝』。。楽天広場テーマ『龍馬伝』→人気blogランキング