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BOSSの備忘録。

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2007年09月05日
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カテゴリ:演劇

こまつ座&シス・カンパニー公演
「ロマンス」
作/井上ひさし
演出/栗山民也
出演/大竹しのぶ、松たか子、段田安則、生瀬勝久、井上芳雄、木場勝己
07年9月5日(水)13時30分開演の部
世田谷パブリックシアター 2階B列3番

チェーホフの物語である。
チェーホフの評伝形式を取り入れながら最終的にはチェーホフがどういう考えを持って数々の作品を書き記したかが分かる仕組みになっている。

非常に刺激的で完成度の高い舞台である。
先ず三島由紀夫も「サド侯爵」などでやっていたが、日本独特の新劇スタイルを逆手に取った日本人が外国人(この場合ロシア人)を演じるという、いわゆる赤毛モノスタイルを取っていると言うこと。

チェーホフという人物を年代別に四人の俳優が演じるということ。
形式にヴォードビル形式を取り入れていること。

圧巻は二幕目のチェーホフ対スタニスラフスキーの対決だろう。
それは作家対演出家の対決でもある。
チェーホフの意図を如何にスタニスラフスキーが理解しなかったか。
ホントはヴォードビルとして書いた作品が何故悲劇と呼ばれるようになってしまったか。
他者の書いた作品を演出する身には耳に痛い言葉が延々と続く。
それは作者自身の言葉かも知れない。

この芝居を観る限り私のチェーホフ作品に対する考えが間違っていなかったことも確認できた。
それはチェーホフの考える、ドラマ論、として語られる。

もっとも意外だったのはチェーホフがヴォードビルの大ファンでヴォードビル形式の芝居を幾つも幾つも書き残していたと言うこと。
今あるチェーホフの作品上演にはチェーホフの作品のみからの分析上演ではなく必ずスタニスラフスキーの演出意図が潜んでいると言うこと。

出演者はみんな素晴らしい。
六人のアンサンブルが見事だ。
演出も実に丁寧。
是非観劇をお勧めする。





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最終更新日  2007年09月07日 15時17分28秒
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