日本人の演技
「日本人の演技」タイトルに惹かれて買った。買ったのは演劇人にはお馴染みの神田神保町「矢口書店」。著者は戸井田道三と云う方。昭和34年11月10日初版発行とある。定価は290円。店主と交渉して(買おうと思った時点でまだ値が付いていなかった)2,000円で購入した。もともと欧米の演技の方法をそのまま日本人の演技の訓練に用いることに疑問を感じていた。もちろん、欧米の演技の方法とその訓練方法にはすぐれたモノが多い。が、それらが全て日本人と云う人種にそのまま合うかと云うとどうやらそうでもないらしいということをうすうす感じていた。例えば、あくまでも私論だが、所謂メソード演技が日本でそれほど普及しなかったのは日本人という体質に合っていなかったからではないか、と云うのが私の考えである。では、日本人に合う演技とは何か?つまり、「日本人の演技」という言葉がキーワードとなっていつも私の頭の中を駆け回っていた。まあ、そんな矢先に偶然出会ったわけである。「彼岸花」「杏っ子」「風化」「涙」「正義派」「喜びも悲しみも幾歳月」「駅前旅館」「猫と庄三と二人の女」「裸の大将」「キクとイサム」「純愛物語」「第五福竜丸」「嵐を呼ぶ男」「明日は明日の風が吹く」「乳母車」「夜の鼓」「赤い陣羽織」「女殺し油地獄」「どん底」「大阪の女」「大阪物語」それと何故か歌うイヴ・モンタンの写真が掲載されている。まったくの未読だが、楽しみながら読みたいと思う。