カテゴリ:演劇・ミュージカル
危うくパスするところだったジキハイ千穐楽をぴかちゅうさんのおかげで鑑賞した。一言で言うと観て大正解でした。写真はジキル&ハイド公式ブログからお借りしました。 ロンドンでクリフ・リチャード主演のミュージカル「ヒースクリフ」観た時はこんなカーテンコールの写真がおおっぴらに撮れました。日本ではねえ、美術舘も駄目ですから。 カーテンコールの鹿賀さんの言葉「2001年にこの芝居を始めた時は内容がこうだから長く 続くとは思わなかった。175回上演出来た。…こんなに別れの辛い芝居もない」感無量の御様子。大変やりがいのある役でしょう。最近のNHKスタジオテーマパーク出演の鹿賀さんは随分穏やかでお優しく見えた。レミゼ初演やNHK大河で大久保利通演じていた(この自由民権運動取り上げた大河は大好きでした)頃の切れ者(本来の意味で出来る人)の印象から進化されたお姿。大事な事を伝えようとなさってる感じだった。 レ・ミゼのバルジャンも観たが鹿賀さんはジャベールが私見ではニンでしたからハイドはまさに適役。衣装やかつらをかえなくてもジキルとハイドになれる。歌舞伎の色悪のようなワルの魅力。大人の色気ですね。日本は若くないと駄目みたいな、お子様文化で儲けたいというのがミエミエで残念だから貴重な存在です。 チケット取るのが遅く二階席も後ろの方だが料金はA席(S席なくA,B席だけ)の半額でうれしい。中日劇場は最後列でも意外に観やすい。舞台全体観わたせてレミゼやこの舞台は床の照明の美しさも鑑賞出来る。狭いから荷物は預けた方が良い。登山帰りかと思うような大きなリックに長袖の女性もいて心配になった。おせっかいだってば。 スティーブンソンの有名な原作のミュージカル化。97年、ブロードウェイ初演。偽善的なヴィクトリア朝の話だが人間の悪と善の物語は普遍的で優れて現代的なテーマ。ここまで行動しなくても誰でも自分の中にこういう面があると思う。音楽と原作の力は偉大。日本人は器用なのか、キャッツ、レ・ミゼ、エリザベート、ジキハイと本場より上手い演出、役者と誉めそやすけれど先ずオリジナル作った人々に敬意を表したい。日本でも良心的なオリジナルミュージカルもあるし、歌舞伎も文楽、能、狂言もある。 初演も中日劇場で鑑賞。鹿賀の演技、歌にはまったく心配なく舌巻いたのはマルシアの上手さだった。エロチックで、はかなくて。(昔の日活映画にはこういう官能的なショー場面がよくあった。もっと上品だが「光子の窓」も好きだった子供時代)はたして彼女は受賞。アイドル抜擢の舞台には幻滅受けた事がある。そういう方は舞台から早晩消えてしまうけれど。 それに対して婚約者エマはつまらない役だと思ってしまったのだが今回の鈴木蘭々は目茶可愛くて声も綺麗でよかった。周防監督の傑作映画「それでもボクはやってない」にも出てましたね。 東宝ミュージカルはオケが来てくれるからうれしい。テープとは大違い。初演の時は日本版のCDもまだないので輸入版と「4Knightsベスト・ミュージカル」の石井一孝の「ディス・イズ・ザ・モーメント」を聴いていた。テレビでブロードウェイ版を鑑賞したが鹿賀さんの一瞬にしてジキルからハイドに変わる演技力は高い評価受けている。ジキルは人類のため、悪と善を分離すればこの世の悪しき争いなどはなくなると研究するが病院の理事会に否認され、自らの体で実験。ハイドから戻れなくなり苦しみ抜く。 娼婦ルーシーは香寿たつき 春にコリオレイナスでも観た彼女は宝塚時代から歌唱力で知られている。私の贔屓の大浦みずきの元で成長。中日劇場でのトップ披露公演の王朝物は娘役トップと共に祝福の気持ちで観いった。 アンサンブルの重唱は素晴らしい、ミュージカルの醍醐味ですね。女性理事の荒井さんは東宝の大作ミュージカルで何回も魅せてもらっている。浜畑賢吉、戸井勝海、宮川浩、大須賀ひでき、秋園美緒、園山晴子など実力派揃いでした。 この舞台は2回しか観劇してないし粗忽者なので思い違いも多々あると思いますので御指摘下さい。傑作ミュージカルは音楽やアンサンブルの芝居に非常に意味があるのでとても2回では分かりません。初めてレ・ミゼを観劇したときが正にこれでした。レ・ミゼはまだ何回か観劇出来ましたが、財布がカルカルなのでもう難しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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