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カテゴリ:百家相論A
だったら民進や共産は河野案を参考に国籍法改正案を出せ戸籍公開の意向を示したとされる7月4日の常任幹事会で挨拶する蓮舫氏(民進党サイトより)
蓮舫氏が日本国籍の選択宣言をした「証し」として、戸籍謄本を開示する姿勢を示してから、有◯芳生センセやら山◯二郎センセやら小田◯隆やら、毎度おなじみの左界隈が、「人種差別だ」とか「戸籍謄本開示を強制すれば民間人への悪影響を及ぼす」など、ずれまくった異論を唱えて辟易している。 えっ?人種差別?唖然とする左派の異論 二重国籍問題の勃発をお祭り騒ぎとばかりに乗ってきたネトウヨ連中の思惑は知らないが、初期から追及してきたメディアとしての意見をあらためて言っておく。現行の国籍法に基づけば四半世紀以上も国籍選択宣言をしていなかったのは明らかに違法状態だった。民間人なら、少しは大目に見てもいいだろうが、2004年の参院選出馬以降、事実に反する「帰化」という経歴を標榜していた。 さらに、政治家になる前にメディアへのインタビューで台湾籍を認識していたコメントを残しており、事実と異なる経歴を標榜したことが確信犯(=虚偽経歴)だった疑いがある。政治家としての遵法姿勢、適格性を問うているのであって、一説に50万人はいると言われる「民間人の」多重国籍の人たちを排斥するような意図など、毛頭ないし、一部の先鋭的な左派がいう「人種差別」「民族浄化」の意図など、そんな言説は失当を超えて、論理性を著しく欠いた頭の悪すぎる妄想としか言いようがない。 民主党時代に国籍選択制度の見直しを掲げていた実績 今回の問題は、国籍制度がただでさえややこしい上に、蓮舫氏のルーツである台湾と中国本土に対する日本政府の綱渡りの外交関係という複雑な政治事情が重なって、議論も事実関係の整理も非常に錯綜した(その節は、新聞各社が軒並み誤報した)。グローバル化が著しい21世紀にあって、日本の現行の国籍制度が対応しきれていない面も現実にあるわけだから、この件をくだらない不毛の左右対立の政争に矮小化せず、国会でこの問題を正面から討議し、合わせて国民的議論を徹底して、改正するのかしないのか、改正するならどこまでやるのかを決めればよい。ただそれだけだ。 民進党もリベラル政党を自認するのであれば、国籍法を改正する法案を秋の臨時国会で出せばよい。同調する共産党、社民党とそれこそ選挙ばりに「野党共闘」をして法案を作ればよいのだ。いまの民進党の政策サイトには見当たらないが、民主党時代の2009年の公約では、「法務」政策の一つとして「国籍選択制度の見直し」を掲げた実績もあるのだ。
実は自民党も検討した過去。「河野案」を参考にしてみては? ただ、これだけだと多重国籍をめぐる問題提起と見直しの基本理念を示しただけで、制度的にどういうものを構築していくのかが見えない。蓮舫氏の問題の時、ドタバタで見落としていたが、実は民進党が参考になるであろうフレームワークを、なんと自民党で過去に作ったことがあるのだ。 麻生政権時代の2008年秋、河野太郎衆議院議員を座長する国籍問題のプロジェクトチームが発足し、討議している。J-castニュースによると、当時大炎上したそうだが、河野さんのブログには、議論のたたき台として当時の座長私案が載っている。詳しくはリンク先を見て欲しいが、ポイントなる部分だけ引用する。
とした上で、レギュレーションは設けている。
と、きちんと役所に届け出ることを課している。そして、
と公人については規制を残している。外交官は現在も規定で多重国籍の禁止が明文化されているが、これにより、少なくとも多重国籍者が公務によってもう一方の国との利益相反はしないよう明確にルールは作ることができる(日本国籍の公務員で外国のスパイになって摘発された事例はあるので、あくまで形式にすぎないだろうが、そのことの議論は一旦脇に置く)。 国民に「選択肢」を示していただきたい もちろん河野案にも細かいところで欠陥はあるだろう。自民党は、その当時に河野案が炎上した経緯もあり、政権への逆風が強い中でコア支持層の保守的な人たちから反対の声が上がるような法案は、逆立ちしても出せまい。ならば民進党が責任を持ってお得意の野党共闘をしてでも対案を出すべきところではないか。維新が昨年に続いて国会議員の二重国籍を禁じる法案を再提出するなら、それも含めて、グローバル時代における国籍制度の実態との乖離があるのか、国際テロ時代に規制はするのか、しないのか?等を喧々諤々で議論し、国民世論も含めて方向性を決める。 もし臨時国会で否決されて廃案になるなら、次期衆院選の目玉公約にして多様性と社会的包摂を掲げて戦い、国民に「選択肢」として信を問えばいいではないか。まあ、私は票は入れないと思うが、二郎センセイあたりは熱烈に支持してくれるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年07月13日 15時44分07秒
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