映画ではありません。四半世紀前の1981年、ＴＢＳの正月特別番組として放映されたＴＶ時代劇。ＴＶにしてはスケールが大きく、3000人以上のエキストラを使って再現した合戦シーンは評判となった。
ストーリーはどなたもご存知の豊臣秀吉の死から関ヶ原合戦での徳川家康勝利までであるが、このＴＶ映画の凄いところは配役である。ＴＶ映画、いや通常の映画を見渡しても、これ程絶妙なキャスティングは類を見ず、思いつくところでは『ナザレのイエス』位かもしれない。
まず主役の
　徳川家康：森繁久弥、　豊臣秀吉：宇野重吉、　石田光成：加藤剛
はともかくとして、
　毛利輝元：金田龍之介、　加藤清正：藤岡弘、　福島正則：丹波哲郎。
そして
　宇喜多秀家：三浦友和、　小西行長：川津祐介、　細川忠興：竹脇無我、　小早川秀秋：国広富之、　大谷吉継：高橋幸治、　増田長盛：平田昭彦
極めつけは
　安国寺恵慧：神山繁、　島津義弘：大友柳太郎、　島左近：三船敏郎
他にも本多正信（三国連太郎）や本多忠勝（高松英郎）もなかなか合っている。しかしやはり三船の島左近である。これが最後の雄姿だったのではないだろうか。
合戦シーンはなかなかだったが、山本直純による音楽は頂けなかった。戦国時代にニニ・ロッソは合わないだろう。