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カテゴリ:初音ミク龍騎
初音ライダー龍騎 第14話 「Be cruel」 夕飯中、ミクは先の戦闘のことを未だに驚いていた。仮面ライダー王蛇に変身した巡音ルカ。またしても自分の知っている人がライダーとなっていた。だが、驚いたのはそれよりも別の話。王蛇=ルカが極めて楽しそうに人を殺していたことだった。 ミク『ルカさん・・・あんな人じゃなかったのに・・・』 何故ああもたやすく、そして楽しそうに人を殺せるのだろう。少なくともミクの見てきたルカはそんな人ではなかった。ミクは考えれば考える程、食が進まなかった。 KAITO「どうした、ミク?あんまり食ってないけど。」 事を知らないKAITOがミクを心配して聞く。だが、ミクは事を話せない。 MEIKO「・・・」 レン「・・・」 MEIKOは黙って食事を続ける。彼女もルカ=王蛇のことは引っかかるが、1番気になるのは、何故ルカがライダーになったのか、だった。 一方、レンも姉達と同じく、王蛇のことが頭から離れなかった。だが、彼が考えているのは、王蛇=ルカのように非情になるにはどうすればいいか、だった。 3人は各々同じようで違うことを考えつつ、食事を進めた。 その夜、MEIKOはシャワーを浴びながら考え事をしていた。 MEIKO『・・・何なんだろう・・・』 考えれば考える程、MEIKOの頭の中からは多数の疑問が生まれてきた。どうすればリンを助けられるのか?仮面ライダーとは何か?何故自分たちがライダーに選ばれたのか?そもそもミラーワールドとは何か?どうやって生まれたのか?色々考えたが、どれもイマイチ答えが出ない。 MEIKO『・・・もっとオーディンに近づけば・・・』 MEIKOは自分にカードデッキを渡した人物・オーディンと関連のありそうなものを何らかで調べようと考えた。 後日、「ボカロ荘」は留守となった。KAITOは「クりプトン」へ仕事に、MEIKOは図書館で調べものに、ミクはリンの見舞いに、そしてレンはルカが経営するレコード会社「JTC」のオフィスを訪ねた。 「JTC」。巡音ルカが社長を務めるその会社はミクたちが所属する「クりプトン」を親会社に持つ会社であり、社長であるルカ自身もまた、「クりプトン」に所属するボーカロイドの1人だ。 レンはその「JTC」を訪ねてみた。だが、アポや連絡を入れていなかったためか、受付嬢はまともに取り合ってくれない。 受付「あら坊や。どしたの?迷子?」 子供扱いされてイラっとくるレンの向こうから、ピンクの長髪を持つレディススーツの女性が現れる。「JTC」社長・巡音ルカだ。 ルカ「どうしました?」 受付「子供が社長に合わせろ、と・・・」 ルカは受付の話を聞き追い返そうと思ったが、レンの姿を見て気が変わり、彼を部屋に案内するよう命令する。 ルカ「・・・部屋に通しなさい。」 受付はレンを社長室に入れ、ルカとレンは向かい合ってソファに腰かける。 レン「・・・あんたに教わりたいことがあるんだ。」 ルカ「面白い子ね。敵である私に教えを請うなんて。」 ルカは手を組んで、レンの申し出を鼻で笑う。だが否定はしない。 レン「・・・どうすれば、あんたみたいに非情になれる?」 ルカ「非情?」 レン「勝ち残るためには、非情に徹しないとダメだ。それで、あんたに聞こうと思ったんだ。」 レンはどうしてもライダーバトルに勝ち残りたいと思う。そのためには苦悩していてはダメだ。それで非情に徹しようと言う。ルカはそれを聞き、成程と理解した。 ルカ「簡単なこと。自分のことだけ考えていればいい。」 レン「自分のことだけ・・・?」 ルカ「そう。自分のことだけ考えていれば、自然と他のことは頭に入らなくなるでしょう。」 ルカの言葉はレンを揺さぶる。 ルカ「・・・中で実践してみましょうか。」 ルカとレンはソファから立ち上がり、社長室の鏡にカードデッキをかざし、Vバックルを呼び出す。 ルカ「変身!」 レン「変身!」 2人はポーズを取った後、Vバックルにカードデッキをセットする。そしてルカは王蛇に、レンはナイトに変身して、ミラーワールドへ入っていった。 一方、リンの見舞いに来ていたミクは、リンの容態を見て思いつめていた。リンの身体は現状維持以上のことはできないと言われており、回復の兆しは見受けられない。 ミク「リンちゃん・・・」 ミクはリンを助けられなかった事をずっと後悔していた。あのとき、何故自分もリンとレンに付いていなかったのだろう。そうすれば今のようにリンが意識不明で寝込むことはなく、今までどおりの楽しい家族でいられたのでは、そう思っていた。 そんなとき、ミラーワールドから妙な気配を感じた。ミクは早速、カードデッキを取り出してガラスにかざし、Vバックルを呼び出す。 ミク「変身!」 ミクはポーズを取った後、Vバックルにカードをセットして、龍騎に変身する。 ミク「よし!」 龍騎は気合を入れ、ミラーワールドへ入った。 ミラーワールドの「JTC」オフィスのあるビルの下では、王蛇とナイトがいた。ライドシューターから下りた龍騎は2人に目を向ける。 ミク「レン君!それに・・・」 レン「ミク姉・・・」 ルカ「あら、ミクちゃん。ごきげんよう。」 ナイトは龍騎を睨む。その目つきは今までとは違う、非情に徹しようとする目だ。龍騎はマスク越しに分かった。 ルカ「丁度いい。早速戦って見ましょうか。」 レン「・・・ああ。」 王蛇はナイトに「非情になる」ことを前提に戦いを促す。ナイトはそれを聞き入れダークバイザーを構える。龍騎は問いかける。 ミク「・・・レン君?」 レン「こっからは容赦しねえ。殺す気で行くぜ!」 ミク「・・・!」 ナイトは龍騎に斬りかかる。同時に王蛇も、龍騎に攻撃を仕掛ける。龍騎は2人のライダーを同時に相手しなければならなくなった。 その頃、MEIKOは市立図書館で調べものをしていた。調べるのはまず、鏡についてだった。そして最初に目を引いたのは「合わせ鏡」の項。合わせ鏡の像は無限に続いていると評される。合わせ鏡を作って呪文を唱えれば悪魔が現れる、過去や未来が見えるといった都市伝説があるという。 MEIKO『・・・成程。』 MEIKOは合わせ鏡の作り出す無限の像がミラーワールドを作り出したのでは、と推測した。だが、何故そうなったのかが分からない。そしてミラーモンスターの存在等、分からないことは次々に出てくる。MEIKOはさらに調べていく・・・ 一方、龍騎はドラグセイバーを手にしてナイトに振るうが、ナイトは距離を取って回避し、その後すかさず龍騎に斬撃を叩き込む。よろける龍騎はさらにそこから王蛇の蹴りを受けてしまう。その後は王蛇に剣を振りかざすが、王蛇は軽く上体を捻って回避する。その後、回し蹴りのカウンターを入れてくる。 ミク「う・・・」 龍騎はたまらず膝を付いた。2対1という数的不利もあるが、ナイトと王蛇のヒット&アウェイによる連続攻撃の前に自分の攻撃が当たらないのが苦しい。即席のため決して連携がとれていることはないが、攻めては退き、退いては攻めの連続で龍騎が一方的にダメージを蓄積していく。 そんな最中、突然ミラーモンスターが吠えて現れ、龍騎の背後から襲ってきた。猪型モンスター・ワイルドボーダーだ。龍騎は弾き飛ばされ、ワイルドボーダーはその勢いでそのまま続けて王蛇に突進していく。王蛇はこの突進を受け止め、横に払って流した。 ルカ「あら、こちらの方が楽しめそう・・・」 王蛇はワイルドボーダーの方へ向かう。ワイルドボーダーは再び王蛇に向けて突進していく。だが、王蛇は軽く回避し、その直後、ワイルドボーダーに蹴りを入れる。ワイルドボーダーは蹴り飛ばされて尚、王蛇に向かって突進していく。王蛇はその度に回避して背中に蹴りを入れるのだが、ワイルドボーダーが一途に突進してくるその姿に、王蛇は退屈と苛立ちを感じてきた。 ルカ「・・・芸がないな。」 王蛇は呆れてベノバイザーにカードをセットした。 「SWORD VENT」 王蛇はベノサーベルを振るい、ワイルドボーダーに猛攻し、追い詰めていく。その圧倒的な力の前に、ワイルドボーダーはただ押されるだけだった。そして王蛇は倒れたワイルドボーダーをゴリ押しで踏みつける。 ワイルドボーダーはそれを振り払おうとするが、王蛇はビクともしない。王蛇はそこからさらにベノサーベルでワイルドボーダーを何度も暴力的に叩きつけていく。 ルカ「ふん、楽しませてくれると思えば・・・」 王蛇はベノサーベルをワイルドボーダーに突き刺す。ワイルドボーダーは灰化、消滅した。 一方、龍騎はナイトに押されていく。「非情に徹する」。その言葉がレン=ナイトを突き動かしていた。ナイトはウィングランサーとダークバイザーの二刀流で龍騎に猛攻を加える。 ミク「うっ・・・」 龍騎はその場に青天に倒れ伏した。ナイトはそこから追撃せんとカードを取り出し、ダークバイザーにセットする。 レン「・・・これで終わりだ!」 「FINAL VENT」 ナイトは上空から斬撃のドリルを纏い、龍騎に向けて急降下していく・・・ CONTINUE THE NEXT TUNE
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最終更新日
2019年05月18日 19時37分29秒
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