すごいぞ、東京都!
11月から週1でCSR関係の仕事をしている人の手伝いをしている。仕事内容は雑用なので、特に必要は無いのだが、個人的興味から「CSRを超えた環境経営」というシンポジウムを聞きに行った。午前中、高校入試の手伝いの仕事があったため、行くのをためらったのだけど、思い切って途中から拝聴。残念ながら安井教授の基調講演は聞けなかったものの、東京都環境局年地球環境部長、大野氏の話からは聞くことができかなり興味深かった。去年の6月に東京都環境確保条例の改正が全会一致で可決されたそうだ。そのときの写真でパワポで出されていたが、誰も立っていない。不思議な光景だった。満場一致だったからだそうだ。(こちらの2枚目)改正内容についてはこちら。何が、すごいかというと、削減を自主参加ではなく義務化したということ。国は京都議定書などの公約があるにもかかわらず、削減を「努力目標」で義務化はしていない。動きの遅い国に先駆けて、都は動き出した。対象は一定規模以上の大規模事業者に加えて、オフィスビルやテナントの事業者もその対象となる。削減義務化と同時に「排出量取引」の導入も行う。排出量取引というと、省エネが進み削減できない先進国と削減率が大きい新興国の間で行う排出量取引を思い出すけど、そうではないらしい。これの説明会の資料によると都内・国内の削減優先のため、京都クレジットは対象としないそうだ。ちゃんと違反者の罰則もある。最大50万円の罰金やら、違反者の公表、削減不足量に応じた額を払わなくてはいけなかったりだ。他にも家庭用太陽光発電を促したりで、10年後の2020年までに何としてでも2000年よりCO2排出量をトータル25%削減しようというもの。これはすごいよね。京都議定書のマイナス6%を実行するだけでも、遅々として進んでなくて逆に増えていたりするのだから。それでも危機感の感じられない国の動きと、確実に動き出している都の動き。報告、義務を与えることでトップの意識改革を行い、確実に削減していこうとする行動力。例えば、最近は蛍光灯の形をしていて交換すればいいLEDの照明などあるそうだ。初期のコストは4,5年で元が取れる。その判断をするのはトップ。そこで、変えるか変えないかは、制度化することで意識改革を行う。「我々にできるのは、ルールを作ることです。」と言い切った大野さん。かっこいいぞ。都にはディーゼル規制を行った実績もある。反対はされたが実施した結果実施前は観測点全部で環境基準値を超えていたのが、今では観測点全てで基準値以下になったそうだ。排出量の算定や、削減目標設定などなど、ディーゼル規制以上にややこしくて大変だとは思うがぜひ頑張って実現して欲しい。政治的なことは言いたくないのだけど、オバマさんの環境政策が話題になっているのに対して、日本では総理の漢字の間違えが話題になっている今日この頃。石原都知事は必ずしも好きではないのだけど、この都の取り組みに対してはエールを送りたい。