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話題の資料 「国民の三大義務の見直し」に、ざっと目を通してみた。
部分的には面白い部分も含んでいない訳ではないが……ちょっとこれは、どうかと思わざるを得ない。 典型的と思われる納税の権利の件を取り上げてみよう。 この文書では、それに付随して何何も権利となるという項目を並べるばかりで、それと引き換えに何を制限すべきと考えるかの部分が丸っきり抜けているのである。 ロバート・A・ハインラインの「宇宙の戦士」(映画「Starship troopers」の原作とされている作品……だが、あんな下らない映画とは丸っきり異なる作品なので混同されぬよう!)に描かれている世界では、兵役は義務ではない。そして参政権も自動的に得られる権利ではない。兵役は参政権を得るために行使することが認められている権利である(当然主人公の一家のように、政治なんか参加する必要はないと考え、兵役を毛嫌いする人もいる(まあ軍出身のハインラインらしく、最後はその父親も考えを改めるのだが))。ハインラインはこの作品中で、無制限に権利が与えられることを批判し、主体的に権利を行使してこそ権利を行使する権利が得られるという趣旨のことを述べていたように記憶している(念のため述べておくが、この作品は私がここで述べたような(^^;底の浅いものではない。随分前によんだっきりで、書いていて自分でも「それは違う」と歯痒い限りであるのだが、敢えて残してみた。ご批判を仰ぎ必要なら修正を行う)。 その観点からすれば、
というのを前面に出すのはむしろ望ましいことのようにも思える。 しかしそう打ち上げておいたからには、その権利を行使しないことで何か制限が生じねばならない。 文章を素直に読めば、納税せねば主権者であることを放棄することになる訳だ。ここからは、非納税者は最低限被選挙権は当然、選挙権も失うのだろうことが推察される。 かつてビートたけしが「馬鹿な女子大生のねーちゃん」(不確)と高額納税者の自分が同じ一票というのは納得出来ないと言っていたが、そういうことを「市民」の側から言ってくるとは! 「市民」は「普通選挙マンセー」なんだと思ってたよ。 それは良いのだが、今現在、納税しつつこの権利を行使していない人が既に多数に上っている。その人たちに、納税せねばこの権利を失うとしたところで、単に納税者が減るだけの結果に終わるだろう。当然納税により他のメリットが得られることと同時に、非納税者はそれらが一切得られないことにを明らかにせねば納得させられるはずもない。だが、それでいいのか? そして、その時点で弱者救済だなんだと納税者の金を非納税者に注ぎ込む政策が認められると思うなよ、である。本当にそれでいいのか? そういう点をきちんと盛り込むこともせず、権利だけを無制限に並べ立てるやり方は、ある意味悪徳商法のやり方にも似て、非常に不誠実である。 ちなみにこの文書は
とありますので、エイプリルフール文書ではないと思います(^^)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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