黒い絨毯
小さいころの思い込みってのはあるもんだ。あるもんだ。それはまだ僕が幼かったころ。テレビでやっていた恐ろしい場面。黒くうごめく四角いものが砂漠のような場所をはい、生き物に襲い掛かるとたちまち骨となって出てくる。テレビの音声は「くろいじゅうたん」と伝えていた。恐ろしいその正体は「ありのたいぐん」。当時、僕の知っていたテレビ番組はアニメ、子供向け番組、ニュース。アニメでも、にこにこぷんでもないそれは、僕の中で「にゅーす」に認識された。「にゅーす」は本当に起こった事件を伝える……。それからしばらく僕はありの行列に近づかなかった。あれはどこかの国にいるアリだとずっと思っていた。それが「映画だったんじゃない?」という可能性を友人から聞いたのは10年以上経ってから。さっき確認した。「黒い絨毯」という映画が確かに存在していた。小さいころの自分、ばかだったんじゃない、ばかだったんじゃないんだ ><;純粋だったんだ (゜゜;)