滋養強壮

認知症の母親の介護に疲れ、そのため仕事に就けないと将来を悲観した４４歳の長男が母親を殺害。（1/21　共同）

というニュースを聞くと、殺人は良くないが、わからなくもない気持ちになる。

家族に認知症の者がいるのは、本当に一緒に生活をしてみたものでないとわからないことが多い。日々の暮らしの中で、昨日まで出来ていたことでもできなくなったり、生活を共にしていなければたとえ兄弟であっても、介護している者の気持ちはわかろうとしてもなかなかわからないことが多い。
はたから見れば、「病気なんだから仕方がない」だとか「子供だと思って」だとか言うのだが、実際に毎日毎日手数がかかることばかり。自分の時間もままならないことも多々ある。
デイサービスだとか福祉の力を借りても、病人がデイサービスに行っている間の数時間だけが、ほっとする時間でもある。
まして徘徊がある場合は、家族のものは睡眠さえままならない。
ケースワーカーに相談したりして愚痴を聞いてもらっても、一時的なもの。完全に惚けていて病院に入所させられる場合は良いが、中途半端な症状がこれまた、介護認定が正しく判断されない場合が多い。
介護認定の調査にくる保健士さんの病人との面接では、ほんの半時間程度のやりとりでは、なかなかわかってもらえない。
通り一遍の質問で、そういうときに限って病人はまともに受け答えする場合が多く、保健士が受ける印象は、「たいしたことがない」ふうに見えるようだ。だから、介護認定が低かったりするのだ。
勿論、各市町村によって甘かったり厳しかったり、ケースワーカーの人数が違ったりして対応も違うのだが、本当に調査にくる役所の人も毎回担当が変わるので、担当者によって所見が違うと判定が下がったりする場合もある。

そして、たとえば病人が怪我や別の病気で入院する場合がこれまた大変で、徘徊があるとなかなか受け入れてもらえる病院が少ないのだ。

介護に疲れるという気持ちわかるんだよね。


「一度この病人をお持ち帰りしてください。一週間生活を共にしてみてくださいな」って言いたくなる。



うちもそうだから･･･。