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カテゴリ:黒笹の視点
日本経済新聞初の試み朝刊本誌連載劇画「結い親鸞」が結局、日の目を見ることなく連載中止となった。
前代未聞の迷走劇といわざるを得ない。 華々しい連載告知だった。前回にも書いたが、全15段3ページにわたり異質な誌面がひときわ目を引いた。日経の堅い紙面構成だけになおさらのことだった。5月30日の日経朝刊だ。 そして6月6日朝刊。記念すべき本格連載開始日。U29のタイトルはあるものの劇画らしきページは見当たらない。期待していただけにスカスカの拍子抜けした紙面といわざるを得なかった。 かろうじて右下に小さく「作者小池一夫氏の都合により当面連載は休みます」の注記を探すのには少々時間を要した。 前代未聞のドタバタであり、この顛末がまさに劇画チックと揶揄されてもやむをえない。 週刊文春6月18日号にはその辺のくだりが詳しく書いてある。事実関係は文春によるが、小室哲也よろしく著作権の二重譲渡の可能性を示唆している。この報を受け、日経側は掲載に慎重になり、小池氏側からの申し出により連載を休止したという。そのほか、小池氏は3年ほど前、大阪芸術大学にゴジラの3D映画化の企画を持ち込み1億円を出資させた(映画はいまだ未完成)などのゴシップが浮き彫りになっている。 そもそも今回の連載の経緯は小池氏が日経のドン杉田会長との会食の中で掲載要請をしたという。まさに杉田会長マターの連載ということのようだ。かつてのTCワークス(日経子会社)のドタバタ劇を髣髴とさせる。 日本のプラチナペーパーとして自他共に認める日経の迷走劇。サラリーマンの必読誌として誰も異論を挟むものはないだろう。親愛の意を込めてしっかりしてちょうだいよ日経さん。 折しも文春同号の特集には新聞社の押し紙問題(部数の水増し)が取り上げられている。環境問題、企業の倫理観を世に問いながら、新聞社の生命線である発行部数の水増しは広告主を欺き、公正な競争を促しているとは到底いえない。 コンプライアンス、環境問題を論じる資格があるのか。これは新聞社全体にいえること。 お粗末なドタバタ劇はフィクションの劇画だけでご免被りたい。 次回は新聞社の押し紙問題を述べてみたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.06.21 12:35:48
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