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2019年05月11日
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カテゴリ:初音ミク龍騎
初音ライダー龍騎
第6話
「Must fight!」
 
リンが「木野病院」に運ばれることになり、ミク、レン、MEIKO、KAITOら家族全員が付き添った。MEIKO、ミク、レンは待合所で待機、KAITOのみ医者の説明を受けた。そしてたった今、KAITOが医務室から出てきた。
MEIKO「・・・どうだった?」
最初に口を開いたのはMEIKOだった。
KAITO「・・・体内に見たこともない物質が入ってる。それが体の中に寄生して神経系に食い込んで侵食してるらしい。根も性質も分からない以上外科手術では取り除けない。生命維持装置を付けて生き繋いでるのがやっと、だって・・・」
MEIKO「・・・そんな・・・」
MEIKOはKAITOの説明を受けて愕然とする。ミクとレンも同様だ。
レン「・・・こんな短時間で侵食すんのかよ。」
ミクとレンはもちろん心当たりがある。リンがボルキャンサーに襲われた際に傷を負い、その傷口から粒子のようなものが入っていった。ミラーワールドはミラーモンスター以外の生物を中に入れるとしばらくして消滅させてしまう。その性質の一部がリンの体の中に入ったと考えている。
ミク「・・・じゃあ、このままだと・・・」
リンは死んでしまうんじゃないか、と言おうとしたが口篭った。確証もない発言でこれ以上皆を不安にさせるわけにはいかないし、当然、リンに死んでほしいと思うわけがない。
MEIKO「・・・あんたたち、もうあの仮面ライダーのゲーム止めなさい。」
MEIKOはミクとレンに仮面ライダーから降りるよう促す。
MEIKO「あのゲームのせいでリンがああなったんでしょ?そんな危険なゲーム、止めるのが当たり前じゃない。あんたたちまで同じ目にあうことないのよ。」
MEIKOの言い分は至極もっともだ。だがミクとレンはカードデッキを手にしてモンスターと契約した今、それを破棄することはモンスターに食われることになる。詳しい意味は分からないが、カードを手放すことはできない。そしてそれを説明する手立てもない。
レン「・・・落とし前着けてくる。」
KAITO「落とし前?」
レン「ああ。リンをあんなにした犯人はもう分かってんだ」
レンの表情には憤怒が溢れている。どうしても今回の件に決着をつけるつもりだ。
MEIKO「止めなさい!リンの二の舞になりたいの!?」
レン「これだけは止める気ねぇよ。ああミク姉、ちょっとオレに付き合ってよ。」
ミク「へ!?ちょっとレン君!」
レンはMEIKOの制止を振り切り、強引にミクの手を引いて病院を出ていった。
 
ミク「レン君。付き合ってって、何・・・?」
レン「変な勘違いすんなよ。これからリンの仇討ちに行くから、ミク姉にも手伝ってほしいんだ。」
ミクが胸を抑えて聞くのを見て、レンは勘違いでもしたのでは、と思い自分の目的を話した。
レン「確かシザースって言ったな。あのオレンジのライダー。そいつをムッコロ・・・じゃねえ、ブッ殺しにいくんだ。」
レンは途中で噛んだ台詞を訂正する。その表情には憤怒が溢れている。どうやら本気でシザースを殺すつもりのようだ。
ミク「ブッ殺すって、そんな物騒なこと・・・それより、あのライダーが誰か分かってるの?」
レン「ああ。あいつが変身するとこ見てたからな。」
レンはその言葉通り、シザースが変身するところを見ていた。
 
MEIKOは病院から出て外の空気を吸っていた。すると病院のガラスに一つの妙な影が写った。
MEIKO「何っ!?誰!?」
?「妹を助けたくないのか?」
影はMEIKOに問う。
MIEKO「・・・何言ってるの?」
MEIKOは疑いながらも聞き返す。
?「戦いに勝ち残れば、お前の望むものは何でも手に入る。金も、命も、思うがままだ。」
MEIKO「戦い・・・?」
影はさらに話を続ける。そしてガラスの中から、カードデッキらしき物が出てきた・・・
 
?「・・・飽きた・・・」
亜北ネルは海沿いに建つ建物の近くでメタリックオレンジの艶を出す携帯電話で楽な儲け口を探しながらぼやいていた。婦警の格好をしているが警官は本職ではなく、単にその格好をして良からぬ事を考えているだけだ。そこにミクとレンが近寄ってきた。
レン「お前だろ、仮面ライダーシザースは!」
ミク「へっ!?」
ミクは驚いた。ネルは以前まで「クりプトン」に所属していたからだ。そしてそのネルがシザースとなり、リンとレンを襲い、2人を殺そうとまでしてきたとは思いもよらなった。
ネル「・・・仮面ライダー?何のこと?」
レン「とぼけんな!見てたんだ!お前が変身するとこを!」
ネルは白を切ろうとするが、レンはネルがシザースに変身するところを目撃したと言って突きつける。
ネル「ちっ・・・まさか見られてたなんてね。」
ネルは誤魔化せないと判断し、素性を口外した。
ミク「じゃあ、本当にあなたがリンちゃんを襲ったの?」
ネル「ああ!私が勝ち残るためにね!」
ミク「っ!・・・何でそんな事・・・」
ネル「言ったろ?勝って金を手に入れるためって!そのためにはモンスターに餌をやって、強くしなきゃならないからね!」
レン「・・・ブッ殺す!」
ネルは高慢そうに自分の目的を語る。ミクは驚愕するが、レンは激怒し、カードデッキを取り出す。元々レンの心中では既にシザース=ネルを殺すことは決定事項だった。
ミク「レン君!?」
レン「こいつの話聞いてたろ、ミク姉?こいつがリンを襲って、病院送りにしやがったんだ!それから今度は、偽警官のカッコなんかして振り込め詐欺でも企んでる!」
レンは憤怒を露にしてネルを睨む。台詞の後半部分はレンの勝手な言いがかりだが、ネルは否定しない、というよりできない。それとほぼ同じことを考えていたからだ。
ネル「・・・じゃあアンタは病院と言わず、モンスターの腹に送ってやるよ!」
ネルは蟹のレリーフが入ったカードデッキを取り出して建物のガラスにかざし、Vバックルを呼び出す。
ネル「変身!」 レン「変身!」
ネルとレンは互いに変身ポーズを取った後、カードデッキをVバックルにセットした。そしてレンにはナイト、ネルにはシザースの姿がオーバーラップされ、2人は各々のライダーに変身した。
ミク「・・・」
ミクはミラーワールドに入っていく2人を黙って見ていた。
 
ミラーワールドに入り、ライドシューターから降りたナイトとシザースは早速互いにカードデッキからカードを取り出し、カードリーダーにセットした。
「SWORD VENT」 「STRIKE VENT」
最初に押し始めたのはナイト。ダークバイザーとウィングランサーの二刀流でシザースを攻め立てる。だがシザースも負けじと攻勢に転じる。シザースは右腕に装備したシザースクローでダークバイザーを受け止め、その隙に乗じてナイトの右腕を蹴ってウィングランサーを弾き飛ばした。さらにシザースは追い打ちをかける。シザースクローでそのままナイトのマスクを掴み、ナイト=レンの頭をマスクごと潰そうとする。
レン「っ・・・!」
ナイトは呻きつつ、カードデッキからカードを取り出し、ダークバイザーにセットする。
「NASTY VENT」
ダークウィングの超音波でシザースは怯んだ。ナイトはその隙を突いてウィングランサーを拾い、シザースのカードデッキを斬りつける。シザースはよろけたが、すぐに体制を立て直してカードデッキからカードを出す。
「FINAL VENT」
音声と共にボルキャンサーが出てきた。それを見て、ナイトも「FINAL VENT」を使う。
「FINAL VENT」
ナイトはウィングランサーを持ってダークウィングと共に跳躍し、空中で黒いドリルのようになって急降下する。一方シザースは、ボルキャンサーにバレーボールのようにトスされ、体を丸め回転してナイトに体当たりする。そして両者は互いの必殺技を持って激突し、衝撃波を起こした。
レン「ぐっ!・・・」 ネル「うっ・・・」
ナイトはうつ伏せに、シザースは仰向けに倒れる。シザースは立ち上がろうとしたが、その時、シザースのカードデッキが砕け散った。
ネル「何っ!?」
シザースは驚愕する。体から力が抜けていき、シザースのライダーアーマーが消え、変身前の亜北ネルの姿に戻った。途端、ネルの後ろからボルキャンサーが契約破棄とばかりにネルに襲いかかった。
ネル「嘘!?契約は?」
ネルはボルキャンサーに体を掴まれ、右腕から食われた。
ネル「ぎゃあああああああああああああ!!!」
ネルは残った左腕でボルキャンサーを押しのけようとするが、口元に近づけ過ぎたため左腕も立て続けに食われた。ネルは両腕を失い、体は依然ボルキャンサーに捕まれもがいているが、もはや完全に袋の鼠だ。
ネル「ひ・・・」
ネルは断末魔をあげることができなかった。あげようとした瞬間、ボルキャンサーに頭を食われ、次の瞬間には視界はボルキャンサーの口の中だった。
ナイトは一瞬、あまりの惨さに目を逸していた。ボルキャンサーはネルを食った後、ナイトに狙いを定めて襲いかかる。ナイトは応戦しようとするが、足が竦んで上手く動かない。そんなときにボルキャンサーのタックルを喰らい、ナイトは派手に飛ばされた。
レン「うっ・・・」
ナイトは地面に倒れ込む。ボルキャンサーは倒れたナイトに襲いかかるが、突如乱入した龍騎のドラグセイバーにより、再生したばかりの左腕を再び斬り落とされた。
レン「ミク姉!?」
ミク「やっぱり見てられない。人がモンスターに食べられるとこなんて・・・」
ミクは先ネルがボルキャンサーに食われるところを鏡越しに見ていた。そして龍騎となり、ミラーワールドへと入って来た。龍騎はカードデッキからカードを抜き、ドラグバイザーにセットする。
「FINAL VENT」
龍騎はドラグレッダーと共に跳び上がり、空中で一回転した後、ドラグレッダーのブレスに乗り、ボルキャンサー目掛けてライダーキックを放つ。ボルキャンサーは炎を纏った龍騎のキックを受け爆破、消滅した。そしてその中から金色に輝くエネルギー体が出てきた。ドラグレッダーはそれを食おうとする。
ミク「・・・こら!止めなさい!」
龍騎はドラグレッダーを制止する。龍騎は先にネルが食われるところを見て、モンスターがものを食うところを快く思うことができなかった。エネルギー体も例外ではない。
レン「・・・じゃあオレがもらった。」
ナイトはダークウィングを呼び出し、エネルギー体を食わせる。そしてその後、龍騎に斬りかかった。
ミク「痛ッ!?・・・レン君、何するの!?」
レン「あの話聞いたよな、ミク姉?ライダーは最後の1人になるまで戦え。勝ち残ったライダーには望みのものが何でも手に入る、って。」
斬撃を受けてよろける龍騎はナイトの話を聞き、謎の影が言っていた事を思い出す。
レン「相手がミク姉でも関係ない!オレは絶対生き残って、リンを助ける!!」
ミク「・・・レン君・・・」
ナイトは激昂に身を任せ、再び龍騎に斬りかかる。
 
亜北ネル/仮面ライダーシザース 脱落
 
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最終更新日  2019年05月11日 22時41分54秒
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