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カテゴリ:初音ミク龍騎
初音ライダー龍騎 第17話 「Clown Verde」 ミク、MEIKO、ANNの3人は記憶喪失になったレンを連れて「ボカロ荘」に戻ってきた。 ミク「レン君、ホントに何も覚えてない?」 レン「・・・言ったろ?全然覚えてないんだよ。あんたの事も、この家の事も・・・」 レンは完全に記憶喪失となっている。辛うじて鏡音レンという名前のみは覚えているが、他のことは全て飛んでいる。 KAITO「まいったな・・・それじゃリンの事も覚えてないよな?」 レン「誰だ?リンって・・・」 ANN「Um, he likes to amnesia.」 MEIKO「・・・とりあえず、夕飯にしましょう。レンの件はちょっと置いといて。」 聞き返すレンの事は一時置き、4人は夕飯の支度を始める。 夕飯の後、レンは自分の部屋でベッドに入った。部屋には専用のPCやゲーム機、ロードローラーの模型、バナナ型のクッション等、自分の趣味一式が置いてあるのだが、記憶のないレンには何がなにやら分からない。そして1番気がかりなのはリビングにあった写真。写っているのはKAITO、MEIKO、ミク、レン、そしてレンに良く似た容姿の少女。それが自分の何なのかも、今のレンは分からなかった。 レンは朝10時半頃に部屋から出てきた。 ANN「Good morning!」 KAITO「おはよう。どうだ?記憶は」 レン「いや、全然何も。」 ANNとKAITOがレンに挨拶する。レンが「ボカロ荘」に帰ってきてから10日が経つが、レンの記憶は戻っていなかった。ミクたちは当然心配するが、そんなとき、MEIKOの持つワイルドグリーンの携帯に着信が鳴った。 MEIKO「はい。」 Miki「あ、MEIKO先輩?Mikiです。調べものの件で聞きたいことあるから、こっちに来てくれませんか?」 MEIKO「分かった。これから行くわ。」 MEIKOは携帯を切って置き、外出の準備をする。 ミク「お姉ちゃん、これからどっか行くの?」 MEIKO「ああ、ちょっとMikiちゃんのとこにね」 ANN「I want to go shopping with Miku & Meiko. OK?」 MEIKO「・・・これから用事なんだけど・・・」 ANN「Let's go!Meiko!」 MEIKO「・・・分かった。じゃあMikiちゃんに連絡入れとかないとね。」 MEIKOはANNの強引な誘いを断り切れず、Mikiに電子メールを送り、買い物に動向することになった。 その頃、巡音ルカは自宅のマンションでキザなメイクアップアーティスト「風」にメイクを頼んでいた。そして今、そのメイクアップが終わった。 ルカ「・・・大したものですね。雑誌に違わない」 ルカは手鏡を見てメイクされた自分に満足し、「風」を誉める。 風「恐縮です。しかし、本当に隙の無い美しさをお持ちだ。まるで散ることなく咲き誇る…ええと…」 助手「桜!」 風「そう!それです!」 少しの沈黙の後、「風」が言い損ねた締めくくりを助手の少女がフォローする。ルカのピンクの髪を桜に例えた決め台詞だ。 ルカ「ふふっ。助手の方が口がお上手のようですね。」 ルカは助手の口先を賞賛する。「風」と助手は道具を片付け、恐縮してルカの部屋を出ていった。ルカは彼らを見送った後、王蛇のカードデッキを手にして独り言を呟く。 ルカ「・・・綺麗なドレスじゃ満足できない・・・」 休日とはいえ、いや休日だからこそ、ルカは綺麗なドレスやメイクよりも、血の滴る戦いを望んでいた・・・ ミク、MEIKO、ANN、レンの4人は自動車で隣市の大型ショッピングモールに来ていた。KAITOは仕事のため来れなかった。 ミク「私はレン君と本読んでるよ。」 MEIKO「分かった。」 ミクはレンを誘ってデパートの隣に建つ本屋へ向かう。当初は乗り気でなかったレンも、来ているうちにその雰囲気に慣れた。MEIKOとANNは2人を見送った後で呉服売場に行き、服を見てみた。だがそんな中で、MEIKOは楽しそうな雰囲気とは口が裂けても言えない発言を放つ。 MEIKO「あなた、一体何者なの?」 MEIKOはシビアな目つきで、服を見ているANNを睨む。 ANN「・・・I am a normal visiter.」 MEIKO「じゃあ聞くけど、あの時、船で何してたの?」 ANN「I was looking the view on the ship.」 MEIKO「ええ、分かってる。でもそれは私たちと一緒にいた時間だけ。それ以外の時間は一体どこにいたの?」 ANNはただの観光客だと言い張るが、MEIKOはANNに詰め寄る。そのとき、バイオグリーザがミラーワールド越しに舌を伸ばしてきた。 MEIKO「っ!?」 バイオグリーザの舌がMEIKOに巻きつく。ANNはその隙を突いて走り出した。 MEIKO「しまった・・・」 MEIKOは依然バイオグリーザに捕まっており、追うことができない。MEIKOはこの拘束から逃れるため、金属のパイプにカードデッキをかざしてVバックルを呼び出す。 MEIKO「・・変・・身」 MEIKOはVバックルにカードデッキをセットしてゾルダへと変身し、拘束を解いてミラーワールドへ入っていく。 その後、ミラーワールド内にゾルダの姿を確認したANNはデパートのガラスの前にカメレオンのレリーフが入った黄緑のカードデッキをかざす。 ANN「Hensin!」 ANNは右手の指を鳴らした後、カードデッキをVバックルにセットする。ANNの体にカメレオンの意匠を持つ黄緑の仮面ライダー・ベルデの姿がオーバーラップされ、ベルデへと変身した。 それを見つけたレンは何かの衝動に駆られた。 レン『・・・何だ?・・・今の・・・』 その直後、ベルデがミラーワールドから出てきてレンに襲いかかってきた。 レン「うわッ!?」 レンはベルデに背中から襲われ、左腕を取られて地面に叩きつけられた。ベルデは右手でレンの喉を潰そうとする。 レン「うっ・・・こいつっ・・・!」 ANN「Please to die for my end!」 レンは背中から首を絞められる。ベルデは自分の目的のためにレンを殺そうとするのだが、レンは自分が襲われる理由が分からない。先に見た、人が得体の知れないものに変身し鏡の中へ入ってく姿はどこか見覚えがあるが、それが何なのかは分からない。レンは疑問と絞首、二つの苦しみを受けつつも、ベルデをどけようと足掻く。 しかしベルデは突如背中から銃撃を受け、レンを解放した。ベルデの後ろにはマグナバイザーを向けたゾルダが立っていた。 ANN「Damn!」 ベルデは舌打ちしてミラーワールドへ逃げていく。ゾルダはそれを追い、自らもミラーワールドへ入っていく。 レン「・・・っ・・・何なんだ・・・」 レンはうずくまって咳を吐きながら、自分の胸に抱いた疑問を解決できずにいた。 一方そのころ、ミクは本屋の入口付近でルカと会った。 ルカ「あらミクちゃん。やはり生きてたのね。」 ミク「ルカさん・・・」 ルカは以前レン=ナイトがミク=龍騎にとどめを刺さなかったことを聞き、ミクはまず生きていると考えていた。一方ミクはここで会ったがとルカに問う。 ミク「ルカさん、何であんな楽しそうにあんなことができるんですか?」 ルカ「あなたの言うとおり、楽しいから。殺し合いこそがこの世で最高の感覚でしょう?」 ルカは戦いが世界で最高の愉悦と語るが、ミクは理解できない。 ミク「おかしいですよ、そんなの!ルカさん、そんな人じゃなかったじゃないですか!」 ルカ「いいえ、これも私。あなたが見てきた私はあくまでクりプトンでの私。でも、あなたが職場で見ていた私も、好戦的な私も、どちらも私の本性。演技や多重人格じゃなくてよ。」 ルカはミクの言い分を否定する一方で一部肯定する。ミクの知る限りでは、ルカは品行方正な大人の女性である。だがそれはルカの全てではなく、あくまで一部。今ミクの目の前で戦いを好み、殺戮を求めるルカもまたルカの性格であり、彼女を構成する人格だ。 ルカ「ふふっ・・・でも、今回はあなたとの殺し合いは取っておく。もっと面白い事に出会えそうな気がしたから。それじゃ、また戦えるときを楽しみにしてるわ。」 ルカは女性らしく上品に微笑んだ後、ミクの前を素通りして立ち去る。ミクは硬直し、その場から動けなかった。 ミラーワールドに入ったゾルダは駐車場でベルデを探す。その後ろからカードリーダーの音声がした。 「HOLD VENT」 MEIKO「!」 ゾルダは後ろを向くと、ベルデがバイオワインダーを屋根のパイプに引っ掛け、ターザンのようにしてゾルダに奇襲をかけてきた。ゾルダは体を左に反らしてベルデのターザンキックを回避した後、着地したベルデにマグナバイザーを発砲する。ベルデはバイオワインダーを投げて対抗するが、バイオワインダーはゾルダの銃撃に弾かれてしまう。 ベルデはバイオワインダーを手放し、ゾルダに肉弾戦を挑む。そして、ベルデはゾルダに組み付くが、懐に銃撃を受けてひるみ、逆に押し倒され、喉元にマグナバイザーを突きつけられてしまう。 MEIKO「・・・私の勝ちね。話してもらうわ!あんたのことを!」 ANN「・・・I want to win in the fight. So I will get to my world!」 MEIKO「何ですって!?」 ベルデは戦いに勝ち残って自分の世界を手に入れるという。ゾルダはベルデの意味不明な野望を聞き、マグナバイザーのトリガーを引こうとする。だが横から別の声が水を差した。 ルカ「ククク・・・MEIKOさん。随分面白そうな事をしてますね。私も混ぜてくださる?」 MEIKO「ルカ!?」 ゾルダとベルデの横から王蛇が現れた。王蛇は手にしたベノサーベルでそのまま斬りかかる。ゾルダはベルデから離れて起き上がる。ベルデもまた起き上がり、応戦体制を取る。 王蛇はゾルダを剣撃で軽く弾き飛ばしてベルデに斬りかかった。ベルデは王蛇に肉弾戦を挑むが、武器を持つ王蛇の攻撃リーチとそのパワーに押されて行く。 ルカ「もっと楽しませてくださいよ!新顔さん!」 王蛇は執拗にベルデを攻撃していく。その圧倒的な力の前に、ベルデはダメージを蓄積していき、そして転倒した。王蛇は尚ベルデに攻撃を仕掛ける。 そんな中、1人蚊帳の外となったゾルダは2人を一網打尽にせんとカードデッキからカードを取り出す。 MEIKO「・・・まとめて消し飛べ!」 ゾルダは静かに呟き、マグナバイザーにカードをセットする。 「FINAL VENT」 ゾルダの正面にマグナギガが現れ、武装を開放する。ゾルダはマグナギガにマグナバイザーをセットし、トリガーを引く。 マグナギガの武装全てが一斉に発射された。ミサイルが、ビームが、ランチャーが、バルカンが、駐車場の車を巻き込んで凄まじい爆発を起こし、ショッピングモール一帯を瓦礫としていく。だが、王蛇とベルデは「FINAL VENT」の音声を聞き、即座に回避行動を取っていた。2人は各々手傷を負いながらも、爆発に飲み込まれる直前にミラーワールドを脱出した。 本屋から出てきたミクは鏡からベルデが出てくるのを目撃した。ミラーワールドから出たベルデは変身を解き、ANNの姿に戻った。 ミク「あ、アンさん・・・?」 ANN「・・・Oh・・・」 ミクはベルデの正体がANNだと知り、驚愕した・・・ CONTINUE THE NEXT TUNE
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最終更新日
2019年05月21日 08時46分50秒
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